魅力的なヒストリーが残された1台
2025年2月4日~5日にRMサザビーズがフランス・パリで開催したオークションにおいて、ポルシェ「911カレラRS 2.7」が出品されました。出品車は新車でイタリアにデリバリーされましたが、その後1979年のタルガ・フローリオに参戦したほか、同年ラリー・デイ・ヴィーニで優勝したことで、イタリアの国内ラリー選手権のチャンピオンにも輝いている1台でした。
約7400万円で落札! ポルシェ「911 カレラRS 2.7ツーリング」が高額な理由は25台のみしか作られなかったホモロゲモデルだったから
相場は1億円以上のナナサンカレラ。その理由は?
「我々は、伝統的なディーラーでも、レストアのスペシャルショップでもなく、ヴィンテージ・スーパーカーの保存に尽力する歴史家なのです」
1970年代、1980年代、1990年代、そして2000年代初頭に生産された500台以上ものヨーロッパのスーパーカーをこれまでコレクションし、RMサザビーズのパリ・オークションにその中から多くの魅力的なモデルを出品してきた「CURATED(キュレーテッド)」は、自らの存在をこのように語る。
スーパーカーというニッチな分野で最も模式が豊富で評価の高いオーソリティ。彼らが出品したモデルはどれも、マニアからは羨望の眼差しを向けられるものだったが、その象徴的な存在ともいえるのは、ここで紹介する1973年式のポルシェ 911カレラRS 2.7、いわゆるナナサン・カレラではないだろうか。
ライトウエイトモデルは200台が生産された
オークションの主催者であるRMサザビーズも、その価値を非常に高く評価し、事前に発表されていた予想落札価格は90万ユーロ~120万ユーロ(邦貨換算約1億4410万円~1億9220万円)という数字。もちろん彼らがこのモデルにそれだけの評価を下した理由は確かにあった。
そもそも当時のグループ4規定に沿って500台が限定生産される予定だったにもかかわらず、最終的には1580台が生産された911カレラRS 2.7の中で、出品車は装備を簡略化するなどして、さらにスパルタンな仕様としたライトウエイト、わずかに200台が生産されたモデルにほかならなかったからだ。
ちなみにほかの911カレラRS 2.7は、コンペティション仕様のRSH、RSRの両モデルが各々17台、55台、ロード仕様のツーリングが1308台という内訳である。オンロードを走行できる911カレラRS 2.7の中でも、ライトウエイトがいかに貴重な存在であるのかは、この事実からも明らかになるだろう。
数多くのモータースポーツに参加した個体だった
出品車のS/N:9113600575には、さらに魅力的なヒストリーがある。このモデルは新車でイタリアにデリバリーされたが、その後1979年のタルガ・フローリオに参戦したほか、同年ラリー・デイ・ヴィーニで優勝したことで、イタリアの国内ラリー選手権のチャンピオンにも輝いている。
グランプリ・ホワイトのボディカラーや、ブルーのスクリプトとホイールがあしらわれたエクステリアは、もちろんオリジナルカラーのまま。2025年にはマルケ・エキスパートによるチェックを受け、オリジナルのシャシーとシェルのスタンプを保持していることが確認された。
200台のライトウエイト・モデルの中でも、最初からそのオーナーがモータースポーツへの参戦を意識していた例は数少ない。その証明ともいえるのがこの出品車が装備するLSD(リミテッド・スリップ・デファレンシャル)などのスポーツ・エクイップメントの存在だ。
事実最初のオーナーとして、イタリアのトレヴィーゾでこのモデルを登録したヴィットリオ・ベンヴェヌーティ氏は、1973年の5月には早くもヒルクライム・イベントにそれを持ち込み、その後多くのモータースポーツに使用した。
1990年までイタリアに留まった出品車は、その後フランスに渡った後、2013年末にキュレイテッド・コレクションに収まることになったという。ここでポルシェのスペシャリストによってメンテナンスされ、完全なコンディションのもと保管。今回パリ・オークションに姿を現したというのが、ヒストリーの大筋である。
結果的にその落札価格は、71万3750ユーロ(邦貨換算約1億1430万円)という、予想落札価格を下回る価格で落ち着いた1973年式のポルシェ 911カレラRS 2.7だが、その価値が下がることは、ライトウエイトのみならず、すべてのモデルをこれからもあり得ないだろう。ナナサンカレラは、永遠にポルシェ・ファンの憧れであり続ける。
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