愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第22回の前編。俳優の萬田久子さんが、これまで乗り継いだクルマとのエピソードを語る! 久しぶりに対面した、かつて所有した愛車の印象について訊いた。
運転できなかったスプリンター
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萬田久子さんが初めてクルマを手に入れた経緯は、なかなかレアなケースだ。
「1978年にミス・ユニバースの日本代表になったんです。19歳の大学生のときでした。その時の賞品が(トヨタの)『スプリンタークーペ1300DX』でした。私は当時、クルマに全然興味がなかったうえに、まだ免許も持っていなくて……その後すぐに大阪の実家を離れて上京してしまったので、せっかくいただいたのに自分で運転する機会はありませんでした」
賞品のスプリンターは1974年4月に発売された3代目。姉妹車の「カローラ」よりやや上級かつスポーティに設定していたのが特徴だった。ちなみにクーペは、セダンがカローラと基本的におなじボディを使うのに対し、専用ボディだった。
調べると、1978年度のミスユニバース日本代表選出大会には「トヨタ賞」なる賞が設けられていたようだ。副賞にクルマが用意されるとは、いかにも当時らしい。
「それで東京に出てきたんですけど、当時のボーイフレンドがすごくクルマを好きで、彼はBMWの『2002』に乗っていました。彼に、免許を取ると世界が広がるよ、みたいなことを言われ、それで教習所に通うようになりました。免許を取ったのは22歳か23歳のとき。本当はBMW2002がすごくかわいくて、欲しかったんですけれど、とてもじゃないけれど手が届かず、あきらめた記憶があります」
1980年代初頭の東京には、お洒落でクルマが好きな人が多かったという。
「だんだんとクルマに興味が出てきて、あれがいい、これがいいと思うようになりましたね。ワーゲンのコンバーチブルに乗っていたボーイフレンドもいましたね。ゴルフじゃなくて、カブトムシみたいなやつ。そうそう、『ビートル』のカブリオレですね。そういうのを見ながら、じゃあ自分は何に乗ろうかと考えるようになりました」
そして25歳で、念願の愛車を購入する。
「最初のクルマは、BMWの『3シリーズ』、コンパクトな4ドアで、四角いかたち。色は黒でしたね。325ってありました? じゃあそれだ、325」
萬田さんのBMW325iは、傑作の誉れ高い2代目3シリーズのE30型。当時の好景気もあって、日本でも大ヒットした。
「自分のクルマが持てるようになったことがうれしかったです。自分で運転して現場にも行きました。撮影場所があまりにも遠いとマネージャーのクルマに乗せてもらうこともありましたが、基本は自分でハンドルを握って移動していました」
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「1988年にニューヨークから日本に戻ってきて、ジャガーXJのソブリンに乗るようになったんです」
このジャガーXJとは、1986年に登場したモデルで、“XJ40”のコードネームで呼ばれたもの。
1968年にデビューしたジャガーXJは改良を繰り返し、マークII、マークIIIと進化を続けたが、さすがに旧態化したためにこのタイミングで刷新されたのだ。いわば当時における新世代ジャガーだ。
「あの頃、神田正輝さんがジャガーのレーシングチームの監督をやっていらしたと思うんですが、ちょっと記憶が曖昧で……」
ここでインタビューを小休止。スマートホンで検索すると、1991年、神田正輝さんは全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権にジャガー「XJR-11」で参戦したサンテック・レーシングの監督を務めていたことがわかった。TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)が協力するという、本格的な体制だ。
「ソブリンも気に入っていたんですが、神田さんが『ダブルシックスのほうが絶対にいい』っておっしゃるんですね。12気筒かどうとかは私にはよくわからないけれど、形もインテリアもクラシックな雰囲気で、デイムラー・ダブルシックスのほうがいいと思うようになったんです」
ここで説明を加えると、1986年にジャガーXJの6気筒モデルがXJ40に移行した後も、“One of the Best Saloon in the World”と称されたV型12気筒エンジン搭載のジャガーXJ12と、兄弟モデルであるデイムラー・ダブルシックスは、1992年まで生産が続けられたのだ。ちなみにデイムラーは、ジャガーより年齢層の高い、紳士淑女に向けたブランドという位置づけだった。
「神田さんにお願いして、デイムラー・ダブルシックスに買い替えました。XJ40を下取りに出したのかな? 確か、神田さんも同じタイミングで、ダブルシックスをお買いになったと思います」
こうして、デイムラー・ダブルシックスとの生活が始まった。
「BMW325iも好きだったけれど、どちらかというとワインのほうが好きでした。でも、デイムラーには一生乗ろうと思いましたね。いま、これまでの愛車を買い戻せるとしたら、間違いなくデイムラーです。現場にもスポーツジムにも、自分でハンドルを握って行きました。私はいまだにカーナビを使いこなせないんですけど、多分、地図を見ながらデイムラーで移動していたあの頃から、切り替えができていないんだと思います」
こんなに気に入っていたデイムラー・ダブルシックスであるけれど、別れがやって来る。
「何度も止まってしまったんですね。自由ヶ丘のど真ん中とか、数えきれないくらい止まりました。それで、彼が危険だと言うので、仕方なく買い替えることになりました。でも、その後にどのクルマに乗ったのか、記憶にないんですよ。それくらいジャガーへの思いが強くて、ほかのクルマに愛情を注ぐことができなくなりました」
ここでの「彼」というのは萬田さんのパートナーで、リンク・セオリー・ジャパンの社長兼CEOを務めた故佐々木力(Ricky)さんのことだ。
後編では、佐々木さんとの思い出のクルマ、マイバッハについて振り返ってもらう。
萬田久子(まんだひさこ)1958年4月13日生まれ、大阪府出身。B型。1980年、NHK朝の連続小説『なっちゃんの写真館』で俳優デビュー。ドラマ『大奥』(1984年)、映画『めぞん一刻』(1986年)、NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』(1990年)、映画『集団左遷』(1994年)、ドラマ『美男ですね』(2011年)、映画『龍三と七人の子分たち』(2015年)、NHK朝の連続小説『あさが来た』(2015年)など、多数の作品で活躍する。
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文・サトータケシ 写真・加藤純平 ヘアー&メイク・黒田啓蔵 スタイリスト・宋明美 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
語彙力が貧弱すぎる・・・
中学校の壁新聞かよ