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今からでも市販化希望! 夢のあったFRスポーツカーで「トヨタ」や「マツダ」が見せてくれたこととは

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今からでも市販化希望! 夢のあったFRスポーツカーで「トヨタ」や「マツダ」が見せてくれたこととは

期待されるも残念ながら市販には至らず……

 モーターショーで発表され、「発売はいつ?」とクルマ好きの間で話題となるのがコンセプトカーです。そんなコンセプトカーは細部の造りこみから、メーカーが市販化をどのくらい具体的に考えているだろうか? という推測もクルマ好きの間で話題に挙がります。今回は、登場時に市販化が近かったのではないかと思われたコンセプトカーのなかから、コンパクトスポーツカーをピックアップして振り返っていきます。

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トヨタS-FR(2015年/第44回東京モーターショー出展)

 記憶に新しいスポーツコンセプトカーと言えば、2015年の第44回東京モーターショーに出展されたトヨタS-FRです。トヨタではすでにFRスポーツの86が販売されていましたが、その86よりも小さな弟分に当たるFRモデルとしてラインアップされそうな雰囲気でした。

 事実、発表されていたボディサイズも全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mm、ホイールベース2480mmとコンパクト。全長と全幅で言えばマツダ・ロードスター(NB型)が近しい数値となります。それでいて乗員定員は4人とされていて、トヨタも「日常使いのなかでもクルマとの対話が出来る、そんな楽しさをエントリーモデルに追い求めた」と発表していました。

 画期的な軽量化、そしてフロントミッドシップに6速MTと独立懸架サスペンションなど、走り好きをワクワクさせる内容でした。内装はファッショナブルな雰囲気に仕上がっていたものの、部分的に既存のトヨタ車のものと思われるパーツが使用されていて、そのようなポイントから「市販化間近か?」と噂されていました。しかし、近年は目立った噂もなく、市販化に対する計画は立ち消えてしまったように思えます。

 もしも市販化されていたら、86よりもリーズナブルな価格で気軽に楽しめる(新車で230万円くらい?)FRスポーツとして、多くのクルマ好きに親しまれたことでしょう。数が少なくなっているFRですが、多くの人がFRを楽しむ機会を与えてくれる存在になったかもしれません。

ダイハツX-021(1991年/第29回東京モーターショー出展)

 コンパクトでリーズナブルなFRスポーツと言えば、1991年の第29回東京モーターショーでダイハツが発表したX-021を忘れてはいけません。日本のレーシングカーコンストラクターである、童夢との共同開発で誕生したこのコンセプトカーは、FRレイアウトで50:50の前後重量配分を実現。1.6Lのエンジンを搭載し、車重は700kgと超軽量に仕上がっていました。

 童夢とタッグを組んだことで実現した、最大の特徴といえるのが車体構造。一般的なモノコックボディではなく、アルミ製のスペースフレームにFRPのボディを外装として被せているのです。さらに、サスペンションは当然前後ダブルウィッシュボーンなのですが、アブソーバーの取り付け位置や長いアームの取り回しは、レーシングカーそのものと言っていい仕上がりとなっています。

 ボディを取り外した写真を見ると非常にシンプルな構造。もしも販売されていたら、軽量ゆえに走りが絶賛されるだけでなく、DIYなどでの整備性の高さも評価されていたかもしれません。今でも市販化を期待してしまう1台です。

マツダRX-01(1995年/第31回東京モーターショー出展)

 1995年の第31回東京モーターショーでマツダが次世代のロータリースポーツコンセントとして発表したのが、「RX-01」でした。全長4055mm×全幅1730mm×全高1245mmという、FD3S型RX-7よりもひとまわり小さなボディに、当時新開発のNAロータリーエンジンを搭載。車重は1100kgと言われていました。

 新開発のロータリーエンジンは排気ポートをサイドハウジングに移設したもので、これはのちにRX-8で実現しています。最高出力は220psと言われていました。さらに驚きなのがオイルの潤滑方式にドライサンプを採用しているという点。ロータリーはレシプロ以上にオイル管理がシビアですから、このような点もマツダ開発陣のこだわりが見えます。

 インテリアはスポーツカーらしく機能的にまとめられていて、リヤシートはFD3Sのような小さなタイプを装備。コンセプトカーらしくない、現実味を感じさせる仕上がりとなっていました。

 RX-01のパッケージは数値だけで大雑把に言えば、「ボディサイズが近いNCロードスターをクローズドボディ化して、RX-8のエンジンを載せた」という感じになりますが、両車ともに運転したことがある人ならば想像できるその楽しさは、期待大なはずです。もしも販売されていたら、NAロータリーらしく高回転まで回して楽しいスポーツカーなのはもちろん、軽量なためサーキットでも速く、スポーツ走行ユーザーにも愛されるモデルにはなっていたのではないでしょうか。

やはり走り好きはコンパクトFRスポーツ!

 今回は現実味が高かったものの、実現しなかったスポーツコンセプトカーを振り返りました。スポーツカーはいつでもクルマ好きをワクワクさせる存在。それは格好良さも当然ですが、走りも重要です。今回紹介したモデルたちも、コンセプトカーとは思えないほどメカニズムやスペックに関して充実した発表がされていました。

 自動車は現在大きな変化期に来ていると言われていますが、やはりクルマ好き、走り好きとしては手の届きやすいスポーツカーが充実してほしいもの。それが今回紹介したような、振り回して楽しいコンパクトFRスポーツなら大歓迎と言えます。次回の東京モーターショーでは、今回紹介したコンセプトカーのような「現実的な夢」を見せてくれるモデルが登場することを期待したいです。

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