今回は、フリーランスエディター・ライターの藤野太一氏が注目している中古車モデルを紹介してもらった。ぜひ、中古車選びの参考にしてほしい。
これほどまでにこだわったEVハッチは今後出ないかも?
BMWというと、M440iといったように、モデル名に「i」=「injection(噴射)」を使用し、“駆けぬける歓び”というキャッチフレーズ掲げ、いかにも内燃エンジンメーカーのイメージが強い。しかし、その実は、他社に先駆け「Born Electric(ボーン・エレクトリック)」というコンセプトのもと、新ブランドのBMW 「i」を立ち上げた電動化先進メーカーでもある。
BMWは、1973年には自動車メーカーとして初めてサステイナビリティ&環境保護部門を設立。製造工程におけるCO2排出量の低減の他、バリュー・チェーン全体を通じて持続可能性を追求し、ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス(DJSI)では幾度も自動車部門トップに選出された。世界で最もサステイナブルな自動車メーカーに認定されるなど、環境保全への取り組みは高く評価されている。
そうして2013年にデビューしたのが、BMWグループとして初の量産ピュアEVであるi3だ。BMW iシリーズの生産はドイツのライプチヒ工場で行われてきたが、使用する電力を敷地内の設置された大きな風力タービンによる風力発電で賄うなど、世界に先駆けたサステイナブルな生産プラントとして知られている。
i3は基本骨格に“ライフ・モジュール”と呼ばれるカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製のパッセンジャーセルを採用。これに、アルミダイキャスト製フレームを介してドライブ・モジュールと結合するという、非常に凝った車体構造をしている。高剛性なCFRPモノコックゆえドアは観音開きを採用することが可能で、またバッテリー重量のかさむEVでありながらベースモデルの車両重量は1320kgととても軽量におさまっている。
インテリアには、リサイクルポリエステル素材や、オリーブの葉から抽出した油でなめし加工を施したレザー、天然のユーカリ材など、天然素材や再生可能な原料を使用。標準装着するブリヂストン製のタイヤ「オロジック」は、その細い見た目から単なる低燃費仕様と思われがちだが、実はF1用のタイヤを手がけていた技術者たちが最小の接地面積で最大のグリップ力を発揮することを目指し開発したものだった。 少々ファニーな面持ちから、そうは見えないかもしれないが、i3はこのようにBMWのこだわりが凝縮されたモデルだ。ラインナップは、ピュアEVモデルと発電用の650cc 2気筒エンジンを搭載する「レンジエクステンダー(REX)」が設定されており、日本で売れているのはほぼ後者。当然、中古車流通シェアも同様だ。登場から2度にわたってマイナーチェンジが実施され、当初は22.6kWhだったバッテリーの総エネルギー量は、2019年のマイナーチェンジで42.2kWhとほぼ倍になった。これにより最新モデルの1充電走行距(WLTCモード)は360km、REXでは466kmに到達する。ピュアEVでは不安という人も、REXであれば安心。いざとなれば発電用のエンジンを始動して約100km分の電気を賄えるので電欠の心配もいらない。
走行フィーリングは、いかにもBMWらしくスポーティなもの。リアアクスルの上に電気モーターを配した後輪駆動方式で前後重量配分は50:50を実現。モーターの最大出力170ps、最大トルク250N・mを発揮。0→100 km/h加速は7.3秒で、EVならではのワンペダルフィーリングが味わえる。
実は欧州では、数年前からレンジエクステンダーの販売が終了し、ピュアEVのみのラインアップとなっていた。またiシリーズは、すでにiXをはじめiX3、i4といった最新世代の導入が始まっており、i8に続きi3も近いうちに生産中止が予想される。
この数年、ずっとi3のことが気になっていて、ことあるごとにカーセンサーEDGE.netで検索している。個人的には、2019年式以降の程度のいい物件狙いで注目しているが、明らかにタマ数が減ってきている。おそらくもう、これほどこだわりの詰まったモデルは出てこないと思う。実に悩ましい。 BMW i3の中古車を探す▼検索条件BMW i3 × 全国文/藤野太一、写真/BMW AG
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みんなのコメント
駆動バッテリーの劣化交換に300万~400万かかると聞き諦めました。
本国では半額以下でできるようです。
バッテリー問題を解決しないと愛着を持って乗り続ける車種には至りませんね。
乗り換えを促す
古い思考のBMWはオワコン