現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 快適性か!? 趣味性か!? 国産車 vs 海外高級車 下剋上決戦!!!

ここから本文です

快適性か!? 趣味性か!? 国産車 vs 海外高級車 下剋上決戦!!!

掲載 更新
快適性か!? 趣味性か!? 国産車 vs 海外高級車 下剋上決戦!!!

 N-BOX、フリード、アルファード。いずれ劣らぬ国産の人気車たちだ。評価だってもちろん高い。

 しかし、いかに国内の人気を誇り、絶好調の売れ行きを見せようとも、BMWやメルセデスといった海外の名門ブランド車たちに打ち勝つのは難しい。なにせ価格からして段違いなのだからこれはもう仕方がない……と思いきや、日本車の創意工夫や使い勝手は、時に海外の高級車たちを黙らせる力を秘めているらしい。

掴んだゾ!アルファード/ヴェルファイア1本化、新型プリウスなどマル秘情報満載!!!

 さて、ではこれらの日本車たちは、どこなら世界の高級車たちとわたり合えて、どこが(いまは)叶わないのか? 自動車ジャーナリストの清水草一氏に比較してもらった。

※本稿は2018年9月のものです


文:清水草一/写真:ベストカー編集部


初出:『ベストカー』 2018年10月10日号

ホンダ N-BOX vs ルノー トゥインゴ

【価格帯】N-BOX:138万5640~208万80円/トゥインゴ:177万~239万円

趣味性は低くてもN-BOXに勝機あり!?

 この勝負、小さくて使えるクルマという部分で比較すれば、言うまでもなくホンダN-BOXの大勝利です。下克上、達成~!

 でもそれじゃちょっと、トゥインゴがかわいそう。だってトゥインゴのウリは実用性じゃなく趣味性だもん。ファッションモデルとお相撲さんが、相撲で勝負をつけるみたいなもんじゃないでしょうか。

 でもまぁ、実際に相撲(実用性)で戦えば、文句なくN-BOXの勝利なんだけど。

 なんせトゥインゴはRR(編集部註:リアエンジン・リアドライブ。車体後部のエンジンで後輪を動かす方式)。RRは根本的にスペースユーティリティで不利だ。リアのラゲッジは床面が高く、そのぶん狭くなるし、じゃフロントフード下に荷物が入るかって言ったら、まったく入らないし。N-BOX対三菱iを実用性本位で比較するよりカワイソーな感じで泣けてくる。

 さらに室内の広さ、特に後席の足元の広さなんか、オトナと子供の戦い。お話にならないほどのN-BOXの大勝利。

 それでいてボディサイズは、全長、全幅ともにトゥインゴのほうがかなりデカい。自動ブレーキ系もトゥインゴにはナシ。最小回転半径だけはRRのトゥインゴが大健闘、勝利を収めているが、その差は20cmでどっちも充分小回りが利く。

 この戦いはむしろ、N-BOXが横綱で、トゥインゴはそこにオシャレ感や趣味性の高い走りで果敢に戦いを挑む前頭、という構図ですな。

 それでもまぁ、値段を比較すると、トゥインゴのほうがかなりお高いので、お安いN-BOXの大勝利は、下克上といえば下克上。おフランスの負けを潔く認めよう。トレビア~ン。

【N-BOX GLターボ ホンダセンシング】

【トゥインゴ インテンス】

【N-BOXの下克上達成度は?】100点(……だが、トゥインゴへの情状酌量により85点)

トヨタ アルファード vs メルセデスベンツ Sクラス

【価格帯】 アルファード:335万4480~750万8160円/Sクラス:1140万~3360万円

日本一のミニバンが異分野の巨人に挑む!

