現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 前半戦で3連勝も記録した好調ベルが、ロガーノを撃破し“祭典”初優勝/NASCARオールスター

ここから本文です

前半戦で3連勝も記録した好調ベルが、ロガーノを撃破し“祭典”初優勝/NASCARオールスター

掲載 更新
前半戦で3連勝も記録した好調ベルが、ロガーノを撃破し“祭典”初優勝/NASCARオールスター

 伝統に彩られたノースウィルクスボロ・スピードウェイで開催されたNASCARカップシリーズ、年間折り返しの“祭典”こと『NASCARオールスター・レース』は、レース最多の139周をリードした昨年度覇者ジョーイ・ロガーノ(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)を撃破し、フロントロウ発進だったクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)がイベント初優勝。今季前半戦で破竹の3連勝も記録した好調さを披露し、決勝終盤でドリフト状態からの“サイド・バイ・サイド・バトル”を制している。

 前週のカンザスで争われた第12戦『アドベントヘルス400』にて、決勝2位を記録したベルとは対照的に、予選でフロントロウを獲得していたクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)には、週末のお祭り気分に水を差す事態が発生。

第109回インディ500のエントリーリストが発表。ウイナー8人、チャンピオン5人を含む全34人が名を連ねる

 前戦にてRFKの17号車はフロントバンパーカバーの補強のため、許可された接着エリアを越えたとしてペナルティを受け、ブッシャーとチームは60ポイントとプレーオフポイント5ポイントを剥奪されることに。この結果、クルーチーフのスコット・グレイブスも2戦の出場停止処分を受け、指揮官不在のままノーポイントのオールスターを戦うこととなった。

 このペナルティに異議を申し立てるかどうか。週末の走行を前に「まだ検討中で、申請の期限まで組織として社内ですべてを評価し、最善の対処に向け検討を尽くす」としていたチーム共同オーナーでもあるブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)は、その走行開始から意地の快走を披露することに。

 タイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)が最速となった合同プラクティスや、初のカップ戦フルシーズンに挑んでいるシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トラックハウス・レーシング・チーム/シボレー・カマロ)が『オールスター・オープン』のポールポジションを射止めるなか、ピットクルーチャレンジを含む金曜夜の本戦向け予選でトップに立ち、この時点でメインイベントのスタートポジションを確定させた唯一のドライバーとなった。

「本当に最高だよ! オールスターレースでポールポジションを獲得するなんて、今まで一度もやったことがない。キャリアで初めての経験のひとつだ」と喜びを爆発させたケセロウスキー。

「これほどの大差でそれを達成できたのは、チーム全体の努力の賜物だ。クルーの皆が、僕に最高のマシンと最高のピットストップを与えてくれて『さあ、始めよう』と言ってくれたんだ。そこで僕もラップを完璧にこなしたよ。今年初のポールポジション獲得だし、気分は最高さ」

 続く土曜夜に開催されたヒートレースでも、ケセロウスキーが最初のヒートで勝利を飾り、賞金総額100万ドル(約1億5000万円)の日曜最終レースに向け勢いを増すことになり、ふたつめのヒートではベルが優勝し、本戦のフロントロウに並ぶことに。

 そして日曜午前の“最終選考”とも言える『オールスター・オープン』では、同じく前半戦好調のカーソン・ホセヴァー(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)と、ジョン・ハンター・ネメチェク(レガシー・モーター・クラブ/トヨタ・カムリXSE)が上位2台に入ってメインイベントへの進出を決め、ノア・グラグソン(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)はパワーステアリングのトラブルで18台中17位に終わったものの、ファン投票で3年連続最優秀ドライバーに選出された。

 シリーズ生誕の地でもある0.625マイルのショートトラックで迎えた23台による勝負は、この1戦に向け準備された“プロモーターズ・コーション”が勝負の分かれ目に。この日、2列目4番手からスタートしていたロガーノは、そこまで隊列を率いた流れを滞らせまいと、215周目の同イエローの際にステイアウトを選択。これが裏目に出てしまう。

 このコーション中にアウト側2本のタイヤを交換し、コースに留まった5台の後ろ6番手から223周目にリスタートを切ったベルは、すぐさまロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング・チーム/シボレー・カマロ)をパスして2番手へと浮上。そのまま22号車ロガーノのテールに迫る。

