6月13日公開の記事「かつて天下を奪ったが今は…それでも薦めたい便利で流麗ステーションワゴン特筆15選」では、SUVに食傷気味の諸兄に「オトナの選択肢」としてのステーションワゴンを提案、スタイリッシュな魅力にあふれる13台の中古モデルをご紹介した。
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だが、魅力的なワゴンはそれだけではない。本企画では、よりスピードに特化した8台のステーションワゴン、そしてより落ち着いた雰囲気の4台のステーションワゴンを紹介してみたい。
もちろん中古相場についても調べてあります!
※本稿は2021年5月のものです
文/伊達軍曹 写真/ベストカー編集部 ほか 中古車価格調査協力/萩原文博
初出:『ベストカー』 2021年6月10日号
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■遠くへ行きたいワゴンには「速さ」も欲しい!【スピード部門】
●ステーションワゴンとは「遠くへ行きたくなるクルマ」。そして遠くへ行くにはハイスピードなクルマのほうが快適! ということで、快速系ワゴンを紹介!
「スピード部門」の一番上に現行型のスバル レヴォーグが載っていることに違和感を覚える人もいるだろう。「先代のSTIスポーツは300psだけど、今度のはたかが180psじゃねえか!」と。
おっしゃるとおりではあるが、現行型は1.8Lターボでありながら実用回転域でのトルクは先代の2Lターボ以上で、なおかつ優秀なシャシーと最新のアイサイトにより、どこまでも疲れ知らずで走っていける素質を持っている。
スバル レヴォーグ(現行型)…フルインナーフレーム構造となったスバルグローバルプラットフォームと新開発の1.8Lターボエンジン、そして最新世代アイサイトにより抜群のGT性能を誇る。最高速度や0-100km/h加速ではなく「平均巡航速度が高い」というタイプだ(新車価格:310.2万~409.2万円/中古車相場:300万~420万円)
その意味で現行型のレヴォーグは、「ある意味スピード型」ということはできないだろうか。できるはずだ、何といっても筆者の現愛車だし。
とはいえ、時には大人であっても300ps級の大パワーを炸裂させたいと思うこともある。その思いが強い場合には新型に背を向け、先代レヴォーグの2Lターボ中古車を探すのが吉となろう。
スバル レヴォーグ(先代)…大きくなりすぎたレガシィツーリングワゴンよりコンパクトな国内専用車種として2014年に登場。1.6Lターボ搭載グレードは新型が登場した今となっては微妙だが、最高出力300psとなる2Lターボ搭載グレードは今なお注目する価値あり(中古車相場:75万~370万円)
また、280ps級の大パワーをMTにて操りたいと考える硬派な諸兄であれば、年式的に多少古く、中古車の流通量も少ないのがネックだが、三菱ランサーエボリューションワゴンの「GT」でハイウェイの流れ星になるのも悪くないだろう。
272ps+5速ATの「GT-A」は、GTよりは流通量がやや多めだが、それでも残念ながら希少車であることに変わりはない。
三菱 ランサーエボリューションワゴン(絶版)…ランエボIXをベースにリアまわりを重点的に補強した軽量・高剛性なワゴンボディを採用。2L直4ターボにアクティブセンターデフ付きフルタイム4WDなどメカ部分はまさにランエボ譲り。最高出力は6MTが280psで5ATが272ps(中古車相場:130万~190万円)
日産 ステージア オーテックバージョン260RS…R33GT-Rと同じRB26DETTエンジンにアテーサE-TSと電動スーパーHICAS、ブレンボ製ブレーキシステムなどを組み合わせた「国内最強ステーションワゴン」として1997年10月に登場。中古車も、超希少だがいちおう流通している(中古車相場:260万円)
そして欧州車であれば、彼の地の金満富裕層や準富裕層御用達のハイスピード&ハイパワーなステーションワゴンは星の数ほどの選択肢があり、下でご紹介しているのはそのごく一部の例にすぎない。
とはいえ、そういった欧州勢はハッキリ言って高くて(普通は)なかなか買えないため、現実的なところではメルセデスの先代Cクラスステーションワゴンに6.2Lの自然吸気V8をぶち込んだ「C63 AMGステーションワゴン」が狙い目となるだろう。
メルセデスベンツ C63 AMG STATIONWAGON(先代)…先代CクラスワゴンのAMGモデル。搭載される6.2L自然吸気V8エンジンは、ほぼレーシングスペックといえる作りで最高出力は457ps。人気の「パフォーマンスパッケージ」は487psとさらに強烈だ。まぁ自動車税も強烈なわけだが(中古車相場:220万~360万円)
メルセデスAMG C43 4MATIC STATIONWAGON(現行型)…最高出力390psの3L V6ツインターボに9速ATを組み合わせ、4輪を駆動させる典型的なジャーマン・ハイスピードワゴン。新車はさすがに非現実的なプライスだが、中古車であればまずまず現実的。走行3万km台の物件が400万円台だ(新車価格:1014万円/中古車相場:440万~760万円)
BMW アルピナ B3 S Bi-Turubo TOURING(先代)…現行型のアルピナ製ワゴンはさすがに非現実的だが、ひとつ前の中古車なら(いちおう)現実的な相場感。先代B3ビターボツーリングはBMWの3L直噴直6(N55)をベースに改良を加え、最高出力=410ps、0-100km/h加速は4.2秒だ(中古車相場:390万~600万円)
アウディ S4 AVANT(現行型)…S4アバントの搭載エンジンは最高出力354psの3L V6直噴ターボで、2020年10月に行われたA4の大幅改良の際に、S4アバントの外観も変更された。とはいえ現実的に検討できるのは変更前の中古車か……(新車価格:926.0万円/中古車相場:340万~570万円)
ただ、年額11万1000円の自動車税を国家に支払うだけのサムライ魂は必須となる。
■大人の境地に達するとよさがわかってくる?【中道保守部門】
●大人になればなるほど「人間、中庸が一番……」としみじみ思うもの。そんな境地に達した各位に向け、「中道保守路線」のステーションワゴンを紹介!
