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勝田貴元、新コンビの連携に不安なし。2022年ラリージャパンでは「少なくとも表彰台争いを」

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勝田貴元、新コンビの連携に不安なし。2022年ラリージャパンでは「少なくとも表彰台争いを」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権にWRカー『トヨタ・ヤリスWRC』で参戦している勝田貴元。10月14~17日にスペインで行われた今季第11戦を終え、来月のイベント出演のため日本に帰国した彼がオンライン形式でのグループインタビューに応えた。

 先週末、スペイン北東部のリゾート地サロウを中心に開催されたイベントでは、勝田は初日のSS1で痛恨のクラッシュ。エストニア以降、コドライバーのダニエル・バリットの欠場が続き代役のコドライバーとともに戦うなかで3戦連続となるアクシデント、2戦続けてのデイリタイアを喫してしまった。

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 スタートから18km地点の右コーナーで発生したこのクラッシュについて、勝田は前戦フィンランドからコドライバーを務めるアーロン・ジョンストンが読み上げたペースノートの情報を自身が勘違いしたことで事故に至った、と金曜当日にSNSを通じて説明していたが、今回のグループ取材でもアクシデントが「ペースノートを聴き間違えた」ために起きたことを改めて強調した。

 彼によれば、ステージのインフォメーションを記したペースノートの記載事項は正しく、またジョンストンのコールも正確になされていたという。そのなかで勝田は当該の複合コーナーにおける重要な要素を一部聞き逃してしまい「“2”のアングルのところを(より緩やかな)“5”のつもりで入ってしまった」と説明した。ここで出てくる数字は、ペースノート上でコーナーのキツさの目安とするもので、数字が小さいほどRが小さくタイトなコーナーになることを意味する。

「ギアの速度で言うと2速で曲がるべきところを4速で進入し、すぐに(想定してたよりもタイトなコーナーであることに気づき)3速に落としたのですが、もちろん間に合わず。コーナーを曲がりきれずに出口のガードレールに当たってしまいました」と彼は述べた。

 今戦が一緒に戦う2戦目のラリーとなった代役コドライバーのジョンストンについては、「まだまだ互いに合わせ込みは必要だと思う」としながらも、今回のラリー・スペインでは、勝田のグラベルクルーを務めるユホ・ハンニネンのコドライバーとしてラリーに“復帰”したバリットからもアドバイスを受けるなどして、「再スタートを切ったデイ2以降はお互いにもっとこうしてほしい、こうした方がいいのでは、という話からそのあたりのアジャストをうまくしてくれた」と勝田。

「ステージが進むごとに僕が(コールをして)ほしいところで言ってくれるように対応してくれたり、リズムや読み方にしてもうまく対応してくれて、日曜日に関してはもうまったく違和感がなくなり、『ああしてほしい、こうしてほしい』という小さなことも出てこないくらい、コンビネーションはスペインの前と後では格段に良くなったというか、合うようになってきました」

「僕の中では、もうそこに対する不安要素はまったくなく、あとはラリーをやればやるだけ、テストもすればするほどどんどん良くなっていくとしか思えないので、そこは非常に前向きに捉えています」

■日本人選手が活躍しないとラリーのファンが増えていかない

 11月19~21日にイタリア、モンツァで行われるWRCの次戦『ラリー・モンツァ』は昨年、勝田がキャリア初のステージベストタイムを記録したイベントだ。このシーズン最終戦に向け、彼は「自身の力を出し切りたい」と豊富を述べた。

「モンツァに関しては2020年の大会と似たようなステージに加え、山のステージがさらにふたつほど増えるため、“ちゃんとした”と言うと変ですが昨年以上にラリー要素が増えると思っています」

「そうしたなかで、僕としては(来シーズンからラリー1規定が導入ため)最後のWRカーのラリーになりますし、そこで自分の最大限の力を発揮して、いいリザルトを残したいという思いで、とにかく今持っている力を出し切って最後まで走りきりたいと思っています」と意気込みを語った。

 そのラリー・モンツァは昨年と同様に、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止となったWRC日本ラウンド『ラリージャパン』の代替イベントとして行われる。開催が予定されていた母国ラリーの2年連続開催中止、このことは勝田にとっても日本のファンに自身の走りを見てもらえるチャンスが2年連続でなくなったことを意味し、彼も落胆している。

 しかし一方で、すでに発表されている2022年大会の開催に向けてはポジティブに捉えてもおり、自身を含めて準備期間がもう1年続くことでより良い大会が実現すること、そしてそこで好結果を残すことにつながると考えている。

「(ラリージャパンが)今年も開催できないというかたちで発表されたことはもちろん残念ですし、『来年こそは!』という想いもありますが、その分、僕も含めてですけど準備期間が増えたと思いますし、より良い大会ができるんじゃないかと思っています」

「コロナの影響で2年間開催できなかった分、僕もこの間に大きく成長していますしそこで結果を出すことを第一に考えて、日本のファンの皆さんの前で少なくとも表彰台争い、優勝争いができるように戦い、よりラリーファンの層を増やしていきたい。まずはそこが大きな意気込みというか目標です」

「やっぱり日本人選手が活躍していかないと(日本で)ラリーのファン、日本人のファンも増えていかないという点は間違いなくあると思うので、そこは本当に自分が今やらななければいけないことのひとつとして、すごく大きな目標のひとつにしています。ですので(2022年のラリージャパンが)非常に楽しみですし、来年こそは開催されることを祈って、そこに向けてとにかくできる限りの準備をしていきたいと思っています」

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