ハイブリッド化という新時代を迎えたWRC(世界ラリー選手権)。競技2日目を終えた段階で、セバスチャン・ローブ(M-スポーツ・フォード)が総合首位に立っている。
ダカールラリーを総合2位で終えたばかりのローブ。そのままモンテカルロへと移動したため、新型車両の走行時間も限られていた上、2020年のトルコ以来1年半ぶりのWRC復帰にも関わらず、いきなり速さを見せている。
■ラリー・モンテカルロ2日目:ローブが好走見せ総合トップ浮上。オジェ僅差の2番手に続く
ローブは、昨季限りでWRCフル参戦をやめたセバスチャン・オジェ(トヨタ)とシェイクダウンから速さを見せつけた。競技2日目、1月21日に行なわれた6ステージのうち4つを制したローブは、オジェを逆転。9.9秒差のリードを築いた。
「こんな結果になるとは思っていなかった」と、ローブは語った。
「このクルマで良いリズムが刻めると思っていたし、テストでも良い感触があった。でも、どの程度のスピードが出るかは分からなかったんだ」
「もちろん本当に満足しているし、ベストタイムをいくつか出すことができた。その後はハイブリッドに少し問題があり、最後のステージはオジェがとても速かった」
「今のところ、僕たちは前にいるけれど、大きな差はない。明日のステージは雪があるから大変だと思う。タイヤ選択や、リズムを掴むことが重要だ」
一方のオジェも、未だ参戦予定を発表してはいないものの、WRCフル参戦はしないため、ドライバーズタイトル争いを考えずに攻めることができる立場にある。
オジェはMスポーツが3台のラリー1規定の新型マシンの中で最も速いと認めながらも、優勝争いをあきらめるつもりはないようだ。
「1ステージ(SS5)を除いては、まずまずの1日だったと思う」と、オジェはmotorsport.comに語った。
「(新しいコドライバーの)ベンジャミン(・ヴェイラス)とは良い仕事ができていると思うが、1ステージで15秒の遅れはちょっと辛い。でも、それ以外はいい一日だった」
ローブを追い抜くことができるかという質問には「いずれ分かることだが、フォードのほうが速いのは明らかだ」と付け加えた。
「様子を見るしかない。でも、あきらめずに頑張ってみるよ」
オジェは、バランスとトラクションの微調整が現段階での最も顕著な課題だと考えている。
「ハイブリッドとクルマの反応について、少しは分かってきたと思う」
「今のところ、バランスはまだちょっと問題だし、トラクションもまだちょっと足りない。明日はもっと良くなることを期待している」
オジェは今後のWRCスポット参戦や、WECなどでの活動予定を2月上旬に発表するという。おそらく4~5戦はWRCを戦うとコメントしているオジェに対し、ローブはモンテカルロが今季唯一のWRC参戦になる可能性を認めている。
「モンテカルロだけになる可能性がある。もちろん、もっと多くのラリー出場について話していたが、すべてを同時に組み立てるのは少し複雑すぎたので、まずはモンテカルロについて決めた。残りは後で話し合う」
フル参戦ドライバーを尻目に、レジェンド同士が繰り広げるトップ争い。今季、もう見られない可能性があるだけに、見逃せない戦いとなりそうだ。
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