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SUVか? いやミニバンなのか? レクサス北米専売3列シートSUV「TX」の真価を試乗で解き明かす!

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SUVか? いやミニバンなのか? レクサス北米専売3列シートSUV「TX」の真価を試乗で解き明かす!

 日本ではあまり根付いていないように思えるのが3列シートSUVだ。そのモデルで今回、日本では販売されていないレクサスTXを富士スピードウェイで試乗する機会があり、国沢光宏氏が評価した!

文/国沢光宏、写真/池之平昌信

SUVか? いやミニバンなのか? レクサス北米専売3列シートSUV「TX」の真価を試乗で解き明かす!

■北米専売の3列シートSUV、TXとは?

北米専売モデルとなる3列シートSUVのレクサスTX。北米ではサッカーに興じる息子を送迎するママさんたちに高い支持があるんだとか

 レクサスが最も売れているのは言うまでもなくアメリカである。日本より強いブランドイメージを持っており、今やメルセデスベンツやBMW、アウディなどとガチで競う存在感を持つ。そんなことから日本よりも車種バリエーション多い。

 ここで紹介するTXもアメリカで販売するために開発されたモデルである。したがって日本への導入計画はなし。左ハンドル車しか作らないという。

 コンセプトは3列シートSUVである。ミニバンのようにも見えるけれど、開発担当によれば「断固SUVです!」(笑)という。具体的に書けば、そもそもスライドドアじゃない。

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■TXのスターティングプライスは850万円から?

当然のようにヒンジドアを採用するレクサスTXだが、やはりコストのかかるヒンジドアを採用している

 トヨタ、アメリカでは「シエナ」というスライドドアのミニバンも販売しているけれど、高価格帯で人気なのは普通のヒンジドアだという。アメリカにおけるスライドドアって、商用車のイメージなんだと思う。

 レクサスとなれば当然のことのようにヒンジドアだ。したがって高額車です。アメリカでも発売前ということから価格のリリースはなかったのだけれど、おそらくスタ-ティングプライスで850万円くらいになるだろう。

 試乗した2.4Lターボのハイブリッドは最上級グレードだろうから1000万円はくだらないハズ。アルファードの850万円をはるかに超える。

■2.4Lターボハイブリッドをパワートレーンに採用

2.4Lターボハイブリッドを搭載する北米レクサスTX

 ベースになっているのはTNGA-Kのヘビーデューティ仕様とのこと。これまた日本に入っていない、ハリアーをふた回り大きくした「グランドハイランダー」(トヨタブランドです)という全長5120mm×全幅1990mmという巨大なサイズのSUVと兄弟関係になる。

 参考までに書いておくと、センチュリーはTNGA-Kプラットフォームをベースとし、徹底的に補強を加えて使っている。

 写真でTXを見るとサイズ感がわからないだろうけれど、とにかく大きい! 試乗したグレードのパワーユニットは、前述のとおり2.4Lターボのハイブリッド。クラウンに搭載しているスペックと同じならシステム出力349psということになる。

 アメリカ人からすれば5L級V8のパワー感です。ハイパワー仕様ということで、フロントブレーキを見たら対向ピストンのキャリパーを使っていた。

■試乗はなぜか富士スピードウェイのショートサーキットで!

今回の試乗会では富士スピードウェイのショートサーキットでTX試乗が行われたのだった

 今回のレクサス試乗会、富士スピードウェイ場内で行われたのだけれど(LMは場内路。GXが特設悪路コース)、TXといえばミニサーキット! アメリカでの使い方とずいぶん違う(笑)。

 この手のクルマだと想定外のコースコンディションと言っていい。大丈夫なのか? とはベテランのジャーナリストだと思わない。興味のほうが先立ち、最初からアクセル全開!

 コーナーのターンインでフロントに荷重をかけてハンドルを切ると、少しばかり大きめのロールを伴う&やや後輪のイン側が浮き気味ながら、だからといってバランス崩すこともなし。

立ち上がりでアクセルを全開にすると、最初にモーターのアシストが立ち上がり、すぐブーストがかかり、ターボパワーで元気よく加速していく。驚いたことに普通に走って曲がって止まる!

■同カテゴリーのアメ車を凌ぐ走りの性能!

TXのインテリア。モダンで質感の高いコックピットとなっている

 ボディの大きさはあまり感じない。つまり、ボディ剛性やブレーキの容量などキッチリ足りているということです。同じカテゴリーのアメリカ車と比べたら走りの性能で完全に2ランク上。

 アメリカ勢、ボディもサスペンションもユルい。日本勢と比べたって1ランク上。欧州勢なら走りで同等。クルマの質感でひとクラス上といったイメージ。これならアメリカのユーザーも納得するかも。

シートは左右感のディスタンス的には余裕充分。北米でのソファのようなゆったりさがあると筆者は指摘

 インテリアは写真で見るとあまり広く感じないかもしれない。シートの座面や背もたれなど日本で売られているミニバンよりひと回り大きいため、サイズ感なし。

 アメリカの家具を日本で使っている人なら理解していただけるだろうが、大きく見えないのに日本の部屋に持ち込んだらどうしようもないくらい場所を取る。それと同じ。座ってみたら、アメリカのソファのようにゆったりしてます。

■日本ではやはり売れないだろうが……

スライドドアが採用されないレクサスTX。日本での販売はやはり厳しいのか……

 日本でTXは売れるか? 聞かれたら瞬時も迷わず「難しいでしょうね」と答える。我が国はやはりスライドドアです。そして1000万円の価格を付けるのなら、もう少し押し出しの強い(存在感と言い換えてもいい)のデザインが必要かと。

 ただ、アメリカのお金持ちで、自分の子供をサッカー場まで送迎するクルマを選ぶというのなら、ショッピングリストのTOP3に入ると思う

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