「新車ワンオーナーのボルボ360GLEとかレア度はツチノコ級!」 生い立ちからしてマニアック過ぎる帝人ボルボ時代の珍作【ManiaxCars】
2020/10/04 15:00 web option 8
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ボルボ変態モデルの法則”車名が120の倍数はヤバイ”
欧州車っぽさがまるで無い国籍不明感がたまらない!
「新車ワンオーナーのボルボ360GLEとかレア度はツチノコ級!」 生い立ちからしてマニアック過ぎる帝人ボルボ時代の珍作【ManiaxCars】
スウェーデンを代表する自動車メーカー、ボルボ。スカンジナビアンテイストなどと言って日本ではすっかり“シャレオツな輸入車”の仲間入りをしているが、過去を振り返れば思わず赤面の変態グルマも存在した。その代表格が今回取材した360GLEだ。
ボルボ360GLE自体、多分5年に一度見かけるかどうかの超希少種なのに、取材車両は新車1オーナーで乗り続けられている、おそらく日本で最後の1台という噂。本来なら、カー●ラフィック誌あたりで丁重に取り扱うべき個体なのに、WEB OPTIONのネタになってしまうなんて運の尽きだと思って諦めてもらうしかない。
初めて実車をまじまじと眺めることができたが、まず全長に対して短いホイールベースとやたら長い前後オーバーハングのアンバランスさが最高。 破綻したディメンションにゾクゾクしまくりだ。
それと直線基調の味気ないデザインもソソられるポイント。フロントグリルに入るナナメのラインでかろうじてボルボってことが分かるけれど、それがなかったら「これ、ヒュンダイポニーII?」と思ったとしても、誰も責められない。
次はいつ遭遇できるか分からないクルマだけに、細部まで入念にチェック。そこで目を疑った。ヤバイよコレ、実用車なのにリヤサスがド・ディオン式だ…。この形式は左右後輪が1本のアクスルで固定されながら、デフキャリアはフロア(モノコック)側に備わるというシステム。バネ下重量を軽減しながら、リジッド式のようにサスストロークに伴う対地キャンバーを一定に保てるサス形式だ。
ケータハムスーパーセブンやアルファ75などスポーツモデルに採用されるケースはあるが、なぜ実用車のボルボ360に…? しかも、スプリングが今では商用車でも見かけないリーフ式という、メカフェチなら1日中眺めてても飽きない変態的かつ独創的な構造なのである。
ボンネットは前ヒンジの逆アリゲーター式。手前の大きなタンク状のものがエアクリーナーボックスで、エアフロはおそらくフラップ式だと思われる。ブレーキマスターシリンダーとEXマニが接近しすぎ! 申し訳程度の遮熱板が設けられているが、どれくらい効果があるのかは不明だ。
ダッシュボードは直線基調のデザイン。メーターは200km/hフルスケールのスピードと5500rpmからレッドゾーンが始まるタコメーター、その両脇に水温計と燃料計が配置される。また、各種ワーニングランプが横一列に並ぶなど、デザインよりも機能を優先した跡がうかがえる。
上からエアコン吹き出し口&ハザードスイッチ、マニュアルエアコン操作パネル、純正と思しきカセット付きAM/FMチューナー、アナログ式時計&灰皿&シガーソケットが並ぶセンターコンソール。エアコン操作パネルは740系も同じだったような曖昧な記憶がある。
スポーティモデルでもないのに、ミッションはなぜか5速MTのみの設定。1速の左にリバースギヤが配置され、シフトミスを防ぐため、プルレバーを引き上げないとリバースギヤをセレクトできない。ここだけはゲトラグ製6速MTみたいでカッコ良い!
ホイールハウスが食い込んでくるため、全体的に左にオフセットしたペダル類。この年代、右ハンドル仕様の輸入車でよく見られた傾向だ。新品状態と言っても差しつかえない純正フロアマットはマニア垂涎のアイテム。
サイドミラーの角度調整は手動式。ヨーロッパ車の場合、手の届かない助手席側は電動調整式のことが多いのだけど、360GLEは両方とも手動式だったりする。
やわらかめのクッションが身体を包み込むフロントシート。シートカバーは当時のディーラーオプション品だ。リクライニングは無段階調整式で、腰部の張り具合を調整できるランバーサポートも装備する。リヤシートはセンターアームレストが付くが、ヘッドレストは装備されないようだ。
厚みのあるパネルを組み合わせたドアキャッチ部。ボディパネル自体の素材も違うのだ、ヒンジやキャッチの作りによって重厚感のあるドアの開閉を実現している。
ボディサイズを考えると十分に広いトランクルーム。左右ヒンジ部に取り付けられたスプリングが開閉をアシストする。スプリングの取り付け位置を変えることでアシスト量の変更も可能だ。
ホイールはセンターキャップ付きの純正鉄ちん。タイヤは標準175/70-13サイズのブリヂストンスニーカーが組み合わされる。
今回の原稿を書くにあたって、色々と調べているうちに気づいてしまったボルボの真実。それは「変態モデルは120の倍数」が車名に付いていること。
120=旧態然としたスタイルのアマゾン、240=全く速そうに見えないのに“フライングブリック(空飛ぶレンガ)”と呼ばれ、ETCやインターTECで大活躍、360=今回の取材車両、480=3ドアハッチボディにリトラクタブルライトを持つアコードエアロデッキのなりそこないみたいなモデル、960=ロングボディのリムジンが存在…。これはもはや、ボルボの確信犯的な仕業としか思えない(笑)。
■SPECIFICATIONS
車両型式:3B200
全長×全幅×全高:4435×1685×1420mm
ホイールベース:2400mm
トレッド(F/R)1380/1405mm
車両重量:1130kg
エンジン型式:B200
エンジン形式:直4SOHC
ボア×ストローク:φ88.9×80.0mm
排気量:1996cc 圧縮比:9.2:1
最高出力:110ps/5700rpm
最大トルク:16.1kgm/4200rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション形式(F/R):ストラット/ド・ディオン
ブレーキ(F/R):ディスク/ドラム
タイヤサイズ(F/R):175/70-13
●TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
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