■日産独自の「e-POWER」 “第3世代”はどう進化した?
日産独自のハイブリッドである「e-POWER」ですが、“第3世代”となる次世代ユニットは、2025年内の公開が予告されている高級ミニバン 新型「エルグランド」にも搭載される予定です。果たしてどう進化したのでしょうか。
【画像】超カッコイイ! これが日産「新型エルグランド」の全貌です! 画像で見る(30枚以上)
また、そこには新型エルグランドへのヒントはあるのでしょうか。
まず「e-POWER」とは日産が推し進めている、シリーズ式ハイブリッドの日産の呼び名のこと。
エンジンは発電専用で、どんな状況でもそこで発電した電気(あらかじめバッテリーに貯めたものも含む)でモーターを回して走行するのが特徴です。
他社の一般的なハイブリッドとは異なり、エンジンの駆動力を直接タイヤに伝える状況が一切ないのがポイントです。
この方式では、ストップ&ゴーを繰り返す市街地走行での効率が良く、燃費を稼げるのがアドバンテージとなっています。
そんななか、ついに日産公式に存在が明かされ、「年内発表」とされている次期型エルグランド。
そのエルグランドに搭載が宣言されているのが、“第3世代”となる次世代e-POWERなのです。今回、そのパワーユニットを積んだ試作車に乗ることができました。
というわけで、この記事の主題は「乗って分かった次世代e-POWERのメリット」。最新のパワーユニットを知れば、次期エルグランドに繋がるのです(ちょっと強引ですが)。
結論からいえば、ふたつの進化がありました。
ひとつは燃費の良さ。今回試乗したのは「キャシュカイ」という欧州向けの小型SUVですが、現行の“第2世代”e-POWERを積むモデルに対し、次世代となる“第3世代”e-POWERは燃費が向上。
モード燃費(燃費計測におけるトータル燃費)では9%、そして高速燃費ではなんと15%と、大幅に改善されているのですからビックリです。
高速燃費はe-POWERのウィークポイントとも言われていますが、ここが大幅に向上したのはなんとも朗報。
燃費向上の理由は後ほど説明しますが、ひとことでいえば「これまで以上にパワートレインの効率が良くなったから」ということです。
でも「燃費向上は乗らなくてもわかる進化だろう」と言われそうなので、次に進みましょう。今度こそ、乗ってこそ実感できた進化です。
それは、快適性のレベルが上がったこと。具体的に言えば、エンジンが静かになり、加えてパワートレインの振動も減っているのです。
この2つは、従来のe-POWERでも十分に感じられたものでした。しかし新型のレベルと言ったらそれ以上で、驚きました。
まずエンジンが静かになったことですが、これは新開発の発電特化型エンジンの特性が、従来型のエンジンとくらべ、効率よく燃焼する回転域が低くなるとともに、その回転域のトルクが上がっていることがポイント。
従来ほどエンジン回転を高める必要がないから、エンジン音が静かというわけです。
次世代e-POWERを搭載したキャシュカイは、従来型に対して室内騒音レベルが5.6dBも低減。
そのうち84%がパワートレインによる静粛性向上と言います(残り16%は車両側での改善)。このように、新しいe-POWERは静かなのです。
そして快適性を高める、もうひとつの要素は振動の少なさ。これも乗り比べると明確にわかりました。
といっても、エンジンの振動が減少したというわけではありません。モーター周辺の振動が減ったのです。
その理由は、駆動系部品の統合ユニット化。現行e-POWERでもモーターとインバーターの一体化が行われていますが、次世代e-POWERではモーターやインバーターに加えて減速機、そして発電用の発電機と増速機までも一体とした「5-in-1」のユニットを採用。
ユニットの剛性を高めるとともに、車両との共振点を回避するようにしっかりとコントロールすることで振動を減らし、振動が減ることで静粛性も高めることとなりました。
いずれにせよ、静かで振動も少ないことは、エルグランドのようなプレミアムミニバンにとって大きなメリットとなり得ます。
燃費が良くて、静かで、細かい振動もさらに少ない。それが次世代e-POWERのアドバンテージなのです。
■次期「エルグランド」も1.5リッターe-POWERに… どうなのか
ちなみに、次世代e-POWERに組み合わせる新開発の排気量1.5リッターの直列3気筒ターボエンジン(キャシュカイやエクストレイルなどに搭載される第2世代e-POWER用の可変圧縮ターボエンジンとは異なる)は、燃焼設計からしてe-POWER専用となっているのが技術的に大きなトピック。
熱効率を徹底追及し、従来よりもミラーサイクルの度合いを大幅に高めています。
「通常エンジンの熱効率を高めると出力が下がりがちだが、その相反する部分を極めた」とエンジニアは胸を張ります。
熱効率を高めるために、「STARC」と呼ぶコンセプトの燃焼方法を採用したほか、高圧縮比化、ロングストローク化、さらにはEGR(排気ガス再循環)を大量に活用するとともに、徹底した低フリクション化を実施。
一般的にはレスポンス低下につながる大型ターボの採用も、エンジンをダイレクトに駆動用に活用しない(=エンジンレスポンスがドライバビリティには直接影響しないのでそこに目をつむれる)e-POWERだからこそ、採用できた改善と言えるでしょう。
そういった新設計エンジンに加え、駆動ユニットも含めたパワートレインの改善により、燃費を向上させたというわけです。
このように、燃費と快適性をより高いレベルに引き上げた次世代e-POWER。
ただし、やっぱり気になるのは「車両重量が2トン近いであろう、重量級の新型エルグランドに組み合わせてパワー不足感はないのか?」ということ。
筆者も気になるので、次世代e-POWERの開発スタッフにズバリ聞いてみましたが「(先代)セレナが(先代ノートと同様の)1.2リッターエンジンのe-POWERになったときも、みなさん心配なさいましたよね」とニコっとするだけ。ガードが堅い…。
とはいえセレナも、その後の2022年のモデルチェンジで第2世代e-POWERに進化した際、新開発の専用エンジンで排気量を1.4リッターに拡大していました。
例えば同じような狙いとして、ターボの出力特性を変更することで、ラージミニバン向けに性能向上が図れる……そうした仕掛けが考えられているのかもしれません。
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みんなのコメント
発電専用で効率の良いエンジンとシンプルな構造で他社より小型軽量低コスト、
本来こうでなくてはならなかったはず