4月9日~11日、幕張メッセ(千葉県千葉市)で、旧車イベントである「オートモビルカウンシル2021」がおこなわれた。そこで気になったクルマを武田公実がピックアップする。今回は、V型8気筒エンジンを搭載したポルシェ「911」のお話。
個性的な911
今年のオートモビルカウンシルでも、空冷時代のポルシェ911は複数台展示されていた。しかも、911の空冷モデルに限定した展示コーナーもあったほど。
その場で購入出来るヘリテージカー販売コーナーにも複数の911があったが、もっともユニークだったのは、空冷911用のエアコンキットを開発・販売している「コアスピード」ブースで見かけた、GT2スタイルの993だった。
注目すべきは、プライスボードに小さく記されている「LS1」の文字だ。
数年前からオートモビルカウンシルに出展しているコアスピードは、個性的な空冷911を展示することでも知られている。
2019年のオートモビルカウンシルでは、1970年型911に、カレラRSRのような前後フレア・フェンダーを与え、かつ930ターボ用のエンジンを搭載したデモカー「Classic Porsche Turbo RSR Restomod」を展示し、話題を集めた。
昨年は、1983年型911SCをもとに、“往年のラリースタイル”をテーマに製作された「Baja Frosch(バハ・フロシュ)」を展示。車高を大幅にリフトアップしたワイルドな姿は、印象的だった。
そして今年のブースにひっそりと置かれていたのは、最後の空冷911である993の改造車だった。ポルシェのイベントなどではしばしば見かける、GT2ルックの1台。前回、前々回の展示車と比べれば、見た目の個性はそれほど強くない。
「いったいコアスピードは、どんな911で度肝を抜こうとしてくるだろうか?」と、勝手に期待していた筆者は、ちょっと肩透かしを食らった感も……。
ところが展示用の小さなボードをよくよく読んでみると「LS1 Powered Porsche 993」とあった。
GM製V8エンジンを搭載!
この“LS1”が意味するのは? コアスピードの大坪代表に訊いた。
なんと、展示されている993のテールエンドには、シボレーのV型8気筒ガソリン・エンジン「LS1」を搭載しているというから驚いた。
LS1は、かつて「カマロ」や「コルベット」などに搭載されたゼネラルモーターズ製5.7リッターV型8気筒ガソリンOHVだ。
大排気量ゆえに、「おそらく外寸も相当なサイズだろう……」と、考える人は多いだろう。しかし、実際は天地が低く、カムシャフトをブロック側に置くOHVであることからヘッドも小さい。しかもLS1は総アルミ合金製だから、重量も993のオリジナル・エンジンとあまり変わらないという。
ちなみにアメリカでは、LS1用のチューニングキットが多数販売されているそうだ。展示されている993のLS1もチューニングが施されているそうで、最高出力は500psほどに達するという。
価格は990万円
展示車両は、後輪駆動+ティプトロニック(AT)仕様の「993カレラ」がベースだ。「どうせ大改造を施すのだから……」と、993系の911シリーズではもっとも安価に入手できる個体を選んだという。
トランスミッションは水冷911の開祖「996」シリーズで使われたゲトラク社製G50型6速MTに換装された。LS1との連結のために、ベルハウジングに取り付けるアダプターを新造したそうだ。また、エンジンや補器類のレイアウトは苦労を重ねたとのこと。
リアのエンジンフードを開けると、まるでメーカー純正であるかのごとく、LS1エンジンがきれいに収まっているのが印象的だった。
アメリカでは、911にV型8気筒エンジンをコンバートする前例はいくつもあるようだ。「日本人があまりしないようなモディファイを、“ジャパン・クオリティ”で仕上げてみたい」という大坪代表の想いは、この1台に体現されていたように思う。
展示車の価格は990万円。装着されていたアメリカ製の鍛造アロイホイール「FIKSE forged」だけでもけっこうな金額(1本10~15万円か)となってしまうはずだし、完成度も高いから、この価格はリーズナブルかもしれない。
文と写真・武田公実
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みんなのコメント
やはりアメリカのキットモノはいい加減でまともに装着できずワンオフせねばならぬパーツだらけと手を加えるのが大変だという情報だった
そしてついに993に搭載されたのね、仕上がりも美しくて素晴らしい
マルチリンクの993ならパワーも受け止められそうだし