■3つの柱と4つの重点施策で変革を加速
マツダは2025年6月19日、「国内ビジネス構造変革の方針」を発表しました。
ブランド価値経営を軸に国内販売20万台の早期実現を目指し、販売網再構築やブランド強化など4つの重点施策を推進します。
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マツダの国内販売は過去20年間で大きく変化してきました。
2025年4月に国内営業本部長に就任した三浦忠氏は、国内市場の変遷を3つの時期に分けて説明しています。
「2011年頃までの『価格訴求の時代』では、規模拡大を目指して大きな値引きをしてでも1台でも多く販売することを続けた結果、『マツダ = 値引き』のイメージが浸透し、マツダ車の残価が落ち込み、お客様の大切な愛車の資産価値を毀損する状況が続きました」
2012年からは初代CX-5の市場導入を機に「商品主導の成長期」を迎え、クリーンディーゼルなどスカイアクティブ技術をマツダの独自価値として訴求することで販売台数を伸ばしました。
しかし2019年以降は「ビジネス停滞期」となり、店舗投資や顧客対応強化などの取り組みは進展したものの、ビジネス成長には至りませんでした。
その課題として三浦氏は「地域戦略の欠如」「新規のお客様へのアプローチの不足」「店舗へのブランド浸透を図る取り組みの不在」の3点を挙げています。
今回発表された構造変革は、米国市場でのビジネス成功モデルを日本市場に適応させる形で実施されます。
三浦氏は「国内販売の再成長は、当社の中長期的な企業価値向上に直結する重要テーマです。米国で成果を上げたブランド価値経営に基づくビジネス改革成功のエッセンスを取り入れ、メーカーと販売店が一体となって、聖域なく変革を実行し、魅力的な店舗づくりと質の高いお客さま体験の提供を実現します」と説明しています。
マツダの国内販売は2024年3月期に15万2千台でしたが、構造改革を通じて20万台を早期に実現できるビジネス基盤の構築を目指していくと説明。
今回、マツダが発表した構造変革は、以下の3つの柱と4つの重点施策から成り立っています。
ーーー
1. ブランド育成に向けた成長投資
2. 優先地域の特定(都市圏戦略)
1:販売網再構築
2:マツダブランドにフォーカスしたマーケティング投資
3. 店舗体験の向上に向けた現場支援の徹底
3:店舗へのブランド価値浸透の仕組み/体制整備
4:バックヤード機能効率化を担う新会社設立
ーーー
これらの施策について、三浦氏は「4つの施策を確実に実行することにより、掛け声や理念だけでなく、ブランド価値経営を実際のプロセス、行動、成果評価の形できちんと結びつく仕組みとしてオペレーションにしっかりと落とし込むことができる」と強調しました。
では、それぞれの重点施策の具体的な取り組みはどのような内容なのでしょうか。
重点施策の「1:販売網再構築」では、安定的な需要が見込まれる都市圏において、東京や大阪など10都市を重点市場に選定し、新世代店舗を集中的に展開するための投資を進めていくといいます。
特に販売効率を高める重点店舗300店を設定し、ブランド体験向上によって店舗あたり年間販売台数400台を目指すようです。
三浦氏は「米国ではマツダのブランド価値経営を受け入れていただくお客様が多いエリアを重点39市場に絞り込み、新世代店舗に投資してお客様体験を大幅に改善すると同時に、店舗あたりの販売を劇的に改善しました」と説明しています。
今後、日本国内の自動車需要は人口減少に伴い縮小していく中で、都市圏での需要は相対的に増加する見込みです。
そのなかでマツダは2025年から27年にかけて継続的に投資を行い、年間20店舗の新世代化を目標としています。
次に「2:マツダブランドにフォーカスしたマーケティング投資」です。
マツダは「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」というブランドのPURPOSE(存在意義)に焦点をあて、一貫したブランドコミュニケーションと効果的なマーケティング施策を実践。
三浦氏によると、米国では「機能性やブランドの差別化を伝えようとするメッセージから脱却し、ブランドパーパスに沿ってプライマリーブランド価値に焦点を当てたコミュニケーションに集約することで、マツダブランドに対しての共感を高め、中長期的なブランド価値の向上を実現できました」とのことです。
2025年2月に南青山にオープンした「MAZDA TRANS AOYAMA」は、マツダブランドの体感施設としてすでに成果を上げています。
三浦氏は「MAZDA TRANS AOYAMAの月間平均来場者数は1万700人で、そのうち54%がマツダオーナーではない方々です。また、マツダ車に乗っているお客様は約8割が男性ですが、トランス青山の来場者は57%が女性のお客様です。このように、これまで接点の持てていなかったお客様にマツダの独自の世界観を体験していただいています」と説明しました。
また、2025年度は上期にSUV購入意向層向けのコミュニケーション強化、下期に新たなブランドキャンペーンを開始する予定です。
「3:店舗へのブランド価値浸透の仕組み/体制整備」では、ユーザーがより満足できる”マツダらしいブランド体験”のあり方を「ブランドスタンダード」として策定。
このスタンダードを店舗に浸透・定着させるための教育・支援体制を構築し、現場を強力にサポートしていくといいます。
三浦氏は「米国では営業・サービス領域においてお客様の理想的なブランド体験を定義し、それを実現するオペレーションのHOWを『Mazda Promise』として規定しました。販売プロセスにおいて部門をたらい回しにされるなど平均4時間かかっていたものを、1時間接客、1人での接客、お客様に手間をかけないといったハウの部分を規定したことで、店舗でのお客様体験向上が実現できただけでなく、店舗スタッフのモチベーション向上ももたらすことができました」と説明。
この取り組みは、2025年からブランドスタンダードの開発を始め、2026年以降にブランドアカデミーを通じて導入・浸透させていく予定だといいます。
最後「4:バックヤード機能効率化を担う新会社設立」です。
マツダは、2025年1月30日に「マツダビジネスパートナー株式会社」を設立しました。
新会社は、主に販売会社の管理部門で行う間接業務(バックヤード機能)を集約することで、店舗および販売会社がカスタマーケアとお客様へのブランド体験の提供に集中できる体制を構築。
三浦氏は「この新会社では販売会社の間接部門の業務を集約し、徹底的に効率化することで現場がよりカスタマーケアに集中できる環境作りを行ってまいります。これは効率的に集約することでマツダグループの固定費削減にも貢献できると考えています」と述べています。
※ ※ ※
マツダは「ブランド価値経営を基軸に据えて国内事業を再成長に導く」というビジョンを掲げ、変革を加速させていくとしています。
三浦氏は、米国での成功事例やロシア、台湾、タイでの海外経験を生かし、「販売網強化」と「ブランド強化」の両輪で年間販売20万台の早期実現を目指すると宣言。
今回の構造変革を通じて、マツダはより多くのユーザーに選ばれ続けるブランドになることを目指すといいます。(くるまのニュース編集部)
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みんなのコメント
MAZDA2、cx-3の放置
CX-60を中途半端な完成度で発売してプレミアムブランドからの乗り換えユーザーを失ったことでしょ。
会社の上層部はそれは認めないなねヽ(´o`;