元メカニックであっても蘇らせるのに苦労した初代サニー
20世紀生まれであれば2輪4輪問わず誰でもウェルカム。そんな懐の深い「20世紀ミーティング」に、今回はなんと日産初代「サニークーペ」が登場しました。ヒストリックカー・イベントでもなかなか見かけないこの希少車は、35年ぶりに路上復帰を果たした1台。自らの手で再生させたオーナーに話を聞きました。
先輩から譲ってもらった「サニトラ」に家族も大喜び!「休日は子供たちとドライブに奥さんと買い物を満喫してます」
発起人は当時高校生⋯地域に根づいたカーイベント
2025年4月13日に新潟県三条市のミズベリング三条で開催された20世紀ミーティング2025春季。これはその名の通り、20世紀生まれであれば2輪4輪ジャンルや国籍を問わずエントリー可能というおおらかなイベント。もともとは2021年に当時まだ高校生だった片桐宏基さんが発起人となって開催した「古き良き5ナンバーミーティング」がそのルーツ。
現在は地元でミュージアムを開設しているKYOWA クラシックカー&ライフステーション内に事務局を置く20世紀ミーティング実行委員会が主体となって運営され、世代を超えてクルマ好きが集まる年に2回の恒例イベントとして地域に定着している。
850万通の応募から誕生した車名を冠したサニーに遭遇
会場に集まったエントラントは2輪・4輪合わせて約160台と、なかなかの規模。古くは戦前の日産「ダットサン」から1997年式のいすゞ「エルフ」、ホンダ「スーパーカブ」からミツオカ初代「ビュート」と、毎回お馴染みのクルマと初参加のクルマとがジャンルを問わず程よくバランスされ、来場者を飽きさせないのがこのイベントの美点だ。今回もイベント初エントリーというクルマも多く、来場者から注目を集めていた。そんな初参加組の1台が、日産初代「サニークーペ」である。
1966年、日産「セドリック」と「ブルーバード」の下の大衆車クラスに新たに加えられたのが、「ダットサン・サニー」である。サニーの車名は、発売に先駆けて日産が公募した車名キャンペーンの結果を踏まえて決められたもの。当時は戦後のモータリゼーションの胎動期。世間の新型小型車に対する期待も大きくキャンペーンには850万通もの応募があったと言われた。
発売前から大きな話題となっていたサニーは、スタンダード41万円、デラックス46万円という手頃な価格、そしてデザイン的にも機構的にも手堅くまとめられた質実な仕上がりで、すぐにベストセラーとなった。そしてこのすぐ後にデビューするトヨタ・カローラとともに”マイカー時代”を牽引する立役者となるのである。
初代は実用に徹したモデル
デビュー当初は2ドアセダンのみだった初代サニーだが、デビュー翌年の1967年には4ドアセダン、1968年にはクーペを追加。ミッションはデビュー時は3速コラムM/Tのみだったが、後に4速フロアM/Tや3速A/Tが追加されるなど、そのバリエーションを着々と増やしていった。
しかし我が国を代表する大衆車でありながら、ヒストリックカー・イベントなどではB10の形式名で知られる初代サニーは比較的少数派だ。スポーツグレードのGXがラインナップに加わり、モータースポーツの分野でも活躍した2代目以降に対し、初代はあくまでも「実用大衆車」としての本来の任務を全うし、その多くは静かに消えていったのだろう。
マイナーな初代サニークーペと奇跡の再会
サニークーペといえば、マイナーツーリングレースで無敵を誇った2代目、B110型の印象が今なお強烈であるが、会場で出会ったのは初代B10型サニークーペである。ヒストリックカー・イベントでもなかなか見かけないモデルだけに興味をそそられ、オーナーにお話を伺ってみた。
「1969年式の前期型です。法規上はこのモデルまでがシートベルト無しで許された世代」
と語るのは、山形から参加した佐藤秀一さん。
「以前は日産 R32型スカイラインGT-Rに乗っていました。あと、AE86も2台所有したり」
とその車歴を聞けばヤングタイマーが多いようだが、この初代サニークーペに乗るようになったきっかけは?
「地元の、とある会社の敷地内に長い間放置されていた個体だったんですよ。ずっと気になっていて、3年ほど前に10万円ほどで譲ってもらい、路上復帰に漕ぎ着けました」
とのこと。じつに35年ほど放置されていたというサニークーペ。佐藤さんはもともとメカニックの仕事をされていたそうだが、それを持ってしてもなかなか手強い相手だったという。
苦労の連続を乗り越えた個体
「ヤフオクで手に入れたミッションに丸ごと交換もしました。パーツには苦労しています。ロングセラーのA型エンジンですから、後年のB110のキャブや燃料ポンプなど、互換性のあるものもあるんですが……。ヘッドガスケットやら水まわりやら、年がら年中トラブルシューティングに明け暮れました。じつは今回のイベントの1週間前にもエンジンを下ろしていたんですよね(笑)」
と語る佐藤さん。トランクには工具やパーツが満載で、そのご苦労も偲ばれる。何度も諦めかけたというが、それでも見事路上復帰を果たし、現在では近隣のヒストリックカー・イベントにも参加するまでに至った初代サニークーペ。佐藤さんの熱意と貴重な出会いに感謝であります。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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みんなのコメント
例えば名車として引く手あまたの『AE86』に対し、FF化されて同時に発売された『AE82』の「5ドアリフトバック」なんてここ何十年も見ていないからね、ひっそりと消えていく車ってのは必ずあるものなのだが・・・
消えて行ったことで市場にめったに出ないことを「こんな車がここにあるのが奇跡!」とばかりにべらぼうな価格を付けて販売しているシーンを最近よく目撃する。
まあ確かに珍しい事は認めるが、だからと言ってそこまで高い価格を付けるほどのものでは無いだろ!・・・って思うことが多々ある。