現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ルノー・グループCEOのルカ・デメオが辞任へ。リブランドを主導したアルピーヌF1の活動にも影響か

ここから本文です

ルノー・グループCEOのルカ・デメオが辞任へ。リブランドを主導したアルピーヌF1の活動にも影響か

掲載
ルノー・グループCEOのルカ・デメオが辞任へ。リブランドを主導したアルピーヌF1の活動にも影響か

 6月15日(日)の夜、ルノーは、グループCEOのルカ・デメオが辞任することを発表した。これにより、フランスの大手自動車企業の舵取りにおいて変革をもたらしたデメオの在任期間の終わりが告げられたことになる。

 2020年7月からルノーを率いてきた58歳のデメオは、退任の理由として「新たな挑戦に臨む」という野望を挙げた。ルノーが発表した声明によると、デメオの辞任は30日間の予告期間を経て7月15日に有効となる。その間に取締役会が後任を探すなかで、同氏は引き続きCEOとしての職務を続ける。

ブリアトーレがかつての部下に代表就任を打診か。本人はオファーを否定、アルピーヌはオークスの後任探しを継続

 デメオの退任は、ルノーにとって極めて重要な時期に起きており、彼はルノーを「将来に向けて準備が整った、生まれ変わった企業」と表現した。

「今日、我々の歴史のなかで最高の状態であることは、結果が物語っている。我々は強力なチームと機敏な組織を擁しており、次世代の製品に向けた戦略計画も準備している」

「人生には、仕事が終わったとわかる時が来るものだ」

 デメオはルノーの将来に自信を示し、他の分野で新たな事業を模索する準備を進めるなかで、同社の強固な戦略的基盤を強調した。


■ルノーからアルピーヌへのリブランド、F1エンジンプログラムの終了などを決断

 デメオは5年間の在任期間中に、モータースポーツ部門の大胆な再編など、ルノーにおける大規模な改革を主導した。彼の最も注目すべき決断のひとつは、2021年にルノーF1チームをアルピーヌとしてリブランドし、同社のスポーツカーブランドと連携させて市場での存在感を高めたことだ。

 しかしアルピーヌのF1でのパフォーマンスは不安定であり、チームは2022年のコンストラクターズ選手権で4位を獲得したものの、その後のシーズンでは6位に後退した。彼のリーダーシップのもと、アルピーヌではチーム代表やCEOが入れ替わり立ち替わり交代しており、チームの競争力を安定させる難しさがうかがえる。

 また、2025年をもってビリー-シャティヨンでのルノーのF1エンジンプログラムを終了し、メルセデスのパワーユニットを使用することをデメオは選択した。この変化は、ルノーが長年続けてきた自社エンジン開発の伝統からの大きな逸脱を示すものだったため、モータースポーツ界では議論が巻き起こった。

 さらにデメオは、F1で評価が分かれる人物であるフラビオ・ブリアトーレを、2024年にアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとして迎え入れ、ブリアトーレの経験を活かしてチームの戦略を導いた。チーム代表のオリバー・オークスが最近チームを去ったことで、アルピーヌの方向性についての憶測がさらに強まっており、ベネトンでブリアトーレの下で働いていた元F1およびFIAオフィシャルのスティーブ・ニールセンが、チームに復帰する予定だとの報道もある。


■アルピーヌF1への影響

 デメオの離脱は、アルピーヌのF1プログラムに広範囲にわたって影響を及ぼす可能性がある。チームのブランド再構築と戦略の見直しを立案したデメオのビジョンは、アルピーヌのアイデンティティと野心の中心となってきた。

 彼の退団は、特にチームが新しいリーダーシップとメルセデスエンジンへの移行期間を乗り越えようとしているなか、これらの取り組みの継続性について疑問を投げかけている。特にチームが最近、競争力の維持に苦戦していることを考えると、次のCEOのモータースポーツへの投資とアルピーヌF1の大志に対する取り組みは、極めて重要となるだろう。

 ブリアトーレの影響力とニールセンの復帰の可能性により、アルピーヌは現在の戦略をさらに強化するかもしれないが、デメオの統一的なリーダーシップが不在となることで不確実性が生まれ、2026年のレギュレーション変更が迫るなかでチームの士気、スポンサーの信頼、長期計画に影響が出る可能性がある。最終的に、多くの専門家が過去2年間にわたって予想していたように、エンストンのチームの完全売却につながることもあり得るだろう。

[オートスポーツweb 2025年06月17日]

