この記事をまとめると
■TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup第5戦富士大会が開催された
2026年はシリーズチャンピオン奪還はもちろんもっとスバルを盛り上げるぞ! TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupに参戦するチームタクティがトークショーを開催
■クラブマンクラスには過去最多のディーラーチームが参戦した
■プロクラスでは井口選手が2位を獲得し3位には久保選手が輝いた
スバルが大所帯で挑んだ注目の第5戦
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup第5戦富士大会が、9月5日~6日に静岡県の富士スピードウェイで開催されました。今大会ではTeam Takutyの井口選手と久保選手が表彰台を獲得し、奥本選手も上位入賞。さらにクラブマンクラスには過去最多のディーラーチームが参戦するなど、徐々にワンメイクレースでもBRZが多くなってきているのを実感できるレースでした。
SUBARU BRZでプロフェッショナルクラスに参戦しているTeam Takutyは、水曜日からサーキットに入り、ディーラーメカニックの研修やマシンの整備をおこない、富士スピードウェイで上位を目指すため走行を開始しました。
木曜日はGR86/BRZのプロクラスとクラブマンクラス専用の走行枠のほかに、一般車両も走れるスポーツ走行枠を使い、4本の練習走行をおこないマシンを仕上げていきます。
Team Takutyは千葉スバルを母体とする千葉スバルレーシング87号車の久保凜太郎選手、東京スバルを母体とする東京スバルレーシング88号車の井口卓人選手、そして栃木スバルを母体とする栃木スバルレーシング89号車の奥本隼士選手からなるチームです。
そのテントの横に今回はクラブマンクラスに参戦する、335号車HALol OBC BRZの岡崎遼選手と、870号車スバル北信越ROBOT BRZの伊藤和広選手の車両が並びます。どちらもエントラントはROBOT RACINGとなっています。そう、このROBOT RACINGは久保選手が長年使っている個人チームのエントラント名です。
今回は久保選手が代表となり、335号車岡崎選手と870号車伊藤選手のコーチングも兼ねて参戦となります。870号車の伊藤選手というのは、スーパー耐久に参戦するTeam SDAエンジニアリングの一員です。じつは今年のTGR GR86/BRZ Cup第2戦SUGO大会の際、Team Takutyのプロドライバー全員がニュルブルクリンク24時間レースに参戦することになり、代役として88号車に乗車していました。
そのときに感じたレースの難しさや楽しさを再び感じたいと思ったため、今回は完全プライベートで、久保選手が所有しているクラブマン仕様のマシンに乗って参戦しました。そして気になるのは、スバル北信越というチーム名です。
スバル北信越は新潟・北陸3県・長野のスバル販売会社が合併して作られた会社です。スバル北信越が何か新しいことをしたいという思いをもっているなかで、スバル北信越と久保選手の繋がりにより、今回TGR GR86/BRZ Cupに参加することになったそうです。
今回は、東北スバルチーム、埼玉スバルチーム、東海スバルチームという、従来よりクラブマンにスポットで参戦しているディーラーチームと、プライベートで参戦しているチームも含め、プロ・クラブマン合わせて11台のBRZが参加しました。これは過去1番の参加台数だと思われます。
そんなBRZが多くスバルファンも盛り上がっているなかの大会ですが、天候は台風の影響による前線の活発化により、いつ雨が降ってもおかしくないほど天気予報は下り坂でした。
しかしながら木曜・金曜は曇りからの雨。土曜の予選時は日差しがさすほど晴れます。なかなか天気予報と合致しません。しかし、決勝がおこなわれる日曜は高確率で雨という予報のため、マシンのセットアップは裏切られる覚悟で晴れのするか、信用して雨に合わせたセットにするか悩ましい感じです。
土曜におこなわれた予選でプロフェッショナルクラスTeam Takutyの3台は、15分間の予選時間の真ん中あたりでコースインします。これが絶妙なタイミングで、ほかのクルマとの間隔も空いており自分のペースでタイヤを温めタイムアタックがおこなえました。その結果、奥本選手が1番時計をこのときは示します。井口選手が2位、久保選手が5位を示しました。
しかし予選時間終了間際にコースインし、アタックをおこなった選手によりタイムが塗り替えられ、最終的に奥本選手が4位、井口選手が5位、久保選手が18位となりました。奥本選手にとってはBRZでの最上位となり自身の戦績としても記録に残る順位となりました。
2台のマシンが好成績をマーク
日曜におこなわれた決勝では、東京スバルと千葉スバルから大応援団が参加し、グリッド上のマシンが見えないほどのファンがマシンを取り囲みました。
