小粋な弟分、『リトルG』
メルセデス・ベンツは、Gクラスの弟分にあたる新型SUV、通称『リトルG』を開発中だ。ランドローバーから登場予定のディフェンダー・スポーツのような比較的小型なエントリーレベルのSUVへの対抗馬となる。
【画像】途方もないパワーを誇る電動Gクラス【メルセデス・ベンツG580 with EQテクノロジーを写真で見る】 全22枚
2027年にEVのみのモデル展開で発売される予定で、現在はリトルGと呼ばれている。人気のあるクロスオーバー市場への足掛かりとする狙いだ。
メルセデス・ベンツCEOのオラ・ケレニウス氏は、2023年のミュンヘン・モーターショーでリトルGの計画を明らかにした。マイバッハ、EQ、AMGと並んで2020年に設立されたサブブランド『G』(ゲレンデヴァーゲン、ドイツ語でオフロード車の意)の新モデルとして、既存のGクラスの下に位置するよう構想されている。
ラダーフレームのシャシーを採用するGクラスとは異なり、よりオーソドックスな新しい『MB:EAプラットフォーム』を採用する。このプラットフォームは、CクラスとGLCのEVバージョンにも用いられ、ユニボディ構造、電圧800Vの電気アーキテクチャー、そして700km超の航続距離を目指した第5世代の新型バッテリーを搭載する。
メルセデス・ベンツのデザイン責任者であるゴーデン・ワグネル氏は以前、AUTOCARの取材に対し、リトルGは既存のGクラスの「象徴的なDNA」を強く意識したデザインになり、「独自のキャラクターを持つが、”G” である」と語っていた。また、小文字の『g』を車名に冠することで、兄貴分との差別化を図るという。
エントリーでも立ち位置はGクラス
リトルGの価格はおよそ7万ポンド(約1300万円)からになると予想されている。参考までに、現行のEVモデルであるG580 EQの英国価格は18万860ポンド(約3400万円)、最も手頃なディーゼル搭載車のG450dは13万5535ポンド(約2550万円)である。
つまり、まもなく登場予定のランドローバー・ディフェンダー・スポーツ(ディフェンダーの小型版)やトヨタ・コンパクト・クルーザー(ランドクルーザーの新しいエントリーモデル)といったライバルよりも、やや高級なモデルとして位置づけられる。
関係者によると、リトルGの重要な魅力の1つは、伝統的な実用主義的デザインだという。フラットで垂直に近いサーフェスを持つ直線基調のスタイルが特徴で、ミリタリーグレードのような独特の外観になる。また、すべてのウインドウは平面で構成される。
初期のデザイン案では、U字型グラフィックのヘッドライトが採用されていたが、最近のバージョンでは通常のGクラスと同様の丸型ヘッドライトに進化したと言われている。
さらに、フロント先端の上部に取り付けられた長方形のウインカー、フレア形状の角張ったホイールハウス、テールゲートに取り付けられたスペアホイールなど、Gクラスの特徴的なデザインディテールが盛り込まれている。
直立したデザインと高い地上高にもかかわらず、G580 EQをはるかに下回る空気抵抗を達成したと言われている。
室内は5人乗りで、他のGクラスとは異なるデザインが採用される。ダッシュボードは浅めにデザインされ、センターコンソールは第3世代の新型CLAに似ているという。
リトルGのパワートレインは、メルセデス・ベンツの新しい電気モーター『eATS 2.0』だ。既存の電動メルセデスモデルに採用されているシーメンス・ヴァレオ製モーターとは異なり、2速トランスミッションなどを採用することで、効率性と洗練性を高めている。技術的に類似しているGLCでは、リアモーターが最大360ps、フロントモーターがさらに150psを発揮して合計出力488psに達するとのことだ。
加熱するEVオフローダー市場
リトルGはMB.EAプラットフォームをベースにしており、Gクラスのラダーフレーム構造とは異なる。しかし、関係者によると先進的な四輪駆動システムが開発中であり、標準的なGクラスの3つの機械式ディファレンシャルロックを模倣できるものになるという。
これと並行して、リトルGには専用の走行モードが用意される。GLCのダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションに改良を加え、車高の調整を可能とするエアスプリングを採用することで、卓越したオフロード性能を実現する。
2028年以降は、パフォーマンスモデルの登場も予定されている。メルセデスAMGの新しい軸流電気モーターが搭載される予定で、次期CLA 45とGT SUVにも採用される計画がある。
メルセデス・ベンツがGサブブランドの拡大を決定した背景には、最大の市場である中国でのオフロード車販売の爆発的な伸びがある。昨年、メルセデス・ベンツは純利益が28%減少したが、これは中国での関心の低迷によるものだった。
BYDのファンチェンバオ(方程豹)、奇瑞汽車のiCAR(アイ・カー)、東風汽車のメンシ(猛士)など、新たに立ち上げられたブランドは、オフロード車に対する顧客の関心の高まりを示しており、メルセデス・ベンツはリトルGでこれに挑もうと考えている。
また、フォード・ブロンコの復活とジープ・ラングラー4xeの発売により、Gクラスにとって最大の市場である米国においても、頑丈でアドベンチャー志向のあるオフロード車の販売が急増している。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
もはや国が「日産」を救済するしかないのか? 6700億円の赤字、取引1万9000社の命運…産業空洞化の懸念! 国の決断が日本の自動車産業を左右する
「魔が差した」 1000円の着服で退職金1200万円没収! 京都市バス運転手への厳罰主義は正当か? 人材不足の現場にさらなる懸念も
【販売店の声】新型「フォレスター」問い合わせの8割がハイブリッド。他社乗り換えも加速し納期は1年に
不人気だった理由は時代のせい? それとも“斬新な顔”のせい!? 32年前に全面改良したホンダ3代目「インテグラ」とは
ドイツで誕生「第2次大戦の最優秀プロペラ戦闘機」なぜ原型と全然違う名称に? じつは “ご褒美” 的な意味合いか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント