自動車メーカーがロゴを一新したり、近年でいうところの「BEV路線宣言」のように、ブランドの方向性を大きく変更することは珍しくない。しかし、ジャガーは過去に類をみない大きな路線変更を宣言した。果たしてその戦略は成功するのだろうか?
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ベストカー編集部
【画像ギャラリー】こ、これジャガーなの!? 斬新すぎないか、マジで!! 二度見しちゃう姿がコレ(4枚)
■ジャガーが投稿した新しい広告が大きな話題に
クルマが一切登場しない広告映像を発表したジャガー。「何も模倣しない」「平凡を削除」とい力強いメッセージが発信されている。
コンセプトカーの発表は、大手自動車メーカーにとって日常的な出来事といえる。だが、2024年末にジャガーが見せた「変革」は、自動車業界に未曾有の衝撃を与えている。これは間違いなく、2024年の自動車界最大のトピックと言えるだろう。
2024年11月19日、同社は突如として全てのSNSアーカイブを削除。代わりに投稿された30秒の映像には、従来の自動車広告の常識を覆す斬新な演出が展開された。
車両は一切登場せず、モデルたちによる実験的なパフォーマンスと「何も模倣しない」「平凡を削除する」という挑発的なメッセージが発信された。
同時に発表された新しいブランドロゴは、伝統的なジャガーマークを現代的に再解釈したデザイン。「JaGUar」という特徴的な新社名表記は、保守的なファン層から激しい反発を招くことになった。多様性を過度に重視した“ウォーク”(Woke)である、と。
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■変革が必要になるほど苦戦していた近年のジャガー
Type 00という名前で発表されたコンセプトモデル。デザインの奇抜さは従来のコンセプトカーとさほど差はない。あとはこれをどう市販化に落としていくか…注目が集まる。
この動きに対し、英国改革党のナイジェル・ファラージュ議員は”倒産は避けられない”と断言した。テスラCEOのイーロン・マスク氏もXで”車を作る気はあるのか”と皮肉を込めて投稿している。
一方、F1解説者のマーティン・ブランデルは「意図は不明だが、これは天才的な戦略だ。生産を停止している今こそ、ジャガーは最大の注目を集めている」と評価を示した。
実は、この劇的な転換は1年以上前から予告されていた。2024年11月時点で、1948年以来初めて新型車の生産が完全停止。同社は「ファイアブレイク(一時停止)」と呼ぶ戦略的休止期間に入り、10万ポンド級のウルトラ・ラグジュアリーEVブランドとしての再出発を目指している。
かつてル・マンを制覇し、フェラーリやアストンマーティンを4分の1のコストで凌駕した黄金期を持つジャガー。しかし、その輝かしい歴史が新たな発展の障壁となっていた可能性は否めない。
2023年度、JLRグループ内でレンジローバーが5万8000台、ディフェンダーが2万8700台を記録する中、ジャガーの販売は1万3528台に留まっていた。
12月3日に公開された「Type 00」は、ジャガーの変革を象徴するコンセプトカーだ。ピンクのボディカラー、跳ね上げ式のバタフライドア、そして未来的なフロントマスクは、従来のジャガーのデザイン哲学から完全に脱却している。
筆者にはEタイプの再解釈とも映るが、SNS上では2006年のサーブ・エアロXとの類似性を指摘する声も上がっている。ただし、Type 00はあくまでも新生ジャガーの方向性を示す「マニフェスト」としての意味合いが強い。
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■ジャガーの戦略が正しかったのか、分かるのは2026年以降
クロアチアの電気自動車開発会社として最近よく名前が登場するリマックテクノロジー社。ブガッティ、ポルシェといったメーカーへの技術提供も行っている。
注目すべきは、BEVハイパーカーメーカー「リマック」との関係性だ。ハリー王子とメーガン妃の結婚式で使用されたEV化されたEタイプは、実はリマック・テクノロジーの手によるものだった。同社は2021年、オクスフォードシャー州にR&D拠点を設立し、JLRグループと関係性を強調している。
最近のリマック・テクノロジーのウェブサイトでは、技術提供先としてブガッティ、ヒュンデ、ポルシェ、AMG、BMW、CEERの6社のみが記載されている。
だが、これは全ての取引関係を網羅したものではないだろう。そして、新生ジャガーのパワートレインには、リマック・テクノロジーの技術が採用される可能性が高いのでは、と筆者は思いを巡らせている。
「BEVは充電が面倒」「航続距離が心配」などと口にしてしまう人は、もはやジャガーは顧客として見ていないのだろう。
BEVを受け入れられる人だけをターゲットに大胆に変革を遂げるのであれば、リマック譲りの動力性能を持つセダンが誕生させそうではないか?
つまり、度肝を抜かれるようなBEVになるのではないか、とワクワクしている。2026年には答え合わせが出来る。間違っていたら、ごめんなさい。
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投稿 ええええ、ジャガーなの!? 新世代ジャガーが衝撃すぎな件 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
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みんなのコメント
カッコ良さも、高級感も、スポーティさも感じられない。。
何を目指したのやら。