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WTCR:eスポーツ最終戦はホンダのグエリエリ初優勝で有終の美。タイトルはバルディが獲得

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WTCR:eスポーツ最終戦はホンダのグエリエリ初優勝で有終の美。タイトルはバルディが獲得

 5月18日(月)に開催されたWTCR世界ツーリングカー・カップのeスポーツシリーズ『pre-season Esports WTCR』最終戦は、仮想空間で百戦錬磨の技術を誇るプロゲーマー勢に対し、リアルWTCRドライバーのエステバン・グエリエリ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)が一矢報いる展開となり、最終ヒートで初優勝。現役勢唯一の勝利を収め、これまでの失望を取り戻す大団円の結果となった。

 WTCR開幕延長の余暇を埋めるべく、ゲーミングプラットフォームの『RaceRoom』を利用して全4戦で実施されるeスポーツ・シリーズもいよいよ最終戦を迎えた。

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 2019年のチャンピオンシップでもタイトル決定の舞台となったマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで争われた15分間の予選では、ここまでのイベント同様にシムレーサー勢が速さを見せ、Red Bull Racing Esports所属のベンツェ・バーンキ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)がポールポジションを獲得。そのままレース1序盤から隊列を率いる展開となった。

 その背後を固める上位勢もほとんどがプロゲーマー勢となり、25分の決勝でつねに首位争いを演じたゲルゲ・バルディ(ヒュンダイi30 N TCR/M1RA Esports team)は、ファイナルラップで一瞬だけバーンキをかわして首位に躍り出るも、バーンキがすぐさま反応を見せポジションを奪還。そのままチェッカーをくぐる結果となった。

 さらに最後のポディウム・スポットを争ったロシア人の元WTCC世界ツーリングカー選手権経験者キリル・アントノフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR/LADA Sport Rosneft eRacing Team)と、ドイツ出身のタイトルコンテンダーでもあるWilliams Esports所属モリッツ・レーナー(セアト・クプラTCR)がおなじくファイナルラップの最終コーナーまでバトルを繰り広げると、ホームストレートへの立ち上がりを制したアントノフが先行してフィニッシュラインへ。

 続く5位にはバルディのチームメイトであるダビド・ナジー(ヒュンダイi30 N TCR/M1RA Esports team)が入り、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのグエリエリが10位フィニッシュでまたも“ベストリアルレーサー”の称号を獲得。同時に、シリーズ最終ヒートのレース2に向けトップ10リバースグリッドの最前列を手にした。

■レース2ではグエリエリが良いスタートを見せる
 最後の最後で千載一遇のチャンスを得たグエリエリは、レース2のスタートから盤石のダッシュを見せ、すぐさまギャップを拡大。

 ターン1ではアダム・ピンチェス(セアト・クプラTCR/Triple A Esports)のアタックを退け、その後はWilliams Esportsのニコデム・ウィスニウスキー(ヒュンダイi30 N TCR)や、その僚友クバ・ブレジンスキー(Lynk&Co 03 TCR)らのプレッシャーにもさらされ続けたものの、前戦寧波のようなアクシデントを回避して25分12周の決勝を走破。念願のヴァーチャル空間初勝利を手にした。

「昨年末にセパンを走ったばかりでまだ時間が経っていないし、そのときは(レース2で)優勝してもいたからね。でもその勝利では逆転チャンピオン獲得にあと少しだけ届かなくて、苦い思い出にもなっている。だから今回の勝利がALL-INKL.COMとホンダに対するわずかばかりの贈り物になったと思うよ」と、eシリーズ初勝利の喜びを語ったグエリエリ。

「確かに現実とは違うし、本物の勝利とは異なるものだけど、僕が要した集中力や努力と献身、そして戦いの精神は本物だった。だからこそ、メカニックのみんなやホンダのスタッフがいなくても、この勝利を共有したかったんだ」

「実際のレースではブレジンスキーからプレスを受け続けていて、彼にはスリップストリームを使われたくなかったから全ラップ、ノーミスの全開アタックを続けてプッシュする必要があった。とても面白くて良いショーだったし、これをまとめてくれたWTCRのオーガナイザーにも感謝したい」

 一方、タイトル争いを繰り広げたレーナーとバルディだが、レーナーのセアトがライバルに先行し6位でチェッカーを受けたものの、ヒュンダイのバルディは8位に踏みとどまり、記念すべき『pre-season Esports WTCR』初代チャンピオンを獲得している。

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