 この2台を比較する時、高級車とは何ぞやという哲学が問われる……なんつって。つまり、従来型高級車の非常にわかりやすいカタチがSクラスで、アルファードはそこに、かなり別の価値観で殴り込みをかけている。

 たとえれば、Sクラスは名のある高級フレンチレストランで、アルファードはちょっと高級な個室居酒屋か。どっちが居心地がいいかは、乗る人の価値観にゆだねられるが、アルファードのコスパの高さは、Sクラスにとってもある意味脅威だ。

 料理の味はブッチギリでSクラスのほうが上。加減速やコーナリング性能、乗り心地、音や振動、シートの作り、素材の高級感などなど、あらゆる面で比較にならない。まったくもってまるっきりの大差がある。

 左右スライドドア対4ドアセダンというだけで、ボディ剛性にはすごい差が出るし、車高&ヒップポイントの高さを見ても、アルファードくらい高かったら、どうしたって左右のゆさぶりがデカくなる。つまり、高級車の命ともいえる乗り心地の快適さで、まったく勝負にならない。

 運転席に座ってステアリングを握るとなったら、その差はもはや、乗用車対ダンプカーくらい巨大なものになってしまう。ヘタな乗用車よりダンプカーのほうが快適やんけ! というご意見もあるでしょうが、どっちを運転したいかといえば、そりゃもう100対1くらいでSクラスだ。

 しかし、しかししかし。パッセンジャーシートで移動するだけならば、アルファードに軍配を上げる人は決して少なくなかろう。

 なにしろ空間的余裕が大きく違う。特に頭上空間の差は大きい。運転しないなら、動力性能なんてそんなにこだわるもんじゃないし、コーナリング性能も、横Gかけなきゃあんまり関係ないし、素材の高級感だって、値段の差を考えれば順当ともいえる。

 とにかくアルファードの2列目の快適さは、例えば渋滞に巻き込まれた時などに限定すれば、明らかにSクラスを上回る。やっぱ見晴らしいいし、空間的に広いから !

 最後のカギを握るのは価格だ。アルファードは約335万円から750万円。対するSクラスは、最低1140万円する。ぶっちゃけ、3倍くらい違うわけですね。

 これだけ値段が違えば、「個室居酒屋で靴脱いで、ムレた足をスースーさせながらくつろぐ」というほうを選ぶ人はかなり多いはず。特に都市内移動時のパッセンジャーとしての評価なら下克上は成し遂げられるであろう。うむうむ。

【アルファード エグゼクティブラウンジ】

【Sクラス S600ロング 】

【アルファードの下克上達成度は?】66点

ホンダ フリード vs BMW 2シリーズ グランツアラー

【価格帯】フリード:188万~272万8200円/2シリーズ グランツアラー:393万~494万円

3列目の快適性が名門ブランドを打ち負かす!?

 言うまでもなく、プレステージ性やらブランド力では、フリードがBMWにかなうはずはないが、実(実用性)を取れば、断然フリードの下克上達成である。

 なにはともあれスペースユーティリティに関しては、日本のミニバンやハイトワゴン軽にかなうクルマなど世界中でも存在しないが、なかでもフリードとシエンタはその筆頭格。このサイズでこの広さは本当にスゲェ! シートアレンジの多彩さも、ハンパじゃねぇ!

 それでいてフリードクラスなら、ムダに広すぎる感もなく、ひとり乗車でもそんなに寂しくない。

 フリードに比べたら、2シリーズグランツアラーの3列目の出来など、まったくもって勝負にならない。それでいて全長は30cm長いんだからもー! まあBMWだししようがないけど。

 もちろん、アウトバーンを走るなら、2倍以上のお金を払ってでもグランツアラーを買う価値はあるが、正直グランツアラーはデザインもカッコ悪いし、せっかくBMW買うなら、別のモデルにしたくなりませんか? フツーに3シリーズとか。

 フリードの、特にハイブリッドモデルは、DCTを採用しているので、エンジン回転の高まりとか、ホンダらしい回りたがるエンジンフィールもそれなりに味わえるし、足の感じも悪くない。日本でファミリーカーとして使うなら、圧倒的なフリードの勝利。勝負にならないぜ!

【フリードG  ホンダセンシング】

【218d グランツアラー 】

【フリードの下克上達成度は?】95点

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索
アルファードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

540.0872.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

14.92199.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村