F1第12戦イギリスGPで初日16番手に沈んだ角田裕毅(RB)は、2日目に向けてセットアップ変更をどうすべきかチームと話し合った。金曜日の走行データを元にスペインGPとオーストリアGPのハイブリッド版の空力パッケージに合わせてセットアップを煮詰めていくかどうかだ。
最新のパッケージを煮詰めていくこともできたが、角田とチームはその道を進まなかった。それは、土曜日も金曜日同様、天候が不安定だったためだ。
角田裕毅、予選13番手「高速コーナーで苦労したが、ウエットでのペースは良好。決勝ではチームとの連携が鍵になる」
「結構セットアップは金曜日から変えたんですけど、今週末(雨が降ったり止んだりの)ミックスコンディションになるということで、一番大きく変えたかったセットアップ変更はできませんでした」
角田はそう語った。
ただし、その判断は間違っていなかった。予選はウエットコンディションのなかでスタート。Q1は全車インターミディエイトタイヤを履いてのアタックとなった。しかし、すでに雨は上がっており、急速に路面が乾き出し、セッションの後半はドライタイヤでのアタック合戦となった。つまり、Q1の路面コンディションは角田が予測していたとおり、まさに「ミックスコンディション」だった。
この状況でチェッカーフラッグ直前にコントロールラインを通過した角田のラップは15番手にとどまった。直後に後続のドライバーがタイムを上回り、Q1脱落の危機に直面していた。幸運だったのは、残り数秒でコントロールラインを通過した角田には、もう一度タイムアタックを行うチャンスが残っていたことだった。
さらに路面はまだ完全なドライコンディションではなかったため、デプロイは残っており、新たにチャージするラップを行う必要がなく、そのまま連続でアタックできた。
その渾身のアタックで自己ベストを2.3秒縮めた角田は、6番手でQ1を突破した。
「完全にドライだったら、もう少しできたという部分もあったのですが、今日は予測通り、雨とドライが混ざったコンディションになり、Q1の最初はインターミディエイトで走らなければならなず、そこで完全ドライのセットアップで走るのは難しかったと思うので、最終的にはいいセットアップができたと思います」
その後、予選は雨が降らずに、どんどん乾いていったため、角田とRBはQ2では苦しい戦いを強いられ、2台そろってQ2敗退となった。しかし、今週末の状況を考えれば、もしRBが完全なドライセッティングにしていたとしても、Q3進出は厳しかっただろう。それよりも、Q1で敗退することだけはなんとしてでも避けなければならない。
日曜日のシルバーストンは朝から雨。その後も完全に晴れることはなく、いつ雨が降ってきてもおかしくはない典型的なブリティッシュ・ウェザーのなかでレースが行われる。
「雨では悪くないと思うので、雨になれば、それなりに自信はあります。ミックスコンディションになれば、何が起きるかわからないので、ベストを尽くします」
角田がイギリスGPで入賞したのは2021年。3年ぶりの聖地シルバーストンでのポイント獲得を見たい。
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