新車だけでなく、中古車の価格も高くなってきている今日この頃。しかも、若い頃は気にも留めなかったような地味めなモデルが、今となっては値落ち知らずの人気車になっているではないか!
文/FK、写真/日産、ホンダ、三菱自動車、CarsWp.com
年式のわりに高値維持! かつて地味め…だったクルマが今、人気復活中!?
【画像ギャラリー】中古車市場では人気モノ!? (13枚)
元気が良かった頃の日産を象徴するフィガロは思っている以上に入手しやすい!?
納期の短縮化・明確化を図るために2万台の販売台数を3回に分けて申し込み受け付けを行ったフィガロ。ちなみに、第1回目の申し込み件数は8000台の販売予定に対して、21万1814件の応募を記録!
1989年の第28回 東京モーターショーでの好評を受け、2年後の1991年2月に発売された2 ドアパーソナルクーペのフィガロ。
1980年代後半から日産が展開したBe-1、PAO、エスカルゴに続くパイクカーシリーズ4 作目となったフィガロは2 万台の限定生産車だったにもかかわらず、恋愛至上主義を謳った“東京ヌーベルバーグ”のコンセプトやフィガロをフィーチャーした短編オムニバス映画「フィガロストーリー」の制作・公開など、異例ともいえるマーケティング活動が展開された。
フィガロの最たる特徴となったのは、まん丸お目目のフロントフェイスがその存在感を印象づけたエクステリアだ。
軽快に風を受けて走るオープントップ機構を持つ小粋でエレガントなスタイリングはもとより、各部にクロームメッキパーツをアレンジするなど味のあるデザインが他と一線を画す個性を発揮。また、幌はボディデザインを損なわないようにトランク内に完全に格納できる構造が採用された。
加えて、塗装においても長期にわたって新車時の光沢が持続するとともに優れた撥水性を発揮するスーパーファインコーティングが全車に採用されていたり、フロントフェンダーとフロントエプロンにも軽量かつ防錆性能に優れた樹脂外板のフレックスパネルが採用されていた。
一方、インテリアでは米国のシートン社製の白い本革シートを前後に装備し、メーター類までもが専用デザインのインストパネルを採用。あらゆる部分が入念につくり込まれていた。
その際立つ個性からテレビに登場する機会も多く、人気の刑事ドラマ「相棒」では水谷 豊さんが演じる杉下右京の愛車として、お笑いコンビのバナナマンがMCを務める「バナナマンのせっかくグルメ!!」では日村勇紀さんがグルメを探す旅に使用するクルマとして登場している。
そんなフィガロは2万台の限定生産ながら中古車のタマ数はここから紹介するモデルに比べれば決して少なくなく、平均価格も200万円台前後で推移している。
直線基調のボクシーデザインが今の時代に映える三菱のデリカ スターワゴン
スペース効率を重視したキューブスタイルを基本に、丸味をもたせた斬新な形状が採用されたデリカ スターワゴン。同時に優れた空力特性と躍動感溢れるボディラインも実現している
スペースギアやD:5へと続く三菱製ワンボックスワゴンのルーツともいえるデリカ スターワゴン。
1979年6月、11年ぶりに行われたデリカシリーズのフルモデルチェンジで新たに登場したデリカ スターワゴンは小型車全幅枠いっぱいのワイドボディによる広い居住性、2列-3列のフルフラットシート、直線基調のシンプルなボクシーデザイン、快適な乗り心地と操縦安定性などから高い人気を集めた。
その後も1980年5月にはバンとワゴンにハイルーフを、1981年9月にはワゴンにATを追加。1982年10月には4WD、ロングボディ、ディーゼルエンジン搭載車を追加するなど、バリエーション豊かな車種を展開し、販売台数とシェアも順調に伸ばしていった。
そして、1986年6月にはフルモデルチェンジを実施。
スペース効率を重視しながらも柔らかなカーブ形状で構成された個性的なそのフォルムは、ソフトキューブスタイルと名付けられた。
