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新たな強敵、渡辺一樹を抑えて加賀山就臣が鐵隼で初優勝/テイスト・オブ・ツクバ KAGURADUKI

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新たな強敵、渡辺一樹を抑えて加賀山就臣が鐵隼で初優勝/テイスト・オブ・ツクバ KAGURADUKI

 11月4~5日、茨城県・筑波サーキットで2023年のテイスト・オブ・ツクバ(T.O.T)KAGURADUKI STAGEが開催され、HURCULES(ハーキュリーズ)クラスで加賀山就臣(Team KAGAYAMA)が優勝を飾った。

 2007年からスタートしたテイスト・オブ・ツクバは、5月のSATSUKI STAGE、11月のKAGURADUKI STAGEと年2回、筑波サーキットを舞台に行われているレースだ。12クラス存在するが、マシンは旧車を中心としており、クラスによっては空冷や鉄製フレームを使用しなければならない規定などがある。

鐵隼(テツブサ)をデビューさせた加賀山就臣がレースを盛り上げた/テイスト・オブ・ツクバ SATSUKI STAGE

 最高峰クラスであるハーキュリーズは、2009年から新設されたクラスで、特別規定が少ないが鉄フレームを使用する必要がある。ライダーは全日本ロードレース選手権は引退したが監督を務める加賀山がTeam KAGAYAMAからエントリー、全日本ロードJSB1000で現役の新庄雅浩(First☆Star AUTOBOY ACTIVE)、昨年は全日本ロード、2023年はFIM世界耐久選手権(EWC)を戦った渡辺一樹(POWER-BUILDER&PRESTO CORSA)が5月に亡くなった岩﨑朗に代わり新たに参戦するなどして注目が集まった。

 加賀山は鋼管パイプを手曲げした鉄フレームにスズキGSX1300R 隼を模したマシン鐵隼(テツブサ)で、新庄はカワサキZRX1200Sで、渡辺はカワサキZX-10Rのエンジンを積んだZ1000RRで参戦。そのほか、今年のSATSUKI STAGEで3位だった行方知基(レーシングチーム刀鍛冶)がスズキ刀、昨年のKAGURADUKI STAGEで優勝の光元康次郎(Garage414&WoodStock)がカワサキNinja H2Rで出場している。

 9時50分から行われた15分間の予選では、2周目に新庄が58秒984でトップに立つと、3周目に加賀山が58秒629に塗り替え、コースインを遅らせた渡辺が3周目に58秒130で首位に立つ。

 その後、渡辺が57秒629でこのクラスのレコードタイムをブレイクし、さらに加賀山も57秒731で2番手に上がり自身のレコードを更新したと思えば、渡辺は57秒390とさらにタイムを縮めてポールポジションを獲得。3番手は58秒072の新庄、4番手は58秒210の光元だったが、新庄は走路外走行をしていたため、その周のタイムが無効となり光元が3番手に繰り上がった。

 この日最後のレースとなったハーキュリーズの決勝は12周。スタートではマシンにまだ慣れていない渡辺が出遅れて、加賀山がホールショット。そこに新庄、光元、行方、そして渡辺が続く。第1ヘアピンでは新庄がトップを奪い、逃げを図る。

 2周目には渡辺が4番手に浮上してベストラップの57秒657を記録。翌周には新庄、加賀山、光元、渡辺の4台の集団となる。4周目の最終コーナーで加賀山がトップを奪い返すと、5周目の第1ヘアピンで渡辺が3番手に、最終コーナーで2番手に浮上。8周目には渡辺が第1ヘアピンでトップに立つが、松﨑克哉(グリーンクラブ九州)のマシンがブローして赤旗中断となる。

 オイル処理により30分近い中断となったが、残り5周でリスタート。7周目時点の順位がグリッド順となるため、加賀山、渡辺、新庄、光元の順だった。再スタートでも渡辺はスタートで出遅れ、トップから加賀山、新庄、植垣創平(グリーンクラブ能塚)、渡辺の順となるが、1周目を終えた時点で加賀山の後ろに渡辺がつけた。

 その後、渡辺が勝利を狙うも、オイル処理後の路面と加賀山のブロックにより抜けず、加賀山は2021年のKAGURADUKI STAGEでスズキKATANA 1000Rで参戦して以来、鐵隼では初の優勝を飾った。賞典外となるが2番手でのフィニッシュは渡辺、3番手フィニッシュで2位は光元、3位は新庄、4位は植垣、5位が行方、6位は松田光市(くるま屋ユウシン&SDA・Webike)となった。

 勝利した加賀山は「鐵隼にスイッチして3戦目のレースになります。H2Rの光元に千切られて、メカニックがエンジンパワーを上げてストレートで抜くことをテーマにマシンを作りました。バトルはしていないけど、光元より上にいたので達成できました。前回、“焼鳥”呼ばわりした新庄もレースで完封できました」とこれまでのことを振り返った。

「新たな敵が後輩の一樹で、現役でトップレベルで走るから俺には無理だろうと思っていましたが、安全なマージンを持ちながらバトルをしてくれて、赤旗後は5周なら49歳でも息を止めて走ろうと思って全力で走りました。そのおかげでトップでチェッカーを受けられて本当にうれしいです。こういう環境を作ってくれたスタッフや応援団に感謝しています」

 惜しくも優勝できなかった渡辺は「1コーナーで仕掛けられる可能性が高かったですが、最終コーナーがオイル処理の関係でスリッピーになっていて引いたので、差を詰めるのは難しかったです。仕掛けるのは第2ヘアピンに限られましたが、『さすが加賀山さんレースが上手』と思いながら、楽しい良いレースができたと思います。リベンジしたいです」とコメントした。

 新庄は「レース展開としては見せ場もできたし、ZRX会の人たちも喜んでくれたし、良かったと思います。ライダー個人としたらむしゃくしゃします。前に出ないと何もできないし、タイヤのライフも短くて、前に出られるとストレートで離されて進入で追いついてもパッシングまでいける距離ではないので、ついていくのが一杯一杯でした。こういう状況で世界を経験したライダーとバトルできるのはうれしい反面、悔しいです」と語った。

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みんなのコメント

3件
  • 最高にカッコイイヤツラ(敬意をこめて)の最高な勝負。全日本もイイがこの華々しさはなんだ!w凄いタイムだが‥鉄フレームかよ!?
    遠いけど見に行くしかねえなw
  • 皮肉なことに、全日本より面白い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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