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インフィニティQ60 S 3.0T

掲載 更新 6
インフィニティQ60 S 3.0T

インフィニティのミドル・サイズ・クーペは速い。それに洗練されているしリッチだ。トランスミッションとステアリングさえもっとよくなれば、高い評価を与えられただろうに……。

■どんなクルマ?

現在、インフィニティの小型モデルにはQ30、あるいはQX30という名前が与えられている。後者はクロスオーバーである。

そのひとつ大きいサイズがQ50だ。こちらはセダン。そのクーペ・タイプがQ60となり、つまり今回のテスト対象車である。

ライバルはメルセデス・ベンツCクラス・クーペ、BMW 4シリーズ、アウディA5。

エンジンは2.0ℓターボ(208ps)と3.0ℓV6ツイン・ターボ(406ps)の2種展開で、前者はFR、後者は4WD。

4WDのパワー配分はリア・バイアスとなり、切れ味鋭いハンドリングを目指しているという。

いずれのモデルもBMWのそれと似たドライブ・セレクターを組みあわせ、スノー/エコ/スタンダード/スポーツ/スポーツ+の5種を行き来できる。

V6搭載車には、 ‘ダイナミック・デジタル・サスペンション’ と呼ばれる電子制御の可変ダンパーも付く。

Q50をトライした際にあまりいい印象を受けなかった可変ステアリングだが、Q60には、その2世代目が組みあわされている。

ドライブ・モードとあわせて、ステアリングのレスポンスも選ぶことができる。従来のステアリング・システムに比べるとリアクションに優れているとインフィニティは説明。具体的には1秒につき1000回、適正化がなされているのだそうだ。

またラジエター・グリルを可変式にして、ドア・ミラーを小ぶりのものに変更することで、Cd値を0.28まで抑えることに成功した(といっても、現代の基準を考えるとさほど優れたものではないが……)。

ホイールアーチにぎっしり埋まるかのようにセットされるホイールは19インチ(標準)となり、望めば20インチを組みあわせることもできる。彫りの深いエクステリアもQ60らしいキャラクターを創出する。

■どんな感じ?

6気筒ユニットにツイン・ターボが組みあわされているため、予想通り速い。0-100km/hタイムは5.0秒をマークするため、249km/hのリミットまでもあっという間に到達してしまう。

7速オートマティック・ギアボックスも、いい仕事をする。おかげでタイヤがむやみに空転することもないのである。

強めにアクセル・ペダルを踏むと、クランクはあっという間に7000rpmに達し、そのころにはメカニカルなエンジン音を耳にすることができる。

スポーツ/スポーツ+モードにすると、トランスミッションはバシバシと切れ味鋭い変則を披露してくれる。ただ、せっかくならば、もっともっとスポーツ寄りの仕立てにすればいいのに、と思う。というのも、快適性重視のため、たまにヤキモキするような変速をするのだ。

反面、シャシーは、攻めた走りをしたとしても、顎をだしにくい仕立てである。十分に安定感もある。

件のステアリング・システムもQ50と比べると良くなっている。重みは絶妙で、切ったら切った分だけ曲がる。神経質になる一歩手前でクイックなのもいい。なかでも ‘ダイナミック+’ が楽しい。

モードごとのキャラクターの棲み分けをもう少しはっきりさせるとなお良さそうなものだが、往々にして楽しいクルマに仕上がっている。

インフィニティのバッジを付けるだけあって、室内も静かだし、とても快適だ。マテリアルの選び方もレベルが高い。後部座席も予想外に広いではないか。

身長が高いパッセンジャーが後席に座ると、頭が天井にあたるし、夏ならば茹でダコになってしまうかもしれないが、そうでないならば後席でも苦痛に感じることは少ないはずである。

■「買い」か?

4シリーズ、A5、Cクラス・クーペという ‘直球’ からちょっと外れたいならば、Q60は有効な選択肢となる。

十分に速く、楽しめる。室内のフィニッシュも好感がもてるし、洗練性や装備の充実など武器もある。

トランスミッションとステアリング・システムを完ぺきなレベルに引きあげさえすれば、このクラスのトップに君臨することもできるだろう。

もっとも、トランスミッションとステアリングこそ、このクラスにとって大切なのだが。

■日本版編集部の見立て

ややニッチなマーケットではあるが、世界的に見てもミデル・サイズ・クーペには確実な需要があるのも事実。このマーケットには、メルセデスのCクラス・クーペという大きなライバルが存在するが、その出来栄えはCクラス・クーペをはじめ、BMW 4シリーズ、アウディA5といったドイツ御三家を凌駕するもの。7速オートマティックとステアリングの出来に問題ありとしているものの、確実にクオリティは向上しているようだ。

インフィニティQ60 S 3.0T スポーツ・テック

■価格 £46,690(641万円)
■全長×全幅×全高 4690×2052×1395mm
■最高速度 249km/h
■0-100km/h加速 5.0秒
■燃費 11.0km/ℓ
■CO2排出量 208g/km
■乾燥重量 1892kg
■エンジン V型6気筒2997ccツイン・ターボ・ガソリン
■最高出力 406ps/6400rpm
■最大トルク 48.4kg-m/1600-5200rpm
■ギアボックス 7速オートマティック



▶ 海外初試乗 / BMW 440i Mスポーツ
▶ 海外初試乗 / メルセデス-AMG C43 4マティック
▶ 海外初試乗 / アウディA5 3.0 TDIクワトロ

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みんなのコメント

6件
  • 海外ではこんなカッコいい日産車が640万で乗れるのか…
  • 5年くらい前の車を記事にされてもあまり意味がない気がする。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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