一方、インテリアは“走るリビングルーム”をテーマにマルチシートシステム、マルチオーディオシステム、マルチエアコンシステムに加え、このクラスでは初となるクリスタルライトルーフを装備して明るく開放的な居住空間も演出されていた。
エンジンにはサイクロン2.0リッターや2.5リッターディーゼルターボが採用され、オンロードからオフロードまで小気味よい走りを両立。
また、4WD車はキャブオーバー型4WD車のリーダーカーとしての地位を決定づけるべく、徹底したオフロード性能と快適性も追求。たとえばフロントガードバー、サイドステップ、リアアンダーガード、15インチワイドタイヤなどを装備して、精悍なイメージを打ち出していた。
このように、4WDによる高い走破性と広い室内空間が魅力の1台なだけにアウトドアブームが長らく続く現代でも需要が高いデリカ スターワゴンだが、タマ数は少なく、中古車の平均価格も150万円は下らない状況となっている。年式を考えると、これは驚異的な高値といえるだろう。
トヨタのセラは唯一無二の存在ながらもガルウイング以外の取り柄がなかった!?
“とんでるセラ。”のキャッチコビーも印象的。“アンブレラではない。飛行機ではない。もちろん、普通の自動車でもない。”というカタログのコピーにも、まったく新しいコンセプトから生まれたクルマであることが見てとれる
「走る喜び。人とくるまのトキメキ未来」をテーマに、トヨタならではの先進技術を盛り込んだコンセプトカーの数々が展示された1987年の第27回 東京モーターショー。そこでお披露目されたAXV-IIの生産型として、1990年3月にデビューしたのがセラだ。
セラの最大の特徴となったのは、“あらゆる天候下でのオープン感覚の体験”を実現するために採用された特別なドア。
ガラスをルーフまで回り込ませたドアは、ルーフ前端中央付近とAピラー根元近くの2点を支点として斜め前上方に開くバタフライドア(ガルウイングドア)が採用されたのだ。
“日常生活の枠を超えた胸を躍らせるような体感”を狙って開発され、国産量産車では初めてガルウイングドアを採用したセラは、気温の変化に対してもドア開閉の操作力を常に一定に保つ新機構を採用するなど、きわめて扱いやすかったことも特筆すべきポイントであった。
また、ARW(Acoustic Resonance Woofer:音響共振ウーハー)を含む10スピーカーシステムと新開発のDSP(Digital Signal Processor)を採用したセラ スーパーライブ サウンドシステム装着車を設定したり、全車にオートエアコンやパワーウィンドウを標準設定とするなど装備も充実。造形美豊かな室内デザインと相まって圧倒的な個性を放っていた。
一方、エンジンは第2世代ハイメカエンジンシリーズ第2弾となるレーザーα-IIの16 バルブエンジンを搭載。低燃費・低中速域での高トルクとスポーティツインカムの特徴である高出力・高応答性を高い次元で両立したが、実用性の低さや走行性能の面でスポーティさが希薄だったことからセールスは低調に終わり、1996年に販売終了に。
しかし、バブル時代の象徴ともいえるセラは現代のモデルにはない強烈な個性が人気となり、後にその名誉を回復。中古市場では下限こそ150万円前後からだが、状態の良い個体は200万円を超えることが多く、流通台数もきわめて限られている。
初代ホンダ シティのなかでも特に希少なカブリオレ
シティ・カブリオレは見た目のインパクトもさることながら、高効率を誇るニューコンバックスエンジンやハードタイプのプログレッシブコイルスプリングを前後に採用したサスペンションを装備するなど他にも見どころが多かった
テレビで流れていた「ホンダホンダホンダホンダ」のフレーズが印象的だったCMソングと、新鮮かつ斬新なトールボーイデザインが強烈なインパクトを放った初代シティ。
