宮田莉朋、ARTグランプリに移籍。2025年もFIA F2への挑戦が決定

　12月10日、FIA F2に参戦するARTグランプリは2025年シーズンのドライバーとして宮田莉朋を起用すると発表した。

　ARTグランプリは現在はスクーデリア・フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが1996年に『ASM F3』として立ち上げたレーシングチームだ。現在はFIA F2、FIA F3をはじめフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ（FRECA）、F1アカデミーといったカテゴリーに参戦。これまでに200回以上の勝利、21回の国際チームタイトル、そして23回のドライバーズタイトル獲得を誇る。

　また、F1をはじめとする自動車レースの最高峰で戦えるドライバーを育成することを指名としており、ルイス・ハミルトン、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、エステバン・オコン、セバスチャン・ブエミといったドライバーが、同チームを経てF1にステップアップを果たしている。日本人では小林可夢偉（ASM F3時代）、山本左近、伊沢拓也、松下信治、福住仁嶺らが同チームから参戦経験がある。

　そんなARTグランプリに宮田莉朋が加入することになった。宮田はスーパーGT GT500クラス、全日本スーパーフォーミュラ選手権のダブルタイトル獲得を経て2024年シーズンより、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーとしてFIA F2に挑んだ。ロダン・モータースポーツから臨んだ参戦初年度は8度の入賞を記録した。

「2025年のFIA F2にARTグランプリから参戦することを発表でき、うれしく思います。モリゾウさん（トヨタ自動車豊田章男会長）とTGRの皆さんに、FIA F2参戦のチャンスを与えてくれたことに深く感謝しています」と宮田はARTグランプリのリリース内でコメント。

「また、僕を温かく迎え入れてくれたARTグランプリにも心から感謝しています。ARTグランプリはモータースポーツ界の名門チームであり、そのドライバーのひとりとして彼らとともに戦えることを光栄に思うと同時に、わくわくしています。2024年シーズンに学んだことを糧に、モリゾウさん、TGR、そしてARTグランプリとともに全力を尽くしたいと思います。2025年シーズンも引き続き応援をよろしくお願いします」

　そして2000年全日本F3選手権チャンピオンを経て、スーパーGT GT500クラスなどで活躍し、現在はARTグランプリのチーム代表を務めるセバスチャン・フィリップは「2025年FIA F2シーズンに向けて、莉朋をARTグランプリに迎えることを嬉しく思う」とコメント。

「FIA F2での経験とシングルシーターレースでの素晴らしい成績を残してきた莉朋は、このチャレンジに必要な資質をすべて備えている。我々は、彼と協力し、2025年シーズンの目標達成をサポートできることを楽しみにしている」

　なお、宮田のチームメイトに関しては、12月10日時点で明らかにされてはいない。ARTグランプリからFIA F2参戦2年目を迎える宮田の戦いに、引き続き注目したい。