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【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その2

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【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その2

 初日の宿は、やはり近江八幡に決めた。前回、車窓から眺めた旧道沿いの古い街並みをじっくりと歩いてみたかったからだ。そして、大阪の友人たちが薦める湖東の美味も気になっていた。

 東京を出たのは朝の8時頃だったろうか。近江八幡に着いたら、お目当ての街並みをのんびり散策して、あとはチェックインするだけだ。初日からいろいろ詰め込むのは愚の骨頂というもの。とりあえず運転の疲れを癒して翌日に備えたい………出発前はそう思っていた。しかし、そうは問屋が卸さなかった。いつものことだが、旅は思うとおりにならないから面白いし、その戸惑いもまた楽しい。まぁ、その顛末は後ほど…。

【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その10

缶詰王国静岡の面目躍如。面白い缶詰がズラリと並んでいた さて、新東名高速道路を2時間ほど西へ進んだ頃、ちょっとひと息つこうと静岡SAに寄ってみた。ここは取材やロケの移動時に何度も訪ねているけれど、妙な土産が並んでいてとても楽しい。そのひとつが缶詰…清水や焼津エリアには大手の缶詰メーカーが軒を並べていて、このSAにも地元の缶詰コーナーがある。ほかではなかなか目にできないレア品や、限定品と会うことができるから、土産にも絶好だ。缶詰ってやつは常温の長期保管が可能で、車内に置いても気を遣わなくていいし、もらったほうだって慌てて手をつけなくていい。ちなみに、脱気して高温殺菌を施すので保存料も不要だから、添加物嫌いな向きにもお薦めである。そんなわけで、今回も手土産捜しに覗いてみた。

(左)「あぶないので両手でお持ちください」。ポップにかかれた文言が大きさを物語る(右)静岡はミカンの名産地でもある。これは缶詰ならぬ瓶詰。中身が見えてそそられる で、最初に目に入ったのは巨大な焼き鳥缶。“ほていのやきとり”はコンビニでもおなじみのおつまみ缶の先駆けで、これは2kg近いビッグサイズで20人分だという。その迫力と“映え”は魅力たっぷりだが、いくらなんでもこれを手土産というわけにはいかない。で、周りを見回すと、“まぐろのしっぽ肉”なんていうのが目に入った。さすが、シーチキンなどまぐろ缶詰のブランドがしのぎを削る静岡県…見ているだけで楽しくなる。

 結局、選んだのは見たことも聞いたこともない“やきそば缶詰”。B級グルメの祭典、B-1グランプリで頂点に立った富士宮やきそばを缶に詰めてしまったという珍品だが、缶ビールと相性がよさそうで、思わず笑ってしまう。こんな出会いがあるから旅は楽しい。

味付けの異なる焼き鳥缶の詰め合わせ。こんなのを貰ったら、小躍りしちゃいます焼津など、マグロの水揚げ港も控えているので、こんな缶詰も…日本酒が合いそう静岡おでんで腹の虫を黙らせた。青海苔と削り粉(魚粉)がお約束 缶詰コーナーを出ると、軽い空腹をおぼえた。考えてみれば、朝から何も食べていないが、先はまだ長いので、ここで満腹にして眠くなっても困る。で、このサービスエリアには、静岡エリアの人気チェーン天神屋が運営する“ドライバーズスポットNEOPASA静岡下り”があることを思い出した。幹線道路沿いに多店舗展開する同チェーンは、静岡おでんやおにぎりで知られるが、おでんを2、3本ならちょうどいい塩梅だろう。ちなみに、ここにはシャワールームも完備というから、長距離トラックのドライバーにも愛されていると聞いた。

結局、B級グルメの缶詰を手土産に… 静岡おでんで腹の虫を黙らせ、再び本線へ…。その後、新東名下りは渋滞もなく、順調に距離を稼いだ。 新名神高速道路の鈴鹿パーキングエリアにも寄り道して、名神高速道路へ。竜王あたりで一般道へ降り、近江八幡に向かう予定だったのだが………。「長浜に寄ってみたい」と連れが言い出した。黒壁スクエアと呼ばれる一角があって、そこを訪ねたいのだという。実は、新名神に入ってからひどい渋滞にひっかかり、すでに2時間近くのタイムロスを被っていた。そんな寄り道をしたら、目当ての近江八幡の古い街並みを散歩する時間が削られちゃうなぁ…なんて愚痴ったのだが、長浜を近江八幡の隣町くらいに思っていたので、快諾したのだった。笑われてしまうかもしれないが、数えきれないほど琵琶湖を訪ねていてもほとんどが仕事だったし、それもボートでの湖上の移動だったから、陸上の土地勘はゼロ。3年前に2000kmの旅をした時も北陸道は使ったものの、近江八幡でのランチを終えたあと、一路奥琵琶湖の菅浦を目指していたので、長浜はまったく意識していなかったのである。まさに目と鼻の先程度の感覚だった。

クルマ好き、レース好きなら、キュンとしてしまうこの面構えレース好きにはたまらない商品の数々。見るだけで楽しいさすがHONDAのホームタウン、レースのメッカさすがHONDAのホームタウン、レースのメッカ 名神から北陸道へ。竜王を過ぎたところで確認してみると、黒壁スクエアまでの距離は約80km…だいたい近江八幡の手前ではないから“寄る”なんてものでもないのである。近江八幡のかなり先まで行って戻ってくるというとんでもない遠回りコースで、所要時間は片道1時間超と出た。おいおいおい…。ってことは往復で2時間以上ということになり、長浜に着いてからの散策タイムを考えれば、近江八幡でのお散歩時間はほぼ残らない。そりゃ困る。初日からお目当てスポットをあきらめるなんて…。

 とはいえ、すでに北陸道を進んでいて、今さらUターンというわけにもいかないから、泣く泣く長浜を目指すことにした。しかし、結果としてはこの予定変更が、今回の旅の最初の大当たりを引き寄せてくれたのだった。

すごい3人!色が剥げているのはみんな手を合わせるからだろうなぁ…(笑)Text&Photo:三浦 修

【筆者の紹介】三浦 修BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。

【ひねもすのたりワゴン生活】旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。

「滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その3」はこちらです

「滋賀から城崎、そして神戸 5日間1500kmのクルマ旅 その1」はこちらです

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