現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ「ヴォクシー」強し? トヨタミニバン3兄弟 各車の個性を合わせて光る強みとは

ここから本文です

なぜ「ヴォクシー」強し? トヨタミニバン3兄弟 各車の個性を合わせて光る強みとは

掲載 更新 18
なぜ「ヴォクシー」強し? トヨタミニバン3兄弟 各車の個性を合わせて光る強みとは

■ヴォクシーの人気が依然強い? いったいなぜなのか

 トヨタは2020年8月現在、ミドルクラスミニバンとして「ヴォクシー」「ノア」「エスクァイア」を販売しています。従来は、販売店ごとに取扱車種が異なっていたものの、2020年5月からトヨタ全店でいずれのモデルも購入することができるようになりました。

ちょ、待てよ! 5m超のエスティマ後継車!? トヨタ「シエナ」がカッコよすぎる

 しかし、全車種併売化がおこなわれたあとも、従来から人気だったヴォクシーが、3車種のなかで依然として販売台数トップだったというのですが、その要因はどのようなものなのでしょうか。

 現行モデルのヴォクシー/ノアは、2014年1月に発売されました。

 パワートレインには2リッターガソリンに加え、1.8リッターガソリン+モーターのハイブリッドシステム「リダクション機構付きTHS II」を採用し、クラストップレベルの低燃費を実現。

 兄弟車ということで外観の違いが最大の特徴ということになりますが、トヨタによるとヴォクシーは「“毒気”のあるカッコよさ」を、ノアは「ミニバンの王道をいく“堂々感”」をそれぞれ表現しているといいます。

 ヴォクシーはトヨタの4チャネルのうちネッツ店で、ノアはカローラ店で取り扱われていました。

 その後、2014年10月にはヴォクシー/ノアの新たな兄弟車として、トヨタ店・トヨペット店扱いのエスクァイアが発売されます。

 エスクァイアは、従来のミドルクラスミニバンにワンランク上の高級感を付与したモデルとして登場。

 外観は、バンパー下部まで伸びる縦基調のフロントグリルをはじめ、ドアハンドルやバックドアにメッキ加飾を施すなど、きらびやかさと存在感を兼ね備えたデザインとしています。価格帯は、ノア/ヴォクシーが同じとしていたのに対し、エスクァイアはやや高めに設定して独自性を出しました。

 そして、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表する販売台数データを見ると、現行モデルが発売された2014年から2019年まで、いずれの年においても3車種のなかでヴォクシーがもっとも売れています。

 3車種のなかでの2位は2015年を除きノアで、反対にエスクァイアは発売翌年の2015年を除き、すべての年で3位となっています。

 そして、全車種全店併売化後の2020年5月から7月のランキングを見ると、いずれの月もヴォクシー、ノア、エスクァイアの順は変わりません。

 つまり、すべての販売店でどの車種でも購入できるようになっても、3車種の人気の傾向は変わらないのです。とくに、装備や価格が同じ「兄弟グレード」まで設定されるヴォクシーとノアでも違いが出るのは、なぜなのでしょうか。

 3車種のミニバンのなかで、ヴォクシーが選ばれる要因について、トヨタの販売店スタッフは次のようにコメントします。

「ヴォクシーとノアをそれぞれ見たときに、どちらも幅広いユーザー層に支持されるミニバンではありますが、ヴォクシーのほうが若年層からも支持されやすいことは違いとしてあります。

 また、ボディデザイン自体の違いだけでなく、カタログや広告などのイメージについてヴォクシーのほうが若々しく、お客さまの印象に残りやすいことは、要因として挙げられるでしょう。

 とくに、テレビCMの反響は大きく、現行モデルでは俳優の柳楽優弥さんや、永山瑛太さん(当時の芸名:瑛太さん)、そして現行より前のモデルでは俳優の反町隆史さんやミュージシャンの布袋寅泰さんが出演されていたCMが放映されていたこともありました。

 あのCMの“カッコいい父親像”に惹かれて車種名を覚え、実際の買い替え時に購入リストに入れる人は多いように感じますね」

 そして、ノアについては「お客さまからの人気について、ヴォクシーと大きな差は無いように感じます。とくに、改良の際に採用されたメッキでギラついたデザインは『カッコいい』と評判です」と話します。

 一方、ヴォクシー/ノアより価格帯がやや高いエスクァイアについては、ほかの2車種と比べて売れ行き好調とはいえないものの、あえてヴォクシー/ノアではなく積極的に選ぶユーザーもいるということです。

 エスクァイアを購入した70代男性に話を聞くと「現在乗っているのがトヨタのミニバンだったので、同じトヨタのミニバンのなかから購入候補を探していましたが、とくにヴォクシーのデザインはかなり若者寄りに感じ、選びづらかったです。結局、70代の自分にも合うと感じた上質で落ち着いた雰囲気のエスクァイアを選びました」と話します。

 既存トヨタ車ユーザーの他社への流出を防ぐ意味でも、エスクァイアがラインナップされる意味はあるといえるでしょう。

■ヴォクシー/ノア/エスクァイアの3兄弟、ほかのミドルクラスミニバンを圧倒?

