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モデューロXの開発者とオーナーが群サイに集う、熱意が詰まった10周年記念イベント

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モデューロXの開発者とオーナーが群サイに集う、熱意が詰まった10周年記念イベント

9月18日、群馬サイクルスポーツセンターで「Modulo Xシリーズ 10周年記念オーナーズミーティングin群サイ」が開催された。モデューロXは、ホンダアクセスが手がけるホンダ純正コンプリートカー。その発売10周年にあたり、モデューロXの開発テストにも用いられる群サイを舞台にしたイベントには、北は北海道、南は長崎から175台のモデューロXと323名の来場者が参加した。

◆「限界速度が高いだけのクルマがいいクルマじゃない」
来場者に話を聞くと、モデューロX関連のイベントは初参加という声も多く聞かれた。今春に都内で開催された「Modulo X シリーズ10周年記念モーニングクルーズ」では抽選に漏れた参加希望者も多く、モデューロXの開発アドバイザーを務める土屋圭市氏が「すべての『モデューロX仲間』が集まれるようなイベントを開催したい」と語っていたが、今回はそれに近い形での開催が実現したと言えるだろう。

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開会式には、土屋氏をはじめ、レーシングドライバーでホンダ純正アクセサリーアンバサダーの大津弘樹氏、開発統括の福田正剛氏、完成車性能担当の湯沢峰司氏が登壇。続いて、フリーアナウンサーのピエール北川氏とカーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子氏の司会で、モデューロX開発に関するトークショーが行われた。

モデューロXの目指すものを問われた土屋氏は「1ランク上のホンダ車」だと表現する。「ホンダにはこれだけの技術があるというところを見せようよ、というコンセプトで始まって、ベース車は100km/hでアンダーやオーバーが出るのだとしたら、120km/hでなにごともなく走れるクルマを目指そう、というのが目標。限界速度が高いだけのクルマがいいクルマじゃないからね」。そして、スポーツモデルではなく、同乗者も快適なクルマというのもモデューロXのテーマ。湯沢氏は「土屋さんをテストコースにお呼びすると、運転席ではなくリアシートに座るんですよね。それで走ってくると、これじゃコーヒーも飲めねぇよ、ってダメ出しされました」と語る。

福田氏は、その後のテストの進み方について述べた。「周回しているうちに土屋さんがどんどんシートを倒していくんですよ。それで言うんです。子供だって乗るだろ?頭が揺れたらどうなるんだ?って」。そうして、後席の乗り心地に納得してはじめて、土屋氏自らテストドライブを行うと言う。その成果を、『フリード モデューロX』を所有する大津氏は実感しているとか。「6月に生まれた子供が、走り出すとすぐ眠ってくれるんです。だから、夜中にぐずった時には赤ちゃんを連れてドライブしてます」

◆オーナーが語るモデューロXの魅力
ユーザーからも、その運転しやすさや乗り心地に満足の声が多く聞かれた。ご家族3人で『N-BOX』を2台と『N-ONE』を1台ずつ所有する石井さん御一家は、大型犬を乗せたり、ルーフに自転車を積んだりと、それぞれの楽しみ方をする中で、安定した走りを体感。奥様は「ブレないので、犬の脚に負担がかからないんです。もう、このクルマ以外乗れないですね」という惚れ込みようだ。

『ステップワゴン』のあしかがさん御一家は、ノーマルのステップワゴンから乗り換え。土屋氏のYouTubeを観て購入を決断したという。ご夫婦で運転するというが、通勤で使うという奥様は「山道を走ってもラクチン」とのこと。モデューロXの所有はこのクルマがはじめてだが、買い替えを考える頃に新型が出ていることを期待したいと語る。

フリードのモリードXさんご夫妻は、フリードスパイクからの乗り換え。以前から興味を持っており、マイナーチェンジのタイミングで購入を検討したという。「土屋さんが開発された走りはミニバンとは思えず、どこを走っても楽しい」というご主人と、「長距離でも楽で酔わない」という奥様は、ともに大満足。また、発売初期にのみ設定されたボディカラーのミッドナイトブルービームメタリックもお気に入りだそうだ。

大阪から来場したY.Mさんの『S660 バージョンZ』は、磁石式リアキャリアが来場者から大注目。さらにエアロやカスタムペイント、エンジンチューンや車高調キット装着など、気合の入ったモディファイも。ノーマルのN-BOXも所有しているが「エアサスを入れたりしています」とのことで、ホンダ車のカスタマイズを満喫しているそうだ。

これら参加車両が並ぶミーティングエリアでは、土屋氏や大津氏、福田氏、北川氏が1台1台を見て回り、参加者とのコミュニケーションを図る時間も設けられた。

◆「群サイTAXI」「実効空力デバイス試乗」などのコンテンツも
また、群サイのコースを活かしたコンテンツも用意。同乗走行の「群サイTAXI」では、モデューロXを鍛え上げたコースを開発者や土屋氏、大津氏のドライブで体験した。テストは鷹栖プルービンググラウンドでも行うが、より公道に近い路面での走りを確認するのは群サイ。福田氏によれば、その際に視線を追うアイトラッキングをつけて走行したこともあるのだとか。「若い開発スタッフに運転させると、視線が遠くへ向くようになるんです。安心して走れるとか、楽に走れるということを、モデューロXが助けてくれるというのが、そこからわかりました。でも、それよりはるかに速く走る土屋さんは、ボンネットの先あたりを見ていて、コーナーに合わせて視線を左右にスーッと動かして、路肩を素早く確かめているんですよ。あれは神業だと思いましたね」

興味深かったのは「実効空力デバイス試乗」。純正アクセサリーにも使用されるシェブロン形状のパーツを脱着式とし、N-BOXで乗り比べるものだ。参加者に話を聞くと、走り出した瞬間にわかるほど違いがあり、車体の安定感や静粛性の向上が実感できるという。湯沢氏によれば「高速道路が怖かった奥さんが、遠くのアウトレットまで運転できるようになった、というお客様もいらっしゃいました」とのことだ。土屋氏は実効空力を「なんとなくよく曲がる、でいいんだよ」という。これは「曲げるために4つのタイヤを使い、アンジュレーションがあってもサスがしっかり動くことによる安心感を、空力で出しているんです」と湯沢氏は説明している。

この実効空力の効果を、ボディ補強で再現しようとした実験車両も展示。タイヤとサスの性能を最大限引き出し、運転しやすさを追求するため、ベースとなったフィットにはじつに100本以上の補強材を追加している。さらに興味深いのが、理想の乗り心地のベンチマークとして、助手席に80年代のドイツ車のシートが設置されていたこと。会場には、この実験に携わったメンバーをはじめとする開発スタッフも常駐し、ユーザーの質問や意見に耳を傾けていた。

閉会式では、福田氏がこの9月で定年を迎え、モデューロXの開発から身を引くことを発表。来場者からは驚きの声も上がったが、バトンを託された湯沢氏が涙する場面では万雷の拍手が送られた。「志を持ったメンバーとともに、新しいものや面白いもの、エッと驚くようなものを提供していきたいです」と決意を述べる湯沢氏に、この10年で培われたモデューロXイズムが継承されることを信じつつ、参加者はコースを1周するパレードランを楽しんで、群サイを後にした。

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