サウジアラビアで開催された2021年のダカールラリーの4輪部門は、ステファン・ペテランセル(X-raid Mini)が、バイクと合わせて自身14度目となる総合優勝を果たして幕を下ろした。過去3度の優勝経験があるナッサー・アル-アティヤ(トヨタ)は、X-raid Miniのジョン・クーパー・ワークス・バギーに2年連続で敗れる形となった。
ここ数年間のダカールラリーを振り返ってみると、4輪駆動車よりも2輪駆動のバギーが強さを発揮している。2021年を含む直近6年間で4輪駆動車が優勝した例は、2019年にトヨタ・ハイラックスで勝利したアル-アティヤのみとなっている。
■ダカールラリー、4輪部門はペテランセルが優勝。2輪合わせ前人未到14度目の制覇
アル-アティヤはこれまでにも、2輪駆動のバギーが幅を利かせる現状への不満を口にしており、先日もmotorsport.comに対して、現在のルールが「バギーに有利すぎる」とコメントしていた。
最終ステージが終了した後、失意のアル-アティヤはmotorsport.comに対し、主催者が車種間の差を縮めるようなルールにしない限り、トヨタがX-raid Miniのバギーに勝つことは不可能だと口にした。
「自分たちがしたことには満足しているよ」とアル-アティヤは言う。
「僕も、コ・ドライバーも、チームもミスなくハードに仕事をした。ただ他に何ができる? バギーと戦って負けるのは2年連続になる。公平なルールが必要だ」
「どれだけプッシュしようとも、スピードだけでは差を縮められない。これまでにも過去5年間で4回バギーが4WDに勝っている。これはルールが彼らに有利なものになっていたからだ。オーガナイザーにはこれを変更して欲しいし、そうならない限りはここに来ようとは思わないよ」
「バギーのどこが優れていて、4WDのどこが優れているかという問題ではない。ルールが公平ではない、それだけだ。ホイールだけではなく、色々なところに原因がある」
「(直近6年間で)プジョーが3回、ミニが2回優勝している。非常に強いんだ。僕たちは4WDで戦っていて、何度もパンクに見舞われるけど、一方バギーはと言うと……。どのメーカーが、という話ではないんだ」
FIAはトヨタのロビー活動を受けて、2021年のダカールラリーにおけるT1クラス(トヨタ・ハイラックス、X-raid Miniのバギーがこれに含まれる)の最高速度を時速180kmに制限した。ただ、バギーの方がホイール幅がやや広く、4輪駆動車では禁止されているインフレーション・デフレーション・システム(タイヤの空気圧をコックピットからコントロールできるシステム)が使用できる。さらにサスペンションの可動量もバギーの方が大きい。
レギュレーションのどの部分を変えて欲しいかと尋ねられたアル-アティヤはこう答えた。
「まずタイヤの話から始める必要がある。僕たちのチームは3台のマシンで計106回もパンクがあった。このデータが全てを物語っている。ルールに関して、僕はトヨタやチームを代表して何かを言うことはできないけど、彼らはそのことに取り組んでいる」
「タイヤの寸法を考えてみてほしい(4WDの方がバギーよりもタイヤの直径が13cm大きい)。4WDのタイヤのサイドウォールの方が大きいということは、それだけ空気の量も多い。本来なら岩だらけのコンディションにも耐えられるはずなんだ」
そんな中、世界ラリー選手権(WRC)のセーフティディレクターを務めるFIAのユッタ・クラインシュミットは、今回のダカールラリーの全日程に立ち会い、その中で「我々は4WDとバギーの間に大きな差があることは十分承知している。我々は公平な規則を望んでおり、そのトピックは既に議題となっている」とコメント。2022年に向けての規則是正を保証した。
このような状況は、トヨタの将来的なダカールへのエントリーにも影響を与えるのではないか? トヨタの車両を使うオーバードライブのチーム代表、ジャン・マルク・フォルティはそう尋ねられ、次のように語った。
「確かにそれはモチベーションを失うことに繋がる。これは我々が望んでいる状況ではない」
「レギュレーションを変えようという意思はあるようだし、少なくともタイヤが新しくなる可能性がある。ASO(主催者)とFIAとの話し合いはすぐ始まるだろうが、(タイヤサプライヤーの)BFグッドリッチは空気の容量が限界に達していることを理由に、タイヤのサイズを大きくするよう既に要求している」
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みんなのコメント
変えても欧州車有利は変わらない程度の微調整しかしない
F1でもそうだったでしょ?
FIAの会長さんが『F1にイエローは要らない』ってハッキリ言っちゃうんだから。
モータースポーツは欧州貴族の物から今は欧米自動車企業のビジネスツールに変遷していて、日本車は邪魔でしかないのです。
そこに挑戦する日本メーカーはそれを承知していると思いますが、あまりにも見ていて不公平だと応援する気もうせてしまいます。
MAZDAをルマン優勝に導いた大橋さんのようなタフネゴシエーターが日本のメーカーには必要です