混雑にスタッフも唖然
小田急バスが、2025年7月6日に吉祥寺営業所管内でダイヤ改正を行います。これにより、東京の新宿駅西口から吉祥寺駅(東京都武蔵野市)までを結ぶ路線バス「宿44」系統が廃止されます。今回、この路線に乗ってみることにしました。
「宿44」は、新宿駅西口~武蔵境駅間で運行された時代が長い路線ですが、2024年3月以降は吉祥寺駅発着に短縮され、以後は日曜休日1往復だけに減らされていました。この「宿44」が、2025年6月29日の運行をもって廃止されます。
走るルートを確認しましょう。「宿44」は新宿から国道20号(甲州街道)を西進し、途中から井ノ頭通りを通って吉祥寺に向かいます。甲州街道は京王線と、井ノ頭通りは京王井の頭線と並行している区間が長く、鉄道ならば新宿~吉祥寺間を京王線と京王井の頭線を乗り継いで向かうイメージです。
2025年5月の時点で、「宿44」は日曜休日の午前に1往復だけ走っています。新宿駅西口~吉祥寺駅間13.58km(吉祥寺→新宿間は13.5km)を所要時間52分ほどで結んでいますが、長い路線だけに渋滞による遅れは覚悟しておいたほうが良いでしょう。
早速、廃止を控えた小田急バス「宿44」に乗車します。廃止間際で混み合うことが予想されたので、吉祥寺から新宿に向かうことにしました。
取材した6月8日(日)は廃止が発表されてから初めての運行日でしたが、出発20分前の段階で吉祥寺のバス停にはすでに10人ほどが待っている状態でした。10時24分の出発までに40人ほどが乗り、終点の新宿までほぼ満員の状態で走りました。
大半が「乗り納め」と見られる乗客でしたが、なかには廃止を知らない地元の利用者もいて、突然の混雑に驚いている様子でした。
「宿44」が発車する吉祥寺のバス停(1番のりば)は、京王井の頭線吉祥寺駅の南東側にあります。ほかの小田急バスのバス停から東側へ少し離れた場所にあるため注意が必要です。
吉祥寺を発車した「宿44」は井ノ頭通りを南東へ進み、ほどなく小田急バスの吉祥寺営業所の前を通ります。営業所の建屋の前には小田急バスのスタッフが数人、様子を伺うように立っていましたが、混雑に唖然とした姿が印象的でした。
京王バスの営業所前も通過
この辺りは、武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」の路線(吉祥寺東循環:1号路線)も設定されていますが、松庵町バス停の先で武蔵野市から杉並区に入ると、重複するバス路線が一旦なくなります。
松庵町から南東に2.5kmほど進んだ地点で、環八通りと交差。さらに1kmほど南東へ進むと浜田山(京王井の頭線浜田山駅付近)に至ります。吉祥寺からこの付近までは、井ノ頭通りの北側を五日市街道が並行し、近いところでは井ノ頭通りと100mも離れていません。この付近の五日市街道は、関東バスの「中36」系統(中野駅~吉祥寺駅)などが運行され、井の頭線と並んで地域の足が確保されています。
浜田山からは、久我山駅(京王井の頭線)~永福町間の京王バス「鷹64」も井ノ頭通りを走っていますが、朝夕しか運行されていません。
さらに進むと、西永福交差点(西永福バス停)で方南通りが合流してきます。
新宿駅西口からは、方南通りを経由して永福町まで走る京王バスの路線「宿33」なども井ノ頭通りを少しだけ走っています。「宿33」は少し先の永福町バス停が終点ですが、ここには京王バス永福町営業所があり、車庫の背後には井の頭線の列車も見えました。
営業所を過ぎると京王井の頭線永福町駅です。「宿44」にも永福町バス停があり、このバス停を含めて途中の数か所で乗客の乗り降りがありました。
この先、坂を下って神田川を渡り、再び坂を登って水道横丁バス停を過ぎると松原交差点です。「宿44」はこの交差点を左折して、甲州街道に入ります。上には首都高速4号新宿線があり、「宿44」も首都高の高架橋の下を走ることになります。
別の「レア系統」に乗り継ぐ客も
甲州街道を東へ進むと、大原交差点で環七通りと交差します。「宿44」は環七通りをアンダーパスで通過。「宿44」の単独区間と杉並区のエリアは、この付近で終わります。
先の大原交差点から京王線初台駅付近にある東京オペラシティ南バス停まで、都営バスと京王バスが共同運行する「渋66」系統(阿佐ヶ谷駅~渋谷駅)などが重複。さらに、新宿付近では周辺を巡回する「新宿WEバス」と経路が重なります。
甲州街道の上を走っていた首都高が南へ分かれていくと空が開けてきますが、道路脇の建物がいつの間にか高くなっています。ビルの谷間を進むと、ほどなく新宿駅南口が見えてきます。ただ「宿44」は手前の西新宿一丁目交差点で左折して甲州街道から離脱。駅西口の京王百貨店の前を通ってロータリーに入ると終点の新宿駅西口です。
バスは折り返し「宿44」吉祥寺駅中央口行きとなり、これも満員に近い客を乗せて出発していきました。
取材時点(6月8日)での新宿駅西口のバス乗り場は、新宿西口ハルク(小田急ハルク)の前にある「35番のりば」で、かつてはこのバス停から小田急の箱根高速バスが発着していました。
なお、6月21日(土)からバス乗り場が変更され、「宿44」は26番乗り場(建て替え中の明治安田生命新宿ビル前)に移るため注意が必要です。
このバス停は、1年のうち6月のみ運行の「よみうりランド」行きや、付帯系統の若林営業所行きも発着します。よみうりランドから新宿駅西口にやってきたバスが若林営業所行きに変わる形で運行されています。これらのバスの乗り場も、35番から26番に移転します。
この日は目立った渋滞はなく、吉祥寺から乗車した「宿44」の乗客が、若林営業所行きのバス(11時55分発)に乗り継ぐ姿も見られました。
「宿44」は、1949(昭和24)年に開設された都営バス(東京都交通局)や京王バスとの共同運行路線をルーツとしたものです。戦後に都心と郊外を結ぶバス路線の一つとして、武蔵境駅南口~吉祥寺駅~永福町~新宿駅西口~四谷見附~東京駅南口に設定されたものでした。
長らく郊外と都心を結んでいた都内のバス路線が、一つなくなります。(柴田東吾(鉄道趣味ライター))
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みんなのコメント
三鷹市内からの人はほぼ吉祥寺駅で降りるのに、その先杉並区内からはどんどん乗ってきて、かなりの混雑。でも気づいたのが、ほぼ老人パスで乗ってくる老人しかいない。つまりほぼ収入が無い。まあ乗務員不足もあり、こんな路線維持する必要もないと判断したのだろう。
最初は何の事だかわからなかった。