■トヨタ紡織で体験できた新シートとは
公益社団法人自動車技術会が主催する「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」(通称:人テク)が、2025年5月21日から23日の3日間にわたってパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催されました。最新技術や製品を世界に向けて発信することを目的とした、自動車技術における国内最大の展示会で、617社が出展。そのなかから今回は、トヨタ紡織とタチエスのブースについて紹介します。
1台4役!? トヨタ紡織とM-aidが医療用多目的ワンボックスカーの実証実験開始へ
今後のモビリティにはエネルギー効率の向上が必要――内燃機関(ICE)のみを搭載するクルマが減っていく昨今、車内空間を快適にする冷房や暖房といった分野でも、一層の省エネ化が求められています。
クルマの内装部品などを手掛けるトヨタ紡織はシートに着目。冷房や暖房は、送風によって空間全体を冷やしたり暖めたりするものですが、同社はシートに工夫を凝らし、人の体に近い部分をピンポイントで冷やしたり温めたりすることを考えています。
具体的には、空気袋を減圧し冷気を吸い込む隙間を確保したり、座面の通気性を向上させて蒸れを防止したりすることで温感を下げ(冷房時)、逆に空気袋の加圧やシートヒーターで温感を上げる(暖房時)という仕組みです。既存のエアコン使用に比べ半分程度の時間で、涼しい・暖かいといった快適性を実感できるそうです。
■温度を感じやすい首元へアプローチ
冷房・暖房の両方に共通するのが首元送風機です。温度を感じやすい首元へ直接冷気、暖気を当てることで、快適な体感を実現。送風口はヘッドレストの下に設けられています。
「サーマルコンフォートシート」と名付けられたそれはブースで体験でき、そばには順番待ちの列ができていました。空間全体が冷える、もしくは暖まるまで待つことなく、すぐに効果を実感。
ヘッドレスト付近から温風を出して冬場の寒さを和らげる機能については、販売されている車種の一部ですでに採用されています。しかしコスト的にまだかなり高価であるという課題があり、実際に採用されているのは国産/輸入車のオープンカーの一部にとどまっているのが実情です。
トヨタ紡織のサーマルコンフォートシートは、より多くの車種に搭載されるように部品コストという課題解決に加えて、暖房だけでなく冷房機能も実用化して、より乗員の快適性が向上するよう開発が進められているとのこと。またブース担当者によると、シートの機能向上に加えてエアコン機能とも連動させることで、車両側でよりトータルで大きな数値効果を実証できるようなかたちで、今後車両メーカーへ提案していきたいと話してくれました。
■座ったら「火薬のにおい」がするシート!?
自動運転が普及した未来を見据え、乗員が車内で没入感を味わえるシートの開発を目指す企業もありました。
自動車シートなどを手掛けるタチエスは、座った途端に包み込まれるような感覚になるシート「スマートシェル」を展示。深くリクライニングしたかと思うと、目線の高さにあわせ湾曲した有機ELディスプレイが展開しました。
シートには左耳の位置にスピーカーが、さらには香りを発生させる装置も備わります。ディスプレイに「朝食の場面」、「森の中を歩く場面」、「肉をいぶす場面」、そして「花火」の映像が流れると、それぞれにあわせてコーヒー、木、燻製(くんせい)、火薬の香りがしてきました。
さらに森の中と花火の場面ではシートも振動し、歩行している感覚や、花火がさく裂して胸に響く感触までが再現されました。まさに五感が刺激される感じで、シートに座りながら臨場感あふれる演出を体感できました。ちなみに味覚の再現は(今のところ)難しいとのことでした。
開発のきっかけは、自動運転の実現により移動時間に“スキマ時間”が生まれ、そこを有意義な体験で埋めたいという思いからだそうです。「家にいるのと同じ空間」を目指したいといい、高速バスなど長時間同じ姿勢となる場面で採用されるかもしれません。
■「振動で」方向を伝える
タチエスはほかに2種類のシートを展示していました。シートリクライニングやアームレストの上げ下げにかかるスイッチが自然な手の位置に配置され、ストレスなく操作できる「スマートスイッチ」は、直感的に扱いやすく、かつスライムのような“気持ちよい”感触でした。
右左折といった方向に関わる感覚を、視覚ではなく背中の振動で伝える「ハプティクスシート」は、特に目が不自由など障害のある人へクルマの動きを伝える方法として画期的だと感じました。タチエスは振動の強弱や時間を制御することで、きめ細かい情報の伝達に努めたいとしています。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
もはや「郵便」はオワコン? 日本郵便「赤字383億円」の現実――デンマークはもうすぐ事業撤退、今後どうなる?
5速MT搭載! ホンダの爆速スポーツ「軽トラック」に反響殺到!「マジで買います!」「もはや農道のNSX」の声も! 超パワフルな「ターボ」搭載した“最強”商用車「T880」コンセプトに大注目!
ロシア軍が誇る「世界最大級の自走砲」が返り討ちに “撃ち負ける瞬間”を上空から捉えた映像が公開
1リッターで“30km”以上走れる! トヨタ新「“5人乗り”セダン」がスゴイ! 新車約220万円から買える「全長4.4m級」モデル! 大口顔もイイ「カローラ」何が変わった?
ホンダの世界初「新型エンジン」公開に反響殺到! 伝統の「赤ヘッド」&“V型3気筒”に「絶対面白いでしょ!」「名機の予感!」「やっぱりホンダ最高」の声も! “超進化”した新型「すごいエンジン」に大注目!
もはや「郵便」はオワコン? 日本郵便「赤字383億円」の現実――デンマークはもうすぐ事業撤退、今後どうなる?
RB26や13Bに匹敵する「名機」はあるのか? 現行モデルのなかから「将来伝説になりそう」な名エンジンを探してみた!
ダイハツ「リッター60km」走る“軽セダン”に大反響!「マジで買いたいクルマ」「長距離通勤に最適!」の声も! 4人乗りで「超・低燃費」を実現した“究極エコカー”「UFE-II」コンセプトとは!
丸ノ内線「不整脈ダイヤ」による混雑はいつ改善されるのか? 中野坂上“11分待ち”の大現実
アニメや映画の戦闘機「やたら格闘戦しすぎ!」いまや背後を取るのは “時代遅れ” です
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?