 そして250周レースの241周目。ボトムへとダイブしたベルの20号車は、サイドパネルを擦り付けるようにして並走ドリフトへ持ち込むと、そのままスルスルと立ち上がりで前へ出ることに成功。決定的なオーバーテイクを実現させて0.744秒差でトップチェッカーをくぐり、トヨタ陣営として2017年のカイル・ブッシュ以来となるオールスター制覇を成し遂げた。

「どうだ? ノースウィルクスボロ! まさに信じられない、今季最高のショートトラックだよ」と、バーンアウトの白煙が残る中で喜びの雄叫びを挙げた勝者ベル。

「本当に素晴らしいレースで、トップ争いにはたくさんのドライバーが参加して2ワイド、3ワイドで争っていた。ここでレースをするのは本当に楽しいし、彼ら(20号車のクルー)はこのマシンで本当に素晴らしい仕事をしてくれた。レース前に彼らに伝えたのは、これは久しぶりの最高のマシンだということさ」

 一方、ステイアウト戦略により最後の勝負で右側タイヤの状態が劣ったロガーノは「その差を埋めるには、あまりにも大変だった」と憤った。

「本当に怒っているよ。チクショウ、俺たちが一番速いマシンを持っていたんだ。コーションの状況については、適切な言葉を選んでいるつもりだ。もちろん、その影響を受けたからイライラしているのはコチラだが……コーションには、ゴマカしは一切いらない。そのとおりだ。ちょっと(プロモーターズ・コーション導入を決断した)マーカス・スミスとは意見が合わないんだ。いいか? 彼と話さないといけない」と、オールスター連覇目前で敗戦を喫したロガーノ。

「彼(ベル)を抑えられると思ったが、20号車はリスタートがうまくいって、あまりにも多くの障害をあまりにも早くクリアしてしまった。彼を止めるために全力を尽くしたのに、彼は僕のボトムに潜り込んでブレーキを離し、僕に選択肢を与えなかったんだ……。まるで壁にぶつけてしまったみたいに、マシンをふたたび(トップスピードで)走らせるのに6~7周かかった。何周もリードしていてマシンが速かったのに、勝てなかったのは本当に悔しいし、本当に辛い……」

 その当事者であるベルも、置かれた状況から首位を攻め立てるしか選択肢がなかったと、切迫した心境だったことを認めた。

「彼は僕を後ろにつけておくのに素晴らしい仕事をしていた。ターン4を抜けた瞬間『よし、もう少しアグレッシブに走らなきゃ』って思ったんだ。だから彼に頼ってポジションを崩した。リードを奪ったらタイヤのアドバンテージが活き、クルージングできると感じた。そして、そのとおりにうまくいったよ」

 併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第10戦『ウインドウ・ワールド250』は、僚友レイン・リッグス(フロントロウ・モータースポーツ/フォードF-150)がコーリー・ハイム(トライコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRD-Pro)と絡み、そこをすり抜けてトップに立ったチャンドラー・スミス(フロントロウ・モータースポーツ/フォードF-150)がショートトラックでの初勝利で、今季2勝目を手にしている。

