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緊急入電!! 新型Z650RSが登場!? 令和版ザッパーがZシリーズ50周年に出そうな理由とは?

掲載 更新 24
緊急入電!! 新型Z650RSが登場!? 令和版ザッパーがZシリーズ50周年に出そうな理由とは?

 カワサキが欧州のYouTubeチャンネルで新型ネオクラシックモデルのティザー動画を配信している。正式発表は9月27日とされ、本誌は新型Z650RSがデビューすると予想している。

 まさに2018年に登場したZ900RSの弟分で、排気量が650ccと予想されることから往年のZ650、通称「ザッパー」の再来と言えそうだ。ここでは、新ザッパーの詳細や50周年を迎えるZシリーズの動向をお伝えしたい。

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文/市本行平、CG/SRD、写真/KAWASAKI

【画像ギャラリー】新型Z650RSのティザーで丸目&砲弾メーターのシルエットも確認

RETRO+EVORUTION=レトロボリューションの実体はどんな姿か?

 ティザー動画でカワサキが明確にしているのは、その新型が「RETRO(懐古的)」で「EVOLUTION(進化的)」なモデルであるということ。これを「RETROVOLUTION(レトロボリューション)」という造語で表している。

 つまり表現を変えて「ネオクラシック」モデルの登場を予告しているのだが、これはクラシックスタイルで中身が最新型のカテゴリー。ネオクラを得意とするカワサキがニューモデルを9月27日に欧州や北米で発表するのだ。

 本誌はこれをZ650RS(車名は仮)と予想。情報を元に再現したのがこのCGとなる。現車は、ぱっと見はZ900RSのようでよく見るとスリムでコンパクトな印象になるはず。というのもZ900RSの並列4気筒に対して並列2気筒エンジンを搭載しているからだ。

2022年に新登場すると本誌が予想するカワサキZ650RSはこのような姿に!? カラーはグリーンという情報だ。もちろん日本でも発売されるだろう(CGイラストは編集部が制作したもの)

 ベース車と目されるのは、ネイキッドスポーツモデルのZ650。水冷648ccの大型入門機で、扱いやすいパワーや素直なハンドリング、優れた足着き性で評判のモデルだ。一方でスタイルはカワサキ独自の「凄み」デザインがコンセプトになっており、対照的にかなり先鋭的。

 これをベースに、レジェンド「Z1」スタイルを再現したのがZ650RSとなる。ちなみに2018年にデビューした兄貴分のZ900RSもネイキッドのZ900をベースにネオクラ化しており、Z650RSも同じパターンを踏襲することになりそうだ。

Z650RSのベースと目されるZ650。水冷並列2気筒649ccエンジンを搭載したネイキッドモデルだ。出力は68PSに留まるが189kgと中型モデル並みに軽量だ

ネオクラZの第二弾はなぜ650なのか? 歴史をトレースするZ-RSシリーズ

 カワサキZといえばZ1が有名だが、その次に第2世代の空冷4気筒を搭載したZ650が存在していた。排気量は652ccとZ1の903ccよりも一回り小さく、その分軽快なハンドリングで親しまれたモデルだ。カワサキがZ900RSの次にZ650RSを登場させるのは、Zの歴史をトレースする意味もあるだろう。

 ブランドイメージ確立に歴史は欠かせないもの。カワサキはこれを戦略的に展開しており、最近ではメグロK3復活時のプロモーションが記憶に新しい。カワサキが吸収した目黒製作所を前面に押し出し、アジア最古のビッグバイクブランドの出自も印象づけていた。

 今回は、Z650=ザッパーの歴史を掘り起こし、Z650RSのリリースとともにライダーにアピールすることを狙っているはずだ。単にネオクラモデルをリリースするのではなく、歴史という付加価値を乗せることがセールスに直結することは、Z900RSの実績からも明らかだ。

 Z650RSの場合は、強くアピールできるポイントは「ザッパー」になるだろう。これはZ650の通称で、往事のカワサキマンによると風圧で服がパタパタ鳴る擬音「Zap」を変化させて「Zapper」にしたという。Zapには俊敏に動くという意味もあり、Z650の通称にはぴったりだった。

