同クラスでは広めな後席がアドバンテージ
フォルクスワーゲンID.ポロ GTIのドアを開くと、プロトタイプらしく布製カバーでダッシュボードは隠されていた。車内空間は、大人4名が快適に座れる広さがある。
【画像】フォルクスワーゲンらしいルックス ID.ポロ GTI サイズの近い電動ハッチバックは? 全157枚
フロントシートは、やや小ぶり。身長が高い筆者の場合、座面はもう少し長くて良い。それでも、お尻を包み込んでくれ、座り心地に優れる。長時間でも疲れにくそうだ。
後席側は、ポロ・クラスのコンパクトハッチバックでは、僅かに広め。ミニ・クーパー SEやルノー5 E-テックに対する、アドバンテージになるはず。フォルクスワーゲンが、実用性の高い普段の足として設計した結果が、カタチになっている。
ステアリングホイールは2スポークで、リムの上下がフラット。親指付近には、タッチセンサーではなく、物理スイッチが複数並んでいる。GTIのエンブレム部分は、その名を冠したドライブモード・ボタン。これを押すと、意欲的な走りへ興じれるらしい。
初代ゴルフ GTI風のアナログメーター・グラフィック
ドアの内張りやダッシュボードを覆うのは、ディナミカと呼ばれる、滑らかなマイクロファイバー。車内は、従来にないほどラグジュアリー&スポーティな雰囲気にある。
ダッシュボードにはタッチモニターも備わるが、送風口の下には物理スイッチもチラっと見える。モニター式のメーターパネルは、スイッチを操作すると、初代フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI風のアナログメーターへグラフィックが変わる。
タッチモニターの表示も、レトロフューチャー。オーディオのメニューは、カセットテープを模したグラフィックで描かれ、駆動用バッテリーの残量は燃料計を真似たメーターで教えてくれる。多くの人へ響くデザインではないだろうか。
狙い通りにボディを引っ張るフロントアクスル
フォルクスワーゲンの技術者、フロリアン・ウンバッハ氏が助手席へ。砂利敷の駐車場を抜けて、アスファルトへ出る。乗り心地は適度に締まり、落ち着きがあり快適。タッチモニターで調整できるアダプティブダンパーのおかげで、幅広い特性を得ている。
最もソフトな設定では、凹凸を優しく吸収。荒れた路面でも、不快な揺れは届かない。最もハードに切り替えると、姿勢制御がタイトになり、ダイレクトな操縦性が際立つ。
アクセルペダルを目一杯蹴飛ばしても、過剰なパワーが開放されることはない。直感的に勢いを高められ、前輪駆動らしい走りへのめり込める。
ステアリングホイールには、トラクションを感取するのに充分なフィードバックが伝わる。切り始めから手応えがあり、重み付けは理想的。神経質な印象は微塵もない。トルクステアは皆無といえ、フロントアクスルは小柄なボディを狙い通りに引っ張る。
人工エンジン音が再生されるGTIモード
ID.ポロ GTIは、適度にエネルギッシュでインタラクティブ。カーブの立ち上がりでは、リムを握る手の力を少し増やしたくなる、積極性が心地良い。同時に、アクセルペダルの角度でノーズの向きは調整できる。ヘアピンカーブからの脱出も、驚くほど力強い。
GTIモードを選ぶと、車内のスピーカーから人工のエンジン音が再生される。アクセルペダルの操作と関係なしに、変速したような音の変化を伴い、誇張し過ぎかもしれない。必要なければ、インディビジュアル・モードでオフにできる。
ステアリングホイールの裏には、回生ブレーキのパドル。エンジンブレーキをかけるように、アクセルオフでの減速感を選べるのも好ましい。
フロントアクスルのトラクションは、印象的に高い。必要以上のパワーは秘めないが、操縦性へ影響が出ることはないし、電子制御が介入することもない。こんな運転体験を叶えたバッテリーEVは、そう多くはない。
これぞまさにフォルクスワーゲンのGTI
フロントタイヤがアスファルトへ伝えるトルクを、手のひらで感じ取れる。手足が直接タイヤと結びついたかのように、意のままにパワーを展開できる自信を抱ける。
ボルグワーナー社製トルクベクタリング・アクティブデフの効能を、これほど高度に引き出したフォルクスワーゲンは、過去になかった。その気になれば、魅惑的な走りへ没入できるが、バランスの良いシャシーで実用性や洗練性も忘れていない。
これぞまさにGTI。バッテリーEVの高性能なフォルクスワーゲンへ、懐疑的な人はまだ多いと思うが、機会が来たら一度試乗してみて欲しい。きっと目からウロコなはず。
フォルクスワーゲンID.ポロ GTI(プロトタイプ)のスペック
英国価格:約3万5000ポンド(約735万円/予想)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:175km/h
0-100km/h加速:6.8秒
航続距離:423km(予想)
電費:8.0km/kWh(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:1540kg(予想)
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:52.0kWh
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:226ps
最大トルク:29.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション/前輪駆動
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