 自販連が発表する2020年7月の販売台数ラキングにおいて、もっとも販売台数が多いミドルクラスミニバンは日産「セレナ」(販売台数7686台)ですが、兄弟車のくくりで販売台数ランキングを見ると、トヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイア兄弟の好調ぶりがわかります。

 2020年7月において、ヴォクシーの販売台数は5316台、ノアの販売台数は4067台、そしてエスクァイアの販売台数は1909台です。

 これらの合計台数は1万1292台となり、セレナを大きく上回ります。日産はセレナのOEM車としてスズキに「ランディ」を供給していますが、2020年7月の販売台数は自販連のランキング圏外(販売台数497台で50位のレクサス「ES」以下)のため、この情勢に変化はありません。

 ちなみに、ホンダ「ステップワゴン」はノアを下回る3884台という結果となりました。

※ ※ ※

 日産は、他社にない電動パワートレイン「e-POWER」を、セレナ独自の武器としてアピールしています。

 従来からあった「S-HYBRID」(簡易ハイブリッドシステム)に加えてe-POWERが追加されたのは2018年3月ですが、2020年7月には新作のテレビCMも放映。販売面で攻勢を強めています。

 トヨタの販売現場において、プレッシャーはないのでしょうか。前出のトヨタ販売店スタッフは次のようにコメントします。

「日産さんがアピールしているe-POWERは、ハイブリッドシステムの1種です。システムの仕組みの違いはあるものの、ヴォクシー/ノア/エスクァイアにも同じようにハイブリッド仕様があることをお客さまに説明しています。実燃費は、どちらも大差ないと思います」

 現行モデルの登場初期からTHS II仕様をラインナップし、さらに兄弟車として展開することでユーザーの幅広い嗜好に合わせたヴォクシー/ノア/エスクァイアは、隙のないミドルクラスミニバンに仕上がっているといえるでしょう。

こんな記事も読まれています

いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
くるまのニュース
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
ロイヤルエンフィールド「INT650」 ブラックアウトされたエンジンを採用したDarkグレードを追加し発売
バイクのニュース
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
佐藤琢磨が日本人初のインディカーウイナーとして殿堂入り。初優勝の地ロングビーチに記念板が埋め込まれる
AUTOSPORT web
【お出かけ情報】GWは“もてぎ”が熱い!!「働くクルマ大集合‼」など家族で一日楽しめるイベントが盛り沢山!
【お出かけ情報】GWは“もてぎ”が熱い!!「働くクルマ大集合‼」など家族で一日楽しめるイベントが盛り沢山!
carview!
ボルボ EX30【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
ボルボ EX30【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
ヤマハ「XSR900」もマルボロ(っぽい)カラーに! ブラックも新色でXSR900 GPと同時発売
ヤマハ「XSR900」もマルボロ(っぽい)カラーに! ブラックも新色でXSR900 GPと同時発売
WEBヤングマシン
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年4月20日時点
カー・アンド・ドライバー
ホンダが「新型SUV」発表!  トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
ホンダが「新型SUV」発表! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」採用! 斬新デザインがカッコイイ「e:NS2」中国で予約受付開始へ
くるまのニュース
ホンダの“原付二種”スポーツネイキッド「CB125R」に2024年モデル登場! 新設計メーターは視認性抜群!! 新色のブルーがさわやかです
ホンダの“原付二種”スポーツネイキッド「CB125R」に2024年モデル登場! 新設計メーターは視認性抜群!! 新色のブルーがさわやかです
VAGUE
「マジでカッコいい!」トヨタの大型SUV「新型フォーランナー」に高評価の声! 超タフな「次期型ハイラックスサーフ」のデザインに寄せられた反響とは
「マジでカッコいい!」トヨタの大型SUV「新型フォーランナー」に高評価の声! 超タフな「次期型ハイラックスサーフ」のデザインに寄せられた反響とは
くるまのニュース
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
サーキットはもちろん、日常のアシとしても魅力的! 「ヒョンデ・IONIC 5 N」試乗インプレッション
月刊自家用車WEB
スズキ「バーグマンストリート125EX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
スズキ「バーグマンストリート125EX」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
どうせ乗るなら、悪路に強くてカッコいい車がいい! アウトドアカーの代名詞的な三菱 デリカD:5がベースのキャンパー
どうせ乗るなら、悪路に強くてカッコいい車がいい! アウトドアカーの代名詞的な三菱 デリカD:5がベースのキャンパー
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

18件
  • 使い勝手はいいのだろうけど、ミニバンは色々着飾っても所詮ミニバンです。
  • これで念願の3種合算ができるよ。よかったねー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

309.0358.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8632.4万円

中古車を検索
ヴォクシーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

309.0358.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8632.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村