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ホンダ「NS500」は栄光の色彩 トリコロールカラーのイメージリーダー

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ホンダ「NS500」は栄光の色彩 トリコロールカラーのイメージリーダー

ホンダとトリコロールカラーの始まりを振り返る

 ホンダのレーシングカラーと言えば、「トリコロール」と呼ばれる「赤/青/白」の3色がお馴染みです。現在でもホンダのスーパースポーツモデル「CBR1000RR-R」が参戦している世界選手権には、トリコロールカラーのファクトリーマシンが活躍しています。

【画像】ホンダ「NS500」(1982年型)の詳細を画像で見る(12枚)

 ホンダのレース部門である「HRC」(株式会社ホンダ・レーシング)は、トリコロールカラーに込めた想いを次のように表現しています。

・赤=勝利にかける人間の熱い情熱・青=理論に基づく高い技術力・白=モータースポーツを愛する全てのお客様

 トリコロールとはフランス語の3色旗を表す言葉ですが、ホンダのトリコロールカラーは、アメリカのレースシーンから始まりました。

 ホンダがアメリカ国内のモトクロスシリーズ戦に参戦開始する際に、チームのライダーは赤/青/白のモトクロスチャージを着用しました。また、バイクにトリコロールカラーが見られたのは、日本からデイトナ200マイルレースに遠征した隅谷守男選手のCB750レーサーが最初だと言われています。

 さらに深掘りすると、このふたつはどちらも1973年3月のデイトナですから、モトクロスウエアとCB750レーサーのトリコロールカラーは、同時に登場したと言えます。

 その後、ホンダは1976年から世界耐久選手権に「RCB1000」を、1979年から世界GP(現MotoGP)に「NR500」を、そして1982年にはパリ・ダカールラリーの「XR500R」に、トリコロールカラーのファクトリーマシンを投入していきます。

 世界GPのシーンに注目すると、ホンダが10年以上の沈黙を破り世界GPに再参戦した1979年に、トリコロールカラーを纏って登場したのは、長円ピストンを採用した4ストロークエンジンの意欲作「NR500」でした。残念ながら他メーカーの2ストローク勢を相手に苦戦を強いられます。

 1982年には、いよいよトリコロールカラーのイメージリーダーとも言える「NS500」が世界GPに登場します。2ストロークV型3気筒エンジンの「NS500」は天才ライダーと呼ばれたフレディ・スペンサー選手のライディングで大活躍を見せます。

 デビューイヤーの第7戦ベルギーGPで初優勝を獲得、これはホンダの15年ぶりの世界GPでの優勝でした。続く第10戦スウェーデンGPでは片山敬済選手が優勝しています。1983年シーズンには世界チャンピオンに輝きます。

 このように、トリコロールカラーは「NS500」の栄光とともにファンの心に刻まれていきました。

 そのトリコロールカラーですが、「NR500」では単純な3色の塗り分けでしたが、「NS500」ではカウリングやタンクの形状を意識したラインが入ります。500ccクラスを表す黄色のゼッケンスペースもよく似合っています。

 カラーリングは毎年変わっており、1983年にはアンダーカウルからテールカウルに伸びる赤と白のラインが印象的です。1984年の「NSR500」では特殊な排気の流れを意識した塗り分けになっています。ライダーのレーシングスーツもトリコロールカラーでコーディネートされていました。

 翌1985年からのホンダの世界GPマシンは、タバコブランドのロスマンズや、石油会社のレプソルなどスポンサーカラーに塗られています。暫くは「スポンサーカラーこそトップレーシングのイメージ」という時代が続きます。

 市販車ではスポーツモデルに採用されていた赤/青/白のトリコロールカラーは、蛍光色になったり、クルーザーやツーリングモデルなど様々な車種に採用されて現在に至っています。

「CBR250RR」や「CBR1000RR-R FIREBLADE」の登場とともに、街にもサーキットにも、新時代のトリコロールカラーと呼べるカラーリングのバイクが増えてきました。いつの時代も、レーシングカラーはファクトリーマシンと市販車に乗るファンを繋ぐ、大事な架け橋なのです。

■ホンダ「NS500」(1982年型)主要諸元エンジン種類:空冷2ストローク112度V型3気筒ピストンリードバルブ総排気量:498.6cc最高出力:127.5PS/11000rpm車両重量:113kg(乾燥)燃料タンク容量:16Lフレーム形式:アルミ製ダブルクレードル

【取材協力】ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)※2023年12月以前に撮影

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みんなのコメント

7件
  • taka-rtg
    以前、東京スカイツリーがフランス国旗のライトアップだったときに、某SNSに「本日のスカイツリーはトリコロールカラー」って書いたら、コメ欄に「フランス語でトリ=3つの コロール=色 だからトリコロールカラーだと三色色になってしまいます」って書かれたことがあったなあ…

    バイク雑誌とかみんな「トリコロールカラー」って書いてたじゃん、って思った
  • 上州 浪漫
    大昔(w)、埼玉県の桶川市のMX場で全日本戦が行われて居た頃は、観客席(と言っても 当然立ち見)が、HONDAの選手と同じデザインのトリコロールのウエアで埋まってた••なんつぅ事はザラだったわね。

    ツーリングに出ても、ホンダ・トリコロールのジャケットが目に付く程、早くから自社プロモーションに力を入れてたって事なんでしょうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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