大人気のカーアクション映画シリーズ「ワイルド・スピード」の最新作が、いよいよ日本でも公開される。今回はどんなアクションが見られるのか、映画批評家の永田よしのり氏に解説してもらおう。
限界を超え、さらなる次元に向かうシリーズ最新作
前作『ワイルド・スピード ICE BRAEK』から5年後の世界を描いた本作品。主人公ドミニクの過去と実の弟、父親との関係が描かれ、地球規模の危機、新たなファミリーの結成、そしてさらなる展開を観ることができる。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ドミニクはエレナとの間に産まれた息子のブライアン、パートナーのレティと3人で外界と連絡を遮断した隠匿生活をしていた。そこに現れた仲間たち。彼らは米国諜報組織のミスター・ノーバディが極秘輸送していた世界をも掌握できるデジタル装置「アリエス」を乗せた輸送機が南米で墜落したため、その回収依頼への協力を依頼してくる。仲間とともに南米へと向かうドミニク。だがそこに現れたのはかつての宿敵であるサイファーと結託した実の弟、ジェイコブ。
アリエスの回収、30年前に決別した弟との再会と衝突。ドミニクは現在の仲間たち「ファミリー」とともに実の弟との戦いに足を踏み入れていく。ドミニクとジェイコブとの間にどんな確執と怨恨があるのか? 物語はまさにジェットコースター的に加速度を増していく!
2001年の第1作「ワイルド・スピード」から早20年。新型コロナ感染拡大の影響で延期されていたが、スピンオフ作品も含めてシリーズ10作目となる最新作がついに日本でも公開。シリーズ全体の累計興行収入が5500億円超え、北米史上10番目に長い映画シリーズ(ちなみに1位はジェームズ・ボンド シリーズの25本、興行収入の1位はマーベル・シネマティック シリーズだ)として認知されている本作。今回もド派手なカーアクション、地球規模の危機、家族の絆、と幅広い年齢層にアピールするエンターテインメントとなっている。
2001年当初はストリート レーサーたちとロサンゼルス警察との戦いという限定地域でのシンプルなものだったが、今やドミニク ファミリーは世界の危機を救う秘密組織に。その展開の拡大とともにカーアクションもどんどん過激に派手になってきた。すでに潜水艦ともチェイスしたドミニクたち、今回は宇宙にまで飛び出して行く。あくまで荒唐無稽とも思えるアクションとストーリー展開を楽しむ映画なので、細かい部分にいちいち意義を唱えるのは野暮というもの。250億円以上の製作費をかけて、これだけブッ飛んだ映画を作ってしまう映画大国アメリカの風呂敷の大きさを楽しみたい1本だ。
次々と登場するクルマも見どころのひとつだ!
本シリーズでクルマ好きな観客が楽しみにしているのは、どんなクルマが登場し、どんな走りを見せてくれるか、という部分。今回、街中でのド派手なチェイスに登場するのはアルマジロと呼ばれる3連繋の巨大装甲車。撮影用に2種類が作られていて、その存在感は脅威的。主人公 ドミニクが駆るのは彼お気に入りのダッジ チャージャー。ガレージにはオリジナルの1327 チャージャー(*)、1970年式チャージャー タントラム、2020年式 チャージャー SRTヘルキャット、ミッドエンジン チャージャーなどが鎮座している。
*:ドミニクの愛車のひとつで、彼の家の住所「1327」にちなんでこう呼ばれている。ちなみに、家屋そのものはスカイミッション(2015年)で爆破されているが・・・。
ロンドン市街戦ではノーブル M600、ブガッティ ヴェイロン、ベントレー コンチネンタルGT、アストンマーティン ラピードなどが、そして日本車では2020年式GRスープラが登場。ドミニクの弟、ジェイコブが駆るのは2016年式フォード マスタングにV8スーパーチャージャーを搭載したGT350。いずれも我々が普通に日本の公道を走らせるには、なかなか手に余るクルマばかり。これもアメリカという広大な土地を走る「燃費なんて気にしないぜ」という精神の現れか。
今や世界各国でカーボンニュートラルが叫ばれ、EUでは2035年にガソリン車の発売禁止も方針として打ち出されている。それでも「ワイルド・スピード」シリーズに登場するクルマがハイブリッド車や電気自動車になることはないだろうし、ガソリン車を愛する我々にとっては、そんな「ワイルド・スピード」映画が楽しいかどうかも疑問だろう。
そうした世界的情勢の中、2020年10月にスピンオフを除いたシリーズの10作目/11作目が、それぞれ2023年/2024年に公開予定で、本作で監督に再登板したジャスティン・リンが次なる2作の監督を担当、キャストも戻り、あと2作でシリーズが完結することが既にアナウンスされている。
大ヒット アクションシリーズも残すところあと2本とのこと。このド派手なカーアクション映画はこれまで陸、海、空、そして宇宙まで、その舞台を広げてきた。今度はどこまでその世界を広げるのか? 我々は、このなんでもアリの大排気量カーアクション映画を最後まで楽しみにしたいものだ。(文:映画批評家 永田よしのり)
「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」
Ⓒ2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
2021年8月6日(金)全国公開
配給:東宝東和
147分
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、ジョン・シナ、ほか
[ アルバム : 「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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