■まさかの新車価格オーバー キレイすぎる個体に驚愕
2023年8月11日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、ホンダのスーパースポーツカー「NSX」が10万ドル(当日レートで1440万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
【画像】「えっ…」 これが“ほぼ新車”な「NSX」です!(51枚)
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回、10万ドルで落札されたNSXは、1990年9月に登場した2ドアミッドシップスーパースポーツカーで、その独特なスタイリングから和製スーパーカーと呼ばれることもあります。
量産車として世界初のオールアルミモノコックボディを採用したほか、本格的なミッドシップレイアウトを持つことで、大パワーのV型6気筒自然吸気エンジンと相まって、高い運動性能を実現しました。
また、軽量化とパフォーマンスを引き上げた「NSX タイプR」やオープントップモデル「NSX タイプT」などが登場し、ラインナップを徐々に拡充。
排気量はのちに3リッターから3.2リッターへとパワーアップされ、フロントフェイスもリトラクタブルヘッドライトから埋込式に変更するなど、いくつかの改良が施されましたが、2005年12月末に販売を終了しています。
今回落札された個体は1991年式で5速MTを搭載。北米に正式に輸入された個体で、ホンダの高級ブランド「アキュラ」として販売された左ハンドルの車両です。
特筆すべき点は32年経過したのにも関わらず、わずか1.6万マイル(約2.6万キロ)と極めて低走行なことです。
当初はアラバマ州でオーナーの手に渡り、その後はフロリダ州、アリゾナ州で所有されたといいます。
新車時の記録も残っており、ラインオフ時のカラーコードや装備とともに、6万1600ドル(約887万円)と当時の総額も明記されています。
ボディの状態は右フロントリップの擦り傷やBピラーの色褪せを除くときれいな状態で、新車時の鮮烈な「フォーミュラレッド」の塗装状態は良好。ワイド&ローの真っ赤なボディからは、現代のクルマにはない風格さえ漂っています。
インテリアは純正の状態で残され、「NSX」ロゴ入りフロアマットやBOSE製の純正カセットデッキを装備。
さすがの低走行個体であるため、運転席サイドの擦れを除けば全体的に極めて美しい状態を保っており、新車時のような艶の引けたレザーシートやインパネがそのまま残されています。
280馬力を発揮する3リッターV型6気筒「VTEC」DOHC「C30A」型ユニットが搭載されるエンジンルームもきれいな状態で、2022年4月にタイミングベルト、ウォーターポンプ、点火プラグを交換されるなど、低走行にもかかわらず、しっかり整備が行き届いた状態のようです。
各ホースや配線類に割れや劣化は少なく、プラスチック部品も変色なく艶がある状態で残されており、床下までサビの少ない状態であることから、これまでのオーナーが大切に保管していたことが伺えます。
アメリカ全土でクルマの履歴を確認できるサービス「CARFAX」によれば、事故などの被害はないようですが、2011年12月に盗難に遭遇。しかし、翌年6月に発見されるというヒストリーがあったようです。
入札は8月4日に5000ドルでスタートし、54件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、10万ドルで落札。
極低走行である点や5速MT車であること、さらには事故報告もない純正状態であることなどが評価されたのか、新車価格を超える価格で取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、そのうち特に人気なのはNSXをはじめとする1980年代から90年代のスポーツカーで、高値で取り引きされています。
特に北米では「25年ルール」という、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても、製造から25年が経過すれば走行可能になります。これにより、多くの国産スポーツカーが輸出され、現地のオーナーによって大切に乗られているのです。
個体の程度や仕様によっては今回のNSXのように新車価格を超える金額で落札されることも少なくはありません。
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みんなのコメント
何もかも自民党のせいだ。
次の選挙で皆さんも考え直す必要がある。