こちらが1976年に発売されたZ650。エンジンは空冷並列4気筒652ccで64PSを発揮していた。車重はZ1よりも20kgほど軽量だったことからザッパーと呼ばれた

カワサキのティザー動画第2弾にはさりげなくZ650の姿が映りこんでいる。その後第3弾の動画ではうっすらとシルエットを見せている(ギャラリー参照)

 さらに、ザッパーは単にZ650の通称だけではなところがミソ。カワサキがザッパーを通して強く訴えるのは、カワサキZシリーズの原点だろう。実はザッパーは、カワサキがZ1を開発する際のコンセプトとして一番最初に使ったキーワードだったのだ。

 1968年4月付けアメリカカワサキによるN-600の提案書にはこのように記されている。

 「The big displacement market is divided into two types of machines: "Zappers” and Touring Cycles. “Zappers” is a word not in a Japanese - American dictionary, but means a type of cycle that is light, powerful, and will go from one stop light to another quickly - like ZAP!」

 「アメリカの大型バイク市場で販売されているモデルは、ザッパーズとツアラーの2つに分けられる。ザッパーズは和英辞典を調べても見つからない言葉で、意味はシグナルダッシュで速い軽くてパワフルなバイクのこと。ZAPのように!」

 N-600とは後のZ1のことで、ザッパーズとは大排気量4ストロークマシンのことを指していた。そして、カワサキは4気筒750~850ccのザッパーを開発すべしと締めくくっている。この提案書を受け、明石の開発陣が1972年秋にZ1をアメリカに送り出したのだ。

 何故ザッパーがZ1の通称にならなかったかというと、開発途上でCB750フォアに対抗するために排気量が大きくなったためだ。当初のN-600のイメージに近いのは、軽量のZ650だったことからこれがザッパーと呼ばれるようになったという。

1972年秋に出荷が始まったZ1は、開発コードN-600からT-103に設計変更されたモデルの完成形。打倒ホンダCBを掲げ、ゼロヨン加速から世界最速へと軸足が移っている

2022年はZシリーズ生誕50周年を祝う1年になる?

 令和版ザッパーが誕生するであろう2022年は、Zシリーズ50周年の原点としてザッパーのストーリーを展開する最高のタイミングと言える。Z900RSに加えZ650RSという役者も揃うことで、Zブランドの強化とセールスを両面から盛り立てることができるだろう。

 その伏線としてかZ900RSが過去の歴史を辿っているのが面白い。まず、2018年にZ900RSがZ1初代カラーでデビュー。次の2020年モデルはZ1の2年目のカラー、そしてこの9月に発売した2022年モデルはZ1の3年目のカラーを復刻。同時に欧州にしか存在しなかったZ1のイエローもリバイバルし、ついにZ1の70'sレジェンドカラーをコンプリートしたのだ。

2018年に登場したZ900RS。1972~1973年に発売された初代Z1のファイヤーボール(火の玉)カラーを再現して発売された

2020年のZ900RSは、1974年のZ1Aが採用した通称タイガーカラーを再現して登場

2022年のZ900RSは、1975年のZ1Bが採用した通称玉虫カラーを再現してこの9月1日に発売された

2022年にはZ900RS SEも新登場。欧州でしか発売されなかったイエローボールカラーとすることでZ1の人気カラーがコンプリートされた形だ

 加えて、空冷Z第2世代Z650の生まれ変わり、Z650RSのデビューで完璧な布陣に。カワサキの4ストロークスポーツモデルの原点を表す「ザッパー」に関わるモデルが全て現代に蘇り、ザッパー伝説第二章のスタートにできるはずだ。

 本誌は、そこに更なる隠し球があると期待している。2022年には、Z1誕生50周年を祝う特別なモデルがあってもおかしくない。それもここにCG化したのでご覧いただきたい。SE=スペシャルエディションをベースに現行ラインナップにはない火の玉カラーを制作してみた。これが出たら超争奪戦になること間違いなし。果たして当たるだろうか!?

もし2022年にZ1の50周年を祝うのであれば絶対に欠かせないのが火の玉カラー。特別装備のZ900RS SEに設定すると注目度も高まるだろう(CGイラストは編集部が制作したもの)

【画像ギャラリー】新型Z650RSのティザーで丸目&砲弾メーターのシルエットも確認

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