現行型でトランスファーレバーが復活
それではまず、オフロードコースで試乗した4速ATモデルの走りをレポートしていこう。
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現行型で再びトランスファーレバーが復活したジムニー・シリーズ。ドライバーは路面状況などに応じて、『2H』(2WD)、『4H』(4WDハイ)、『4L』(4WDロー)のモードを切り替えることができ、今回オフロードコース試乗で選んだのはもちろん4Lモードだ。
オフロードに足を踏み入れてまず印象的だったのは基本構造体となるラダーフレームが持つ強度、そして剛性の高さ。ホイールベースを延長したことで捻じり剛性が低下することを意識したスズキは、ノマドのために独自のセンタークロスメンバーやXメンバー、そしてサイドフレームリーンフォースなどを追加した専用のラダーフレームを設計。その強靭さにはタフなオフロードコースの中で、何回も感動させられることになった。
さらにフレームとボディを接続するボディマウントゴムも、それ自体を大型化したばかりではなく、上下方向には柔らかく、水平方向には硬い特性を与えることで、乗り心地と高い操縦安定性を両立。それはオフロードのみならず日常的にノマドを使用する中でも大きな魅力として伝わるだろう。
低速域から十分な厚みを感じさせるトルク
搭載される1.5Lの直列4気筒DOHC16バルブエンジンは、最高出力で101ps、最大トルクでは130Nmをスペックシートに掲げるが、オフロードコースではやはり低速域から十分な厚みを感じさせるトルクのキャラクターが印象的だ。
このエンジンやミッションからのノイズや振動もキャビンに伝わるまでには見事に処理され、走りに高級感を生み出す大きな理由となっている。
さらにオフロードコースで好印象を抱いたのは、ジムニー伝統の3リンク式リジッドアクスル式サスペンションが実現する走破性だった。一般的にバネ下重量の重さや乗り心地の悪化、トラクション性能やスペース効率の制約など様々なデメリットがあるサスペンションであるのは確かだが、実際にオフロードでのノマドの走りを体験してみれば、その優れた接地性や対地クリアランスの大きさが魅力的であることがわかる。
ローラー台を用意してスタック状態を再現し、ここから標準装備される電子制御ブレーキLSDトラクションコントロールの作動を確認するセクションでは(4Lモードでのみこの制御が入る)、その効果を容易に理解することができた。
ヒルホールドコントロール、ヒルディセンドイコントロールの制御も自然で、特に7%以上の勾配で車速が25km/h以下の場合に作動する後者は、ブレーキを踏まずにステアリング操作に集中できるというところが嬉しい。
実に軽快で快適なものに終始
オフロードコースでの試乗を終えて、次は5速MTモデルに乗り換えて、オンロードへノマドのノーズを向ける。
今回の受注再開とともに仕様変更が行われたことは前編で触れているとおりだが、その中でも最も注目すべきは、スズキの予防安全技術、『セーフティサポート』がさらに進化を果たしたことだろう。
衝突軽減ブレーキが、交差点衝突回避支援を備えたデュアルセンサーブレーキサポートIIへと変更されたことや、発進お知らせ機能、標識認識機能、車線逸脱抑制機能の追加などがそれだ。
さらに5速MTモデルにはアダプティブクルーズコントロール(前車追従機能なし)、4速ATモデルには同(前車追従機能付き)を採用。低速時のブレーキサポートも、これまでの後退時に加えて前進時にも機能するようになった。
5速MTをシフトしながらのオンロードドライブは、実に軽快で快適なものに終始した。見た目はボクシーな佇まいに徹しているノマドのボディだが、エアロダイナミクスは十分に検討されているようで、高速域でもその安定性や静粛性は高いレベルに保たれていることに驚かされる。
オフロードコースで心配していたサスペンションの動きにも、ネガティブな印象を抱くことはなかった。4輪の重さを感じさせるようなシーンに出会うことはなく、またコーナリング中にタイヤが伝える接地感にも十分な満足感を得ることができた。
狭い道に足を踏み入れても、このノマドの最小回転半径は5.7m。取り回しに苦労するような場面に出くわすことはめったにないだろう。
自分のジムニー・ノマドをオーダーする
自分のジムニー・ノマドをオーダーするにあたって、そのカタログや、アクセサリーカタログを見る時間は本当に楽しかった。
ノマドは『FC』のモノグレード展開で、ここからの選択肢は5速MTモデルか4速ATモデルか、あるいはボディカラー、メーカーオプションに限られるものの、実はその先にはナビゲーションやオーディオに始まる、魅力的で多彩なアクセサリーの選択が待っている。
オーダーするプロセスも、納車を待つ長い時間(たぶん)も、そしてオンロードでもオフロードでも楽しい。こんなクルマが誕生することは、そうあることではないだろう。
気になるプライスは292万6000円から。日本に生まれてよかった、そして買ってよかった。ジムニー・ノマドは心からそう思えた1台だった。アクセサリーを盛り過ぎた見積書を見た時には、かなり動揺したけれど。
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