文:AUTOSPORT web
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ホーナー電撃解任の背後にフェルスタッペン陣営の圧力。レッドブルはマックス引き留めのために動いたか
ホーナー電撃解任の背後にフェルスタッペン陣営の圧力。レッドブルはマックス引き留めのために動いたか
AUTOSPORT web
レッドブル新CEOメキースが難題山積の船出。フェルスタッペン慰留と2026年のパフォーマンス向上が急務
レッドブル新CEOメキースが難題山積の船出。フェルスタッペン慰留と2026年のパフォーマンス向上が急務
AUTOSPORT web
全職解任もレッドブルとの契約下にあるホーナー。完全離脱後に考え得るF1キャリアの選択肢
全職解任もレッドブルとの契約下にあるホーナー。完全離脱後に考え得るF1キャリアの選択肢
AUTOSPORT web
衝撃のレッドブル代表解任劇。移籍ウワサされているフェルスタッペンの将来にどんな影響を与える?
衝撃のレッドブル代表解任劇。移籍ウワサされているフェルスタッペンの将来にどんな影響を与える?
motorsport.com 日本版
今後はレッドブル退団に向けた協議か。ホーナーは長期契約の途中終了により高額の補償金を求める可能性も
今後はレッドブル退団に向けた協議か。ホーナーは長期契約の途中終了により高額の補償金を求める可能性も
AUTOSPORT web
初年度のドライバー決定を急がず、幅広く検討するジェネシス。アビテブールは経験を重要視
初年度のドライバー決定を急がず、幅広く検討するジェネシス。アビテブールは経験を重要視
AUTOSPORT web
ホーナーとともに、広報担当者などふたりが退任。レッドブルの広報活動にも影響か/F1 Topic
ホーナーとともに、広報担当者などふたりが退任。レッドブルの広報活動にも影響か/F1 Topic
AUTOSPORT web
BMW、IMSA GTPでのRLLとのパートナーシップを2025年限りで終了。来季参戦も未確定
BMW、IMSA GTPでのRLLとのパートナーシップを2025年限りで終了。来季参戦も未確定
AUTOSPORT web
【まとめ】レッドブル“お家騒動”で新たな顔ぶれ! F1チーム代表ってどんな人? 仕事内容や十人十色の経歴をリストアップ
【まとめ】レッドブル“お家騒動”で新たな顔ぶれ! F1チーム代表ってどんな人? 仕事内容や十人十色の経歴をリストアップ
motorsport.com 日本版
レッドブルの自社製エンジンに自信を持っていたホーナー元代表「我々が既存メーカーを上回れば、恥だろう」
レッドブルの自社製エンジンに自信を持っていたホーナー元代表「我々が既存メーカーを上回れば、恥だろう」
motorsport.com 日本版
クリスチャン・ホーナーを事実上の更迭。レーシングブルズがメキースのレッドブル新チーム代表就任を発表
クリスチャン・ホーナーを事実上の更迭。レーシングブルズがメキースのレッドブル新チーム代表就任を発表
AUTOSPORT web
レッドブル新代表に就任したメキーズを待ち受ける5つの課題……苦戦する角田裕毅を復活させることはできるか?
レッドブル新代表に就任したメキーズを待ち受ける5つの課題……苦戦する角田裕毅を復活させることはできるか?
motorsport.com 日本版
「このチームの一員になったのは人生で最大の特権」“ショック”の離脱を自ら伝え、感謝を述べたホーナー。感極まった様子も
「このチームの一員になったのは人生で最大の特権」“ショック”の離脱を自ら伝え、感謝を述べたホーナー。感極まった様子も
AUTOSPORT web
レーシングブルズの新チーム代表はアラン・パーメイン。レーシングディレクターから昇進果たす
レーシングブルズの新チーム代表はアラン・パーメイン。レーシングディレクターから昇進果たす
AUTOSPORT web
レッドブルF1新代表メキースがコメント「ホーナーが20年間築いた遺産を礎に、素晴らしい成果を上げていきたい」
レッドブルF1新代表メキースがコメント「ホーナーが20年間築いた遺産を礎に、素晴らしい成果を上げていきたい」
AUTOSPORT web
確執が伝えられるマルコが離脱したホーナーに謝辞。新体制で「フェルスタッペンのタイトルのため最後まで戦う」とも
確執が伝えられるマルコが離脱したホーナーに謝辞。新体制で「フェルスタッペンのタイトルのため最後まで戦う」とも
AUTOSPORT web
通常とは異なる順序の発表は何を示すのか。違和感を覚えたレッドブル代表交代劇/F1 Topic
通常とは異なる順序の発表は何を示すのか。違和感を覚えたレッドブル代表交代劇/F1 Topic
AUTOSPORT web
キャデラックF1とボッタスが契約に向け一歩前進か。セカンドシートの有力候補はドルゴヴィッチ
キャデラックF1とボッタスが契約に向け一歩前進か。セカンドシートの有力候補はドルゴヴィッチ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村