■日産復活の鍵を握る新型「ノート」その出来はいかに?
2021年は日産復興の始まりになると考えている。新しい商品群が続々と登場してくるからにほかならない。
正確に書くと、すでに世界規模で見ればアメリカで新型「ローグ」を発表。
新興国市場向けの新型「ナバラ」もアンベールされいずれも大好評。
日産関係者によれば「手応えしか感じません!」。そして日本市場にも新商品を発表する。
こう書くと「すでに『キックス』を発表しているのではないか?」と思うだろうけれど、キックスというクルマ、海外で2016年にデビューしています。
日本発売に合わせフロントなどデザイン変更をおこなっているものの、ブランニューといえない。
使われている技術を含め、日本で投入される新しい世代の商品群第一弾は新型ノートになります。
写真を見て頂ければわかる通り、完全なるフルモデルチェンジである。
プラットフォームはルノーと共用の「B」ながら、大幅に手を加えているそうです。
従来型ノートより全長が若干短くなっているものの、リアシートのレッグスペースなど、ライバルとなるホンダ「フィット」を凌ぐ。
リアシートに座ってみたが、リクライニング機能も付くなど快適。
エクステリアにはキッチリお金を掛けており、極めて平滑度の高い外板など塗装見ただけで「仕上げにこだわりましたね!」と思えるほどです。
上級グレードに採用されているLEDヘッドライトや、薄いリアコンビランプも2車格上くらいのコストが掛かるパーツを使っています。
開発担者曰く「日産でもっとも安い価格のクルマですが凝りました」
インテリアも大型の液晶パネルをメーターとナビ用に組み合わせている。
今や大型液晶パネルは必須の装備になったと思う。これまたケチったミドルクラス車より質感あります。
前述の通りリクライニング機能まで付くユッタリとしたリアシートの使い勝手を含め、インテリアは新型ノートのストロングポイントになることだろう。
さらに頑張ったのがe-POWER。従来型ノートに搭載されているe-POWER、以前も書いた通り開発に十分な時間とコストを掛けられなかった。
1.2リッター3気筒エンジンとモーターを組み合わせ、電気自動車「リーフ」の技術を注入。信頼性と滑らかさを確保した時点で開発時間切れになってしまったことを、日産も隠さない。新型は従来型で間に合わなかったことをしっかりやった。
■新型ノートのパワートレインは具体的にどう進化!?
具体的に書くと、発電専用エンジンということで改良を加えワンランク熱効率を高めている。
同じく発電用エンジンのため騒音レベルを抜本的に見直した。その上で絶対的な出力を向上させ、発電機から引っ張り出せる出力まで上げたそう。
今回、試乗することは出来なかったもののパワーユニットの開発担当者は「凄く速いです!」。
とくに街中を40km/hから50k/hで走っているときからの追い越し加速に優れているようだ。
「追い越し加速が圧倒的に良くなった『ヤリス』のハイブリッドを100。フィットのハイブリッドは60とすればどんな感じですか?」と聞いてみると、150くらいだという。
ちなみに追い越し加速感が良いと評価されている従来型ノートで120くらいだと私は思う。
負けていた実用燃費も聞いてみた。
「今までのノートは渋滞路などに関していえば負けていなかったと思いますが、90km/h以上の巡航で少し厳しかったです。
新型になって110km/hくらいまでなら負けない実用燃費になると考えています」(パワーユニット開発担当者)
実際、WLTCモードで28.4km/Lと、ほとんど車重が同じトヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」をわずかに凌ぐ。
広いキャビンスペース持つフィットのハイブリッドを、燃費とドライバビリティで大きくリードし、ヤリスクロスと同じくらいの燃費をキープしながら、広いキャビン&元気よく走るというのだから興味深い。
気になる価格も装備内容をピッタリ揃えられないため横比較は難しいけれど、ナビなど必要なアイテムを加えたらライバルと同等。
もちろん自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)に代表される「ぶつからない性能」はレベルの高い日産車ということもあって万全。
避けきれず衝突したときだって欧州標準のプラットフォームとあり、ニーエアバッグまで付く。
試乗が楽しみになってきた。このクラスのクルマの購入を考えているなら、ぜひショッピングリストの上位に加えておいて損はないと思います。
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