「20歳までに左翼に傾倒しない者は、情熱が足りない。20歳を過ぎて左翼に傾倒している者は、知能が足りない」と言ったのは往年の英国首相、W・チャーチルだっただろうか。
それと同様に「スピード」や「ステイタス」にこだわるのは決して悪いことではないが、いつまでもそこに“過剰に”こだわるのは、いささか大人げないふるまいと言えるのではないか。
大人たるものに必要な態度とは、「物事の本質を見きわめながら静かに中道を歩むこと」であるはずなのだ。
そういった境地に達した各位にぜひご注目いただきたいのが、ここでご紹介するような「どこかが突出しているわけではないのだが、乗っているうちにしみじみよさを感じる」といったタイプのステーションワゴンだ。
周囲の者から「すごい!」とか「カッコいい!」と言われることはないかもしれない。だが、自分自身がそのクルマのよさを知っていれば、それでいいではないか!
トヨタ カローラツーリング(現行型)…ややアグレッシブなデザインではあるものの、「伝統のカローラブランドである」という部分にやすらぎを感じる一台。低重心でフラットな挙動を約束する「GA-C」プラットフォームがもたらす小気味いい乗り味も素晴らしい(新車価格:201.3万~299.75万円 ※中古車相場:120万~340万円)
フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント(現行型)…2015年に上陸した通算8代目のパサートヴァリアント。Dセグワゴンのなかでは地味な存在だが、実用車としての総合力は同クラスのメルセデスやBMWに特に劣る部分はなく、積載能力は勝っている(新車価格:449.9万~584.9万円/中古車相場:100万~460万円)
プジョー 308SW(現行型)…前期型は正直、さほどの魅力を感じない。だが2016年7月登場のクリーンディーゼル搭載グレードはしみじみ素晴らしく、2019年からの改良版はさらにいい(新車価格:322万~370万円/中古車相場:80万~340万円)
ボルボ V60(先代後期)…現行型のV60はスタイリッシュ系になったが、先代後期の「わりと普通な感じ」を、逆に落ち着くと感じる人も多いはず。見た目は普通だが、乗り味と内装のセンスは抜群だ(中古車相場:100万~320万円)
■結論:ステーションワゴンほど素敵な乗り物はない!
ステーションワゴンの弱点とは何か? 筆者には「最低地上高がSUVよりは低いので、やや気を遣う局面がある」、「箱型のクルマほど背は高くないので、大きな荷物を大量に載せるにはベストではない」くらいしか思い浮かばない。
逆に長所といえば「セダン並みの走行フィール」、「ときにはセダン以上のステイタス」、「それでいて充分以上の積載能力」など、枚挙にいとまがない。ってなわけなので、そろそろ本気でステーションワゴンを見直してほしい。マジ頼む。
アクティブかつ健康的なイメージがあり、実際、乗れば「今日はどこへ行こうか?」というアクティブな気持ちにもなる!
【番外コラム】ところで「オトナの快速紳士運転術」について考えてみたい!
ハイスピード走行を得意とするステーションワゴンに乗り、公道をハイスピードで走る。何のヒネリもない、大人としてはきわめてダサい行為である。いや、ときには爽快に突っ走りたいマインドを否定するわけではない。そうではなく「大人には大人の走り方があるでしょ?」ということを言いたいわけだ。
周囲にクルマがほぼいない見通しのよい高速道路などを、ときにかっ飛ぶのはいい(法定速度は守ろうね)。だが何のメリハリもなく「常にかっ飛んでいる」ようでは完全に大人失格であり、高性能なクルマに乗る資格もないと、言わざるを得ない。お気をつけあそばせ。
●大人の「快速紳士運転術」3箇条
1.横断歩道手前では紳士たれ……信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時、ドライバーは停止しなければならないが、これができていない大人は多い。それ、カッコ悪いぜ…。カッコよく譲ろうぜ!
2. 頻繁な車線変更はダサいと知れ……一部の輸入車や一部の国産ハイブリッドに乗るドライバーに多い気がしているが、ミズスマシのよう右へ左へとセコセコ車線変更し、結局は普通に追いつかれる様は死ぬほどダサいぜ!
3. 高速道路左車線を爆走するなかれ……最近は減少気味だが、いまだに最左の走行車線を使って追い越しをかけるドライバーを見かける。本人は「オレって上手い、オレってカッコいい」と思ってるのかもしれないがダサいぜ!
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