スタート前に雨が本格的に降り始め、ここ数年雨が降るとブリヂストンタイヤ装着車が有利という状況になっているため、ブリヂストンタイヤを装着する井口選手に期待がかかります。一方のダンロップタイヤを装着する奥本選手も、どこまでこの順位を守れるかというところがポイントです。
スタート直後に予選3位にいた堤選手が2位の123号車松井選手を抜きにかかります。その流れに付いていった井口選手も順位を上げていきます。そして最終コーナーで堤選手が富林選手を捉えるとそのままトップに浮上。井口選手もその勢いに乗じて2位にあがります。
予選トップの富林選手と2位の松井選手、そして予選4位からスタートした奥本選手はダンロップユーザーということで、タイヤの特性上雨に強くなく発熱も遅いことから徐々に順位を落としてしまいます。そしてびっくりなことが起きます。3位に目を向けると奥本選手が踏ん張っているのかと思いきや、なんと予選18位になってしまった久保選手が驚異の15台抜きをおこない3位にまでポジションアップしてきました。
「ひとつのコーナーで1台ずつ抜いていったら3位まで来ていた。奥本が前に見えたときには奥本にもチャンスがあるようにライバルを抜いていった」というほど、久保選手は着実なレース運びをしていました。また久保選手もブリヂストンユーザーということで、井口選手同様スタート直後からタイヤの性能をフルに発揮し追い上げていました。
レースはそのまま膠着し、トップは堤選手、2位井口選手、3位久保選手となり、Team Takutyが2位3位と表彰台に上りました。今回のプロクラスではトップ15台中12台をブリヂストンユーザーが占め、9位奥本選手、10位松井選手、15位富林選手の3台がダンロップユーザーという状況になりました。順位を下げたといえ、タイヤの特性が極端に違うなかで、奥本選手は善戦して貴重なポイントを獲得しています。
井口選手は「今回は雨が強かったことでブリヂストンに有利な状況でした。そのなかでも早めに2位のポジションに上がれてキープできたことがよかったです。久保選手の追い上げも見事でしたし、奥本選手もダンロップタイヤが苦しい状況のなかで一番で帰ってきました。Team Takutyの3台にとっては最高のレースだったと思います」と言います。
驚異の追い上げを見せた久保選手は「いろいろと苦戦していることが続いて気持ちが落ち込むことも多かった最近でしたが、久しぶりに表彰台にあがれてよかったです。何か特別なことをしたわけではなくて、いいポジションにいられたことで、ひとつのコーナーで1台ずつ抜いて、1周目で12台抜いてきて帰ってきて、あとはダンロップユーザーなので、なんとか行けるだろうと思っていました。最終的には前の2台のペースにはついていけない感じだったので、単独で走る感じになったけど、そのほうがペースを作るのに苦労したところでもあったけれど、無事に表彰台にあがれてよかったです」と語りました。
「また今回はスバル北信越チームを率いての参加もあり、そちらのコーチングやメンテナンス、セットアップなども手がけていたので大変でしたけど、スバル北信越チームも、ニュルメカや期待の新人など、6人のメカニックを派遣してくれました。スバル北信越の今後の新たな活動に繋がっていってくれればと思います」と言います。
雨が強くなった状況では防戦一方になってしまったダンロップユーザーの奥本選手は「ダンロップタイヤは温まりが少し遅いこともあって、雨のなかでは最初の1コーナーでのブレーキングも不安な部分もあるため、少し様子見をしながら走っていたらうまいことすり抜けられてしまいました。とはいえその後はダンロップユーザーのなかでトップを走り切り、ポイントを獲得できたことはうれしいです。何より諸事情により急遽新車を用意してくださった栃木スバルさんには感謝ですし、ぶつけずぶつけられずで上位で終えられたことがよかったです。ダンロップユーザー1位という目標は一応クリアできたのですが、この順位ではなくトップを取るために次も頑張ります」と語ってくれました。
一方、注目のクラブマンクラスでスバル北信越がサポートした、335号車HALol OBC BRZの岡崎遼選手と、870号車スバル北信越ROBOT BRZの伊藤和広選手は、岡崎選手が22位、伊藤選手が24位でフィニッシュしました。
伊藤選手は「前回はプロクラスに参戦させていただき、プロの操るマシンのすごさを体感しました。今回はクラブマンクラスということで、エンジョイレースが目的でした。そのなかで、スバル北信越さんのディーラーメカニックの皆さんや、久保選手や井口選手などのアドバイスもあり、バトルもあるレースをすることができましたのですごく楽しかったです。各ディーラーチームの皆さんともお話しをする機会もあったので、今回の体験をもとに仕事にも活かせていければと思いました」とレースを楽しんだようです。
Team Takutyの活躍と、過去最大のディーラーチームが集まったクラブマンクラスと、盛り上がりを見せた富士大会でした。次戦は10月3日~4日に鈴鹿サーキットで開催されます。
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