2025年F1第9戦スペインGP。スタート直後の接触により、アレクサンダー・アルボンはフロントウイングにダメージを負ってしまった。アルボンは最初のピットストップでウイングを交換したものの、2度目の接触を喫したせいで今度はウイングのパーツが大破してしまった。スペインGP前半を無線とともに振り返る。
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「最悪のレースだった」と落ち込むハミルトンをフェラーリ代表が擁護。ルクレール車にもトラブルがあったと明かす
タイヤに厳しいコース特性、50度近い路面温度。一方でハードタイヤは、レースでは使い物になりそうにない。戦略とタイヤマネージメントの巧拙が鍵を握るレースとなりそうだった。
スタート直後、11番グリッドのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)はガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)と接触。14番手まで後退した。
1周目アルボン:ダメージをチェックしてくれ。右フロントだ。ジェームズ・アーウィン:タイヤの内圧もダウンフォースレベルもすべて問題ない。
2周目、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)を激しく攻め立てるが、抜ききれない。
3周目クリス・クローニン(→アロンソ):このラップでDRSオープンになる。
アロンソはメインストレートでニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)にかわされて11番手に後退するが、その後も激しいバトルを展開した
アロンソ:ターン1で左フロントが向こうの右リヤと接触した。今のところ問題ない感じだが、チェックしてくれ。
ここ数戦のアップデートで戦闘力が増し、アロンソの声も弾んでいる。
一方6番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)は、前のフェラーリ2台を抜きあぐねる展開だ。
ラッセル:あいつら、ブレーキングで動いてる。何が起きてるんだ!!トト・ウォルフ代表:集中だ、ジョージ。
いきなりチーム代表が出てきて、落ち着けと言い聞かせた。
ランド・ノリス(マクラーレン)はスタートでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にかわされ、3番手に後退していた。
4周目ノリス:タイヤはまだ大丈夫だ。殺さないように注意して走ってるからね。でもペースは上がっているね。ウィル・ジョゼフ:ああ、前の連中は君よりプッシュしている。でもフェルスタッペンは、セーブし始めた。
渋滞にハマってなすすべもないアルボンは、打開策を要請した。
5周目アルボン:みんな、何かしなきゃ。ジェームズ・アーウィン:ボックスだ。
全19台の先陣を切って、アルボンは6周目にピットインした。
7周目ジョゼフ(→ノリス):もうプッシュしてもいいぞ。フェルスタッペンを捕まえよう。
あっという間にフェルスタッペンの1秒以内に追いついた。
5番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)の後ろに詰まっている状態だ。
8周目ルクレール:ペースを失っている。なんとかしてくれ。ボッツィ:順位を入れ替える。
しかしルイス・ハミルトンは、なかなか譲らない。
ルクレール:レースで速く走るために、予選を犠牲にしたのに! いつまで後ろにいなきゃいけないんだ。
ルクレールは前日の予選Q3で1回しかアタックしなかった。ソフトタイヤをレースに向けて温存するためだった。ハミルトンは10周目にようやく順位を譲った。
上位ふたりは、そろそろタイヤのタレを訴え始めていた。
12周目ジャンピエロ・ランビアーゼ:フロントウィングのフラップはどうだ。フェルスタッペン:問題ない。でもグリップはないよ。ランビアーゼ:了解。
トム・スタラード:タイヤのアップデートをくれ。オスカー・ピアストリ:リヤがちょっと苦しいかな。
13周目の1コーナーで、ノリスがフェルスタッペンを抜いて行った。すかさずフェルスタッペンはピットに向かい、アンダーカットを狙う。
後方では9番手のアロンソがコースオフを喫し、11番手まで順位を落とした。
クローニン:左フロントはどうロックしたんだ?アロンソ:タイヤが終わった。それだけだ。
次周にピットインしたアロンソは、最後尾まで後退した。
ルクレール:メインストレートの右側にマーブル(タイヤかす)はない?ボッツィ:マーブルはない?ルクレール:いや、僕が訊いてるんだけど。右に寄ってもタイヤは大丈夫か?ボッツィ:マーブルは避けろ。
このふたり、依然として意思の疎通がうまく行ってないようだ。
一方ハミルトンは、16周目に早めのピットインをさせられたことが不満だった。
ハミルトン:どうしてこんなに早く入れたの?アダミ:後ろのアンダーカットを防ぐためだ。
ラッセルを警戒しての措置と思われるが、20周目にピットインしたラッセルはフェラーリの2台を専攻できず。結果的にチームの判断が正解だった。
21周目スタラード:どこまで行ける? 25周か?ピアストリ:行けると思うけど、けっこう厳しい。
ジョゼフ(→ノリス):ボックス、ボックス。
21、22周目にマクラーレンの2台が相次いでピットに向かった。
23周目、アルボンに仕掛けたリアム・ローソン(レーシングブルズ)が接触、アルボンはコースオフを余儀なくされた。
24周目アルボン:リアムが押し出した。
ローソン:コースオフして僕の前に出た。エルネスト・デジデリオ:ああ、見てたぞ。報告した。
ローソンがアルボンを抜き返したが、2台はまたも接触。アルボンは再びフロントウイングにダメージを負った。
デジデリオ(ローソンに):グッジョブ!
アルボン:フロントウイングにダメージだ。アーウィン:タイヤの内圧は大丈夫だ。アルボン:フロントウィングはバラバラだ。5000個くらいの破片が飛んできたよ。
アーウィン(→アルボン):リタイアだ。ピットインして、リタイアする。
ここで10秒ペナルティがアルボンに科された。
アーウィン:10秒ペナルティを消化してから、もう1周してリタイアする。アルボン:何のペナルティ?アーウィン:10秒ペナルティを消化する。アルボン:だから何のペナルティだって?アーウィン:あとで説明する。
貴重なフロントウイングをふたつも破損し、10秒ペナルティを科されてのリタイア。アルボンにとっては、散々なレースとなってしまった。
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F1第9戦無線レビュー(2)に続く
[オートスポーツweb 2025年06月06日]
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