■ほぼ順調に進められた公式テスト。各チーム、ライダーの様子は?
2020年シーズンに向けたMotoGPの公式テストが2月7日から9日にかけて、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行なわれました。
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東南アジアに位置するマレーシアは、2月であっても日本で言う夏の暑さ。体感としては30度を超えていたと思われます。初日の昼過ぎと3日目の終了時刻30分ほど前に雨が落ちましたが、幸いにもほとんどの時間帯、ドライコンディションでテストは行なわれました。
3日間でトップタイムを記録したのは、ファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ)です。ディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケス選手(ホンダ)は3日間総合13番手でテストを終えています。
2020年シーズンのキックオフとなるテストを制したクアルタラロ選手は、初日は2019年型のヤマハ「YZR-M1」で走行を行い、2日目からは2020年型をテスト。マシンが変わっても速さは変わらず、昨シーズンの勢いはそのままに……といったところです。
2年目のライダーながら、その速さはもはや疑いようがありません。
一方、マルク・マルケス選手は、そのクアルタラロが記録したトップタイムから0.423秒差の総合13番手でテストを締めくくっています。
マルク・マルケス選手はオフシーズン中に右肩を手術した影響で完全な体調とは言い難い状態で、右肩の筋肉の状態は「60パーセントくらい」とのこと。
とは言え、しっかりとねらいを定めてそこに向けて準備を進められるのが、マルク・マルケス選手の強さのひとつ。
これはレースウイークの進め方の話ですが、今回のようなフィジカル面についても、本人が「カタールGPに標準を合わせている」と語るように、開幕戦へ向けて調子を戻していくことになるのではないでしょうか。
その弟、アレックス・マルケス選手について言えば、総合18番手でトップからは0.693秒差という結果となりました。この結果だけ見れば、兄マルク・マルケス選手にはまだまだ及ばないといったところですが、ルーキー勢だけを見れば最上位なのです。
Moto2チャンピオンと言えど、そう簡単に乗りこなすことができないのが最高峰クラスのモンスターマシンというもの。
王者マルク・マルケス選手と比較されてしまうのがチームメイト、そして兄弟の厳しいところですが、今回のテストでは、彼なりのペースでMotoGPマシンを学んでいるようでした。
今回のテストで充実したテストライダーの布陣を敷いたのが、ヤマハです。2019年限りで引退した、最高峰クラス3度のタイトルに輝いたホルヘ・ロレンソ選手、そして日本人テストライダーの中須賀克行選手と野左根航汰選手という体制で臨みました。
ロレンソ選手は最終日のみ、それも2019年型ヤマハ「YZR-M1」でのテストでしたが、すでに「いくつか改善点を見つけた」とコメントしています。もちろん2020年型とは同じではないでしょうが、これ以上心強いテストライダーもいないでしょう。
ヤマハのファクトリーライダー、マーベリック・ビニャーレス選手とバレンティーノ・ロッシ選手は、最終日にホールショット・デバイスをテストしていた模様です。
ここ数年タイトルから遠ざかっているヤマハですが、2021年シーズンに向けた体制発表の早さといい、多角的に考えても変わりつつある雰囲気を感じざるをえません。
※ ※ ※
MotoGPの開幕前に残るテストは、2020年2月22日から24日にかけて行なわれる、カタール公式テストです。ここで各メーカー、チーム、ライダーたちが、2020年シーズに向けた最後の準備を行います。
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