そのデビューは1981年11月で、クラストップレベルの優れた燃費と動力性能を発揮する新開発コンバックスエンジンを搭載したFFのニューコンセプトカーは大きな驚きをもって迎えられた。
既成のクルマ概念にとらわれることなく、居住性や燃費、動力性能などクルマの機能を最大に追求しながら、一方でこれらを生みだすエンジン、サスペンションなどの機構が最小に設計されたシティは都会的な感覚を持つ行動派の若者に支持され、一躍人気者に。
翌1982年9月には世界最小の1.2リッターターボエンジンやホンダ独自の電子燃料噴射装置(PGM-FI)などを採用したシティターボがデビューすると、1984年10月にはフルオープンカーであるシティ・カブリオレをリリース。
特に、シティ・カブリオレは本格的なソフトトップと力強いアクセントをもつオーバーヘッドバーを装備した国産唯一のフルオープンカーとして大きな注目を集めた。
ボディの基本構造やソフトトップのスタイリング・レイアウトなどは、イタリアのピニンファリーナ社から技術協力を受けたシティ・カブリオレ。
しかし、ソフトトップはホンダが独自に開発した優れた耐候性をもつ素材で、同時に高い断熱性、防音性を有しており、開閉もスムーズかつ手軽に行えるものであった。
さらに、独立したトランクルームや大切な書類などを入れておくキー付き車検証ポケットを設けるなど、誰でも気軽にオープンエアモーターリングを楽しめる配慮もなされていたが、1986年に生産が終了。
デビューから40年以上経った今も状態の良い個体は当時の新車価格に匹敵、もしくはそれを上回る水準で取引されることもある。
三菱・初代コルト プラスのラリーアートグレードは見つけたら“めっけもん”!
フロントノーズ部から、傾斜したテールゲート部分に至る伸びやかなラウンドフォルムがスピード感とエレガントさを表現
日常の使い勝手の良さ、取り回しの良さ、そしてワゴンとして荷室まわりのユーティリティを加えたコンパクトクラスのワゴンとして2004年10月にデビューしたコルト プラス。
コルト プラスのベースになっているのは2002年11月に発売されたコンパクトカーのコルトだが、コルトと比べてリアオーバーハングを約300mm延長して荷室を拡大するとともに、エレクトリックテールゲートやワンタッチフォールディングシート、フレキシブルカーゴフロアを採用してワゴンに必要とされる荷室まわりのユーティリティが高められている。
それゆえにコルトに比べるとややマイナーなイメージは否めないが、あるグレードに関しては現在の中古車市場でも高値安定の状況を呈しているのだ。
そのグレードとは“ラリーアート”である。
ラリーアートで注目すべきはエンジンで、他のグレードでは搭載されていないMDC Power社(ドイツ)が新開発した4G15型インタークーラーターボエンジン(最高出力147PS、最大トルク18.3kg・m)を搭載。
加えて、前方排気レイアウトながら熱容量の低いステンレス製エキゾーストマニホールドやフロント触媒などの採用で、平成17年排出ガス基準50%低減(☆☆☆)も達成している。
また、マニュアル感覚でシフトできるスポーツモード6-CVT付きフロアシフトをはじめ、フロント15インチベンチレーテッドディスクブレーキ、リア14インチソリッドディスクブレーキを装備して高い動力性能とそれに見合った高い制動力もしっかりと確保。
インテリアもブラックを基調としたスポーツ感あふれるラリーアート専用となり、ラリーアートのロゴタグを付した専用スポーツタイプのフロントシートも標準装備するなど、スポーティな演出が行われていることも魅力のひとつであった。
そんなコルト プラスのラリーアートは、現在の中古車市場においてプレミア価格とはいえ80万円前後と比較的リーズナブル。タマ数は少ないものの、「人とは違ったクルマに乗りたい」という人は選択肢のひとつとして検討する余地があるかもしれない。
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