https://youtu.be/po9oe8WzVNo

[オートスポーツweb 2025年05月20日]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

大排気量「V8」搭載の「“2人乗り”オープンカー」! シボレー新「コルベット Z06 コンバーチブル」発表! 600馬力超え「高性能モデル」に待望の「電動ハードトップモデル」登場
大排気量「V8」搭載の「“2人乗り”オープンカー」! シボレー新「コルベット Z06 コンバーチブル」発表! 600馬力超え「高性能モデル」に待望の「電動ハードトップモデル」登場
くるまのニュース
【トライアンフ】5/18開催のチャリティライドイベント「DGR」に過去最多12万7,000人が参加・760万米ドルの寄付が集まる
【トライアンフ】5/18開催のチャリティライドイベント「DGR」に過去最多12万7,000人が参加・760万米ドルの寄付が集まる
バイクブロス
RPM からカワサキ ZEPHYR400x用フルエキゾーストマフラー「RPM-4in2in1」が6/10発売!
RPM からカワサキ ZEPHYR400x用フルエキゾーストマフラー「RPM-4in2in1」が6/10発売!
バイクブロス
「ダークが似合う」新型ハリアーが話題に、特別仕様「ナイトシェード」のシリーズ化に期待の声も
「ダークが似合う」新型ハリアーが話題に、特別仕様「ナイトシェード」のシリーズ化に期待の声も
レスポンス
マツダの斬新「4ドア“クーペセダン”」に反響多数「一番好き!」「圧倒的な完成度」「絶対的な美しさ」と絶賛の声! 海外でも高評価の“流麗・黄金比ボディ”&豪華“レザー&木目”インテリアで「直6+FR」採用の「VISION COUPE」コンセプトが話題に
マツダの斬新「4ドア“クーペセダン”」に反響多数「一番好き!」「圧倒的な完成度」「絶対的な美しさ」と絶賛の声! 海外でも高評価の“流麗・黄金比ボディ”&豪華“レザー&木目”インテリアで「直6+FR」採用の「VISION COUPE」コンセプトが話題に
くるまのニュース
圧倒的な高級感!! 大人気SUVのトヨタ ハリアーが爆ウレするのも納得な件
圧倒的な高級感!! 大人気SUVのトヨタ ハリアーが爆ウレするのも納得な件
ベストカーWeb
マイチェン後『GRカローラ』の吸入効率アップ! ブリッツ「サクションキット」を発売
マイチェン後『GRカローラ』の吸入効率アップ! ブリッツ「サクションキット」を発売
レスポンス
ナイキが韓国のファッションデザイナー、ヘイン・ソとのコラボレーションスニーカーを発売!──GQ新着スニーカー
ナイキが韓国のファッションデザイナー、ヘイン・ソとのコラボレーションスニーカーを発売!──GQ新着スニーカー
GQ JAPAN
フィニッシュ後のセーフティカー規則に7人が違反、警告処分を受ける
フィニッシュ後のセーフティカー規則に7人が違反、警告処分を受ける
AUTOSPORT web
運転が上手くなるクルマには条件がある! 走り屋志望のお金がない若者はコレに乗れ!!
運転が上手くなるクルマには条件がある! 走り屋志望のお金がない若者はコレに乗れ!!
WEB CARTOP
ホンダ、鈴鹿8耐ファクトリーチームにMotoGPのヨハン・ザルコを起用! 高橋巧と再びチーム組む。3人目は後日発表へ
ホンダ、鈴鹿8耐ファクトリーチームにMotoGPのヨハン・ザルコを起用! 高橋巧と再びチーム組む。3人目は後日発表へ
motorsport.com 日本版
仕事とリフレッシュを求める現代人に最適!? 高田馬場駅から徒歩5分 約30名収容可能な大型サウナを完備した「馬場サウナ&ワークカフェ」とは
仕事とリフレッシュを求める現代人に最適!? 高田馬場駅から徒歩5分 約30名収容可能な大型サウナを完備した「馬場サウナ&ワークカフェ」とは
VAGUE
【米国】トヨタ斬新「ランドクルーザー」が話題に! 旧車デザイン採用の「オープン仕様」に「カッコイイ」の声も! 豪華オレンジ内装も良すぎる「ROX」とは
【米国】トヨタ斬新「ランドクルーザー」が話題に! 旧車デザイン採用の「オープン仕様」に「カッコイイ」の声も! 豪華オレンジ内装も良すぎる「ROX」とは
くるまのニュース
フェルスタッペン、カナダ2位に「チームとして良い仕事ができた」しかしタイトル争うにはペース不足?
フェルスタッペン、カナダ2位に「チームとして良い仕事ができた」しかしタイトル争うにはペース不足?
motorsport.com 日本版
ランボルギーニと「バレンシアガ」が奇跡のコラボ! 2025年秋コレクションに注目せよ!
ランボルギーニと「バレンシアガ」が奇跡のコラボ! 2025年秋コレクションに注目せよ!
くるくら
【ダイハツ ムーヴ 新型】スライドドア採用にカスタム廃止、大胆進化のムーヴ「四角く見せたくなかった」動きのデザインとは
【ダイハツ ムーヴ 新型】スライドドア採用にカスタム廃止、大胆進化のムーヴ「四角く見せたくなかった」動きのデザインとは
レスポンス
「大阪城」から「大阪・関西万博」へ「ブロンプトン」オールラインアップ試乗!! アストンマーティンに喩えるとしたら…? 旅にオススメの1台とは
「大阪城」から「大阪・関西万博」へ「ブロンプトン」オールラインアップ試乗!! アストンマーティンに喩えるとしたら…? 旅にオススメの1台とは
Auto Messe Web
18歳アントネッリが初表彰台! マクラーレン抑える立派な走りに父も感無量「“F1の洗礼”を見事に乗り越えた」
18歳アントネッリが初表彰台! マクラーレン抑える立派な走りに父も感無量「“F1の洗礼”を見事に乗り越えた」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村