現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【くるま問答】軽油は凍る! ディーゼル搭載車は降雪地域への移動に注意

ここから本文です

【くるま問答】軽油は凍る! ディーゼル搭載車は降雪地域への移動に注意

掲載 更新 2
【くるま問答】軽油は凍る! ディーゼル搭載車は降雪地域への移動に注意

近年販売台数を増やしているディーゼルエンジン搭載モデル。その燃料である軽油が冬季に凍ってしまうことがあるという。対策はあるのだろうか。

日本各地で季節ごとに5種類の軽油が販売されている
外気温の低下によって、本来の性能を発揮できなくなってしまう自動車部品は多くある。前方・後方の視界確保に役立つウインドーウォッシャーや、エンジン冷却水(クーラント)などは凍結しやすいが、その濃度を調整することで凍結を防止することもできる。また、バッテリーの性能も冬季には低下しやすい。

超高速通信“5G”の本格導入がクルマ社会に与える影響とは?【2020 自動車キーワード】

そしてもうひとつ、凍ってしまう可能性があるものがディーゼルエンジンの燃料、すなわち軽油だ。

この「凍る」という現象だが、カチカチの氷になってしまうわけではない。軽油に含まれるワックス分が低温になると分離、ドロっとしたシャーベット状に凝固しだして燃料フィルターや燃料ラインを詰まらせてしまうのだ。

初期症状としては、アイドリングの不安定化やアクセルレスポンスの低下などといったものがあり、最悪の場合エンジンがストップ、再始動しなくなる。

軽油の凍結現象は、非降雪地域から降雪地域への旅行や、ウインタースポーツのため都市部から山間部へ長距離移動したときなどに発生しやすくなる。というのも、気温に合わせて性能を変化させた5種類の軽油【特1号/1号/2号/3号/特3号】が石油会社によって生産され、地域ごとに販売されているからだ。

その違いは主に、低温での流動性を表す数値で、凝固する直前の温度を示す流動点だ。表のように、軽油の温度+5度以下で凝固する「特1号」から、−30度以下で凝固する「特3号」までがJIS(日本工業規格)によって定められている。また、流動点の低い(凍りにくい)軽油は着火しやすさを示す「セタン指数」も低いので、エンジン出力や燃費性能も低下するというデメリットがある。

軽油5種類をユーザーに使い分けて欲しいと、日本の石油業界団体である石油連盟は「軽油使用ガイドライン」を公開。下の表のとおり、地域ごとに気温の高い夏季に、流動点/セタン指数の高い「特1号」や「1号」を、気温の低い冬季に「2号」や「3号」を、北海道の一部地域で「特3号」を販売・使用するよう呼びかけている。

ここで注意しなくてはならないことは、前述した「より寒い地域」への移動だ。たとえば12月、東海地方の都市部で「1号」を満タン給油して、月の平均気温が氷点下となることの多い中部(山岳)へ旅行に行ったとしよう。すると「1号(流動点−2.5度以下)」は気温の低い夜間に凍り、翌朝ディーゼルエンジンは始動しなくなってしまうことがある。

こうした場合、気温の上昇と軽油の解凍を待つ、もしくはJAFや自動車修理業者のレッカーを呼ぶことになるだろう。

上記のような旅行を計画したのであれば、都市部での給油は片道分だけにして、目的地の寒冷地で気温の高いうちに「3号(流動点−30度以下)」を給油する方法がひとつ挙げられる。これにより、夜間に凍結してしまう危険性はかなり低くなる。フェリーで北海道をはじめとする降雪地域に入るときも同様だ。

肝心なことは、給油する地域だ。まだまだ寒い日は続きそうなのでディーゼル車オーナーは気をつけよう。

[ アルバム : 軽油は凍る はオリジナルサイトでご覧ください ]

関連タグ

こんな記事も読まれています

スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
くるまのニュース
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
マイチェンしたいすゞ・ギガが2024年問題の救世主に! 低床3軸でドライバーの負担も軽い
WEB CARTOP
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
ポルシェ963最新ファクトリーの利点を語るロッテラー「ピット作業のスピードと精度が上がった」
AUTOSPORT web
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
SPKがシミュレーター機材の研究施設「シミュレーターラボ」を開設 企業や行政、eスポーツイベントに場所提供も
くるまのニュース
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
トヨタ ランドクルーザー250 をモデリスタがカスタム…都会派もアウトドア派も
レスポンス
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
なんで芝生が燃え広がったんだ?? FIA、F1中国GPの火災再発防止のため詳細な調査を実施へ
motorsport.com 日本版
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
レクサスが考えるアウトドアライフは上質だった──新型NX350“OVERTRAIL”試乗記
GQ JAPAN
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
スプリント予選4番手は「妥当な位置」とフェルスタッペン。雨でタイヤ熱入れに苦しむ|F1中国GP
motorsport.com 日本版
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
新型「ランドクルーザー」なぜカクカクに? 徹底的に「悪路」重視のカタチとは
乗りものニュース
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
トヨタ、ランドクルーザー新型“250”シリーズの特別仕様車“First Edition”を限定8000台発売
AUTOSPORT web
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
ガスリー、FP1でトラブルに見舞われパワーユニット交換。しかし予選アタックには満足「期待よりもポジティブ。今後も仕事を続けていかないと!」
motorsport.com 日本版
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
1000万円超えた!? 三菱が「最後のランサーエボリューション」販売! 特別な「エボX」に驚愕! 即“完売”の「激レアランエボ」に大反響
くるまのニュース
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”をちょっと触って、聴こえ方を変える!
レスポンス
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
「ここまで苦しんだことはなかった……」角田裕毅、19番手に終わったF1中国GPスプリント予選の苦戦に困惑
motorsport.com 日本版
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
BASFコーティングス事業部、アジア太平洋地域で自動車補修用新世代のクリヤーコートとアンダーコートを発売
AutoBild Japan
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
マツダ、新型3列シートSUV『CX-80』をついに世界初公開 日本導入時期は
レスポンス
ノリス、”オール・オア・ナッシング”のアタックが報われポール「状況は悪かったけど、楽しかったよ!」
ノリス、”オール・オア・ナッシング”のアタックが報われポール「状況は悪かったけど、楽しかったよ!」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • そろそろ軽油からディーゼルに名称を変えて欲しい。
  • 都内で給油した軽油は、山間部の吹雪の日に一晩中停めておくとたいがい凍る。
    まぁ、そんな時はドアも凍って開かないし、ワイパーも貼りついてウォッシャーも出ないけどね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村