後輪駆動の入門モデル
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】ポルシェ・タイカン、ターボS、ターボ、クロスツーリスモ【タイカンシリーズ】 全65枚
ポルシェは電動サルーン、タイカンの後輪駆動仕様を入門グレードとして発表した。
「フルに電動化されたポルシェの世界への完璧なエントリーポイント」と謳われている。
単に「タイカン」と名付けられたこの新モデルは、4S、ターボ、ターボSに続く4番目のバージョンとなり、テスラ・モデルSに対抗する陣営を固めるものだ。
ポルシェの広報担当者がAUTOCARに語ったところによると、「中国以外の市場での発売予定は確定していない」という。
後輪車軸のみに動力を供給する初のモデルである。
リアに搭載された1基の同期モーターは、標準仕様の79.2kWhバッテリーと組み合わせて407psを発生するが、93.4kWhのパフォーマンスバッテリー・プラスと組み合わせれば475psにアップできる。
68psの差があるものの、どちらもローンチ・コントロールにより0-100km/h加速を5.4秒で駆け抜け、最高速度は230km/hに達するとされている。
4Sの0-100km/h加速4.0秒、最高時速250kmと比較すると、タイカンのなかではやや抑えたパフォーマンスといえる。
最長となる航続距離490kmを実現
航続距離は、中国のNEDCサイクルで79.2kWhバッテリーが413km、93.4kWhではモデル最長となる490kmを実現している。
しかし、NEDCの数値は非現実的なものであることで知られており、より厳しい欧州WLTPサイクルでどのような結果を出すかはまだ確認されていない。
ポルシェによると、265kWの回生ブレーキにより、「日常的な使用におけるブレーキ操作の大半は、電気モーターだけで行われる」という。
モデル名のロゴ以外で、エントリーグレードであることを確認できる外見上の違いはほとんどない。
見分けるポイントは、ブラックのブレーキキャリパーとカスタムメイドの19インチ「タイカン・エアロ」ホイールくらいだ。
標準では、従来のスチールスプリング式サスペンションが採用されているが、上位グレード向けのアダプティブ・エアサスペンションがオプションとして用意されている。
どちらもポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント(PASM)と組み合わされている。
市場に特化したモデル展開
価格は88万8000中国元(1353万円)からとなっている。4Sよりも20%安い設定だ。
ポルシェのオリバー・ブルーメCEOは、昨年AUTOCARに対し、バッテリー構成を変えることで、市場に特化した電動モデルの導入を可能にしていると語った。
「将来的には、ポルシェは世界中で同じデザイン、同じ技術、同じ品質で認識されるようになるでしょう」
「しかし、法律に応じて特定の国向けに特別なモデルを開発したり、ソフトウェア面では、顧客のさまざまなニーズに対応した特別なソリューションを開発したりする予定です」
「例えば、中国向けにエントリーレベルの車を作ることができます。一方で、オーダーメイドのハイエンドモデルも可能です」
「これは市場によります。特にアメリカと中国では、より上質なモデルやパワフルなモデルへの需要があるでしょう」
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