1980年代クラウンのイメージを構築
この記事の公開日は2023年9月18日。今から44年前の今日――すなわち1979年9月18日に発売された名車をご存じであろうか? トヨタ・クラウンの六代目モデル、S110型系である。
いよいよ完成、感動の瞬間を目撃せよ!フジミ製プラモ「S130クラウン2000ロイヤルサルーン」を作る・第6回【モデルカーズ】
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1970年代のクラウンと言えば、”クジラ”の愛称で知られる四代目がまず思い起こされる。あまりに前衛的すぎたスタイリングが災いし販売的には振るわなかったクジラの反省から、4年を待たず約3年半後に登場した五代目は、オーソドックスかつ重厚なデザインを特徴とした。そしてその5年近く後に送り出されたこの六代目は、重厚路線を継承しつつも、直線基調のスタイリングや各種装備の充実により、来るべき1980年代に備えた先進性を打ち出していたのがポイントである。
ボディ形式は先代同様に4ドア・ハードトップと4ドア・セダン、2ドア・ハードトップ、そしてバン/ワゴンを用意。4ドア・ハードトップはトヨタならではの安全性を重視したピラード・タイプであったが、センターピラーをガラスの内側に隠すようにし(サイドウィンドウを閉じた場合)、見た目の印象はピラーレス・タイプに近いものとしていたのが新しい。それだけでなく、リアウィンドウを側面に回り込ませていたのも特徴だ。一方、2ドア・ハードトップはリアピラーのオペラウィンドウを上下方向にかなり小さくして、スタイリング上のアクセントとしていた。
1970年代の継承と1980年代に向けた進化が共存
レイアウトはもちろんFRで、ペリメーターフレームに前ダブルウィッシュボーン/後4リンク(バンのみ半楕円リーフ)のサスペンションというシャシーも、先代からほぼ変わっていない。搭載エンジンは直列6気筒OHCのM型エンジンが基本で、先代の2.6L(4M-EU)から2.8Lに拡大された5M-EU(145ps)を筆頭に、2LのM-EU(125ps)、インジェクションではなくキャブ仕様のM-U(110ps)が存在。これ以外に、直4 OHC 2.2LディーゼルのL(72㎰)と、タクシー用LPGエンジンである直4 OHV 2Lの5R-U(85㎰)が用意されていた。
装備の面でも先代よりさらに豪華さを増しており、最高グレードであるロイヤルサルーン(2.8L車のみに設定)には運転席パワーシート(ハードトップ)や、シートバックが二段に折れる世界初のリヤコンフォートパワーシート(セダン)を採用、またマイコンを組み込んだクルーズコンピュータがオプション設定されている。2ドアのロイヤルサルーンには、シンセサイザー方式の電子チューナーラジオを装備。また2ドア車には、ランドウトップやツートンカラーがオプションで用意されていた。
車両価格は4ドア・ハードトップのロイヤルサルーン(4速AT)で280.7万円、同じくハードトップ、2Lの最高グレードであるスーパーサルーン(4速AT)で230.6万円。2ドアのロイヤルサルーン(4速AT)は282.8万円と、4ドアよりわずかに高い。セダンはロイヤルサルーン(4速AT)が269.2万円、スーパーデラックス(4速コラムMT)で173万円、スタンダード(タクシー仕様、3速コラムMT)で124.7万円。ワゴンの2.2Lディーゼル カスタム(5速MT)では176.5万円であった(いずれも東京地域)。
なお、この六代目クラウンの愛称として知られる”鬼クラ”とは、1981年8月のマイナーチェンジで登場した後期型を指すものとされている。このときヘッドライトにフォグランプが一体化されたため、その切れ長な目元の迫力ある顔つきからこの愛称が生まれたとのことで、後期型の中でもハードトップの2.8L車のみを指す、とする厳密な向きもある。また、このマイチェンのときに導入された2.8Lツインカムの5M-GEUが、1980年代ハイソカーとしてのクラウンのイメージの基礎を形成したと言ってよいだろう。
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みんなのコメント
クラウンに2ドアはレアな感じがします。
マークⅡにも2ドアタイプがありました。
いましたが、地方や年代によって異なるでしょう。
言えることは「クラウンが憧れ」であり、
最も輝いていたのは110から130迄でしょう。
ペリメーターフレームをやめてから普通の車に
なってしまったと思いますし、デザインも迷走。
トヨタも頭を抱え始めた気がします。