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日産渾身のBEV「アリア」に試乗、その走りをリポート|NISSAN

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日産の新たなるフラッグシップモデルとしてデビューしたバッテリーEV(BEV)のSUV「アリア」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗。その走りをリポートする。

NISSAN ARIYA|日産アリア

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日産アリアに試乗、その走りをリポート

日産の新たなるフラッグシップモデルとしてデビューしたバッテリーEV(BEV)のSUV「アリア」にモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗。その走りをリポートする。

Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko

前輪駆動モデルでも十分ではないか、といいたい強力な走り

ようやく出合えた日産「アリア」。発表が2020年7月で、試乗できたのが、22年4月。出る、といわれてからほぼ2年。まず工場から送り出されてきたのは、「B6」の前輪駆動モデルだ。

ピュアEVのアリアは、これまでにも、何回か実車を見て触れるチャンスがあった。とはいえ、太陽の下で実車を眺めると、2年たっていても、まったく古びて見えない。

全長4,595mm、全高1,655mmのサイズに、クーペライクなキャビンが乗っているスタイルは、けっこう押し出しが強くて、「試乗イベントには輸入車オーナーもけっこう訪れた」という日産自動車の担当者の言葉にも納得できる。

B6は、66kWhのバッテリー搭載モデル。アリアは、このあと、91kWhのバッテリー搭載「B9」が夏までに追加される予定だ。なお、共にFWDと4WDモデルがあり、一充電走行距離はB6のFWDで450km、B9のFWDで610kmに達するそうだ。


開発エンジニアの人たちは、声をそろえるように「e-4ORCE(イーフォース)」と名づけられた4輪駆動制御システム搭載モデルを楽しみにしていてほしい、と言う。

もちろん、モーターと駆動系とブレーキを統合制御するシステムによる走りには興味津々である。が、じゃあ、B6は大したことないのかというと、これで十分ではないか、と言いたい。力強い走りが味わえるのだ。

車重は2.2トンをやや切るぐらいで、大容量バッテリーの分、重量級であるが、160kWの出力と、300Nmのトルクは充分なパワーだ。重さは感じさせない。発進も、直進での加速も、あるいはカーブを抜けてまた加速なんていうときも、瞬時という感じで、スピードを上げていく。

回生ブレーキといって、アクセルペダルの踏みこみをゆるめたとき制動をかけ、そのとき生まれるエネルギーを電気に変え、駆動用バッテリーを充電するシステムをアリアも備えている。

アリアは、「eペダル」と呼ぶ独自の回生ブレーキシステムを搭載している。よくあるように、ステアリングホイール付近のパドルを使って制動をかけていくのでなく、ドライバーが選択するのはオンかオフのみ。回生ブレーキのeペダルが作動しているときは、アクセルペダルの戻し具合を微調整することで、気持ちよく減速ができる。

徹底的に静粛性が追求された車内は走行中もひたすら静か

徹底的に静粛性が追求された車内は走行中もひたすら静か

アリアのもうひとつの魅力は、クリーンな印象のインテリアデザインだ。液晶パネルと、ウッド調のダッシュボード。スイッチ類はタッチ式でダッシュボードに埋め込んである。広々感があって爽快だ。

ホイールベースが2,775mmあるところにもってきて、エンジンとトランスミッションがないので、室内空間は前後に広くとれる。加えて、排気管やプロペラシャフトをもたないため、床はフラット。

運転席と助手席の間のセンターコンソールは電動で前後にスライド式。大きめのトートなどを持ちこんだときは、コンソールボックスを後ろに下げて、運転席と助手席のあいだの床にぽんと置いておける。これは意外に使い勝手がよい。

先行車追従機能と、同一車線内ハンズフリー走行を可能とする「プロパイロット2.0」では、今回、「準頂天衛星みちびき」を使った、従来より正確な道路情報が得られるようになっている。GPSのみだと精度が10~15メートルのところ、アリアでは50cmで道案内をしてくれるという。

実際にボタンひとつで起動できるプロパイロット2.0は、かなり頼りになる。高速のインターチェンジで別の高速に乗り替えるときなど、クルマは自動で速度を60km/hに落としながら、橫からGを一切感じさせず曲がっていく。ドライバーである私がやっていたのは、ステアリングホイールに手を添えているだけ。

日産自動車の企画担当者は、余裕ある室内空間とフラットな床と2段階でバックレストの角度を調節できるリアシートなどをして、「ラウンジ」感覚で乗っていられるとする。

遮音性の高いウィンドシールドとサイドウィンドウをはじめ、あらゆるところに遮音材と吸音材を使ったボディ、それに吸音材をいれたタイヤなど、徹底的に静粛性を追求したとされるだけあって、走行中もひたすら静か。

オプションでBOSEの10スピーカーのハイファイシステムを搭載するのもいいだろう。アマゾンのアレクサがやはりオプションで使えるので、これも楽しい。「docomo in Car Connect」と契約すれば、WiFi経由で、アマゾンミュージックのストリーミングサービスも聴ける。

ステアリングホイール上のボタンか、液晶モニターの画面の起動アイコンでアレクサを立ち上げ、「アレクサ、メーガン・ザ・スタリオンかけて」などと告げると、「Clean」でなく「Explicit」(露骨な表現)バージョンもかけてくれる。

フロントマスクは、細い縦幅のLEDヘッドランプに、一枚のパネルのように見える(形骸化した)グリルで構成されており、やはりLEDを使った「Vモーション」がアグレッシブな雰囲気すら醸し出していて好ましい。

先述の「みちびき」からの信号受信のためと、従来の通信システムのため、2本になったシャークフィンアンテナ。これも、新しくて、オーナーにプライドを与えてくれる。

私だったら、前記Vモーションを際立たせるとスタイリッシュなので、車体色は「ミッドナイトパープル」とか「ミッドオーシャンブルー」にするのもいいなと思う。B6(FWD)の価格は539万円。

NISSAN ARIYA|日産アリア


ボディサイズ|全長4,595×全幅1,850×全高1,655mm
ホイールベース|2,775mm
トレッド前/後|1,585/1,590mm
最低地上高|180mm
車両重量|1,920kg
モーター種類|交流同期電動機
最高出力|160kW(218ps)/5,950-13,000rpm
最大トルク|300Nm(30.6kgfm)/0-4,392rpm
バッテリー種類|リチウムイオン電池
バッテリー総電力量|66kWh
駆動方式|FWD
航続距離|470km(WLTCモード)
タイヤサイズ|235/55R19
定員|5名



日産お客さま相談室

Tel.0120-315-232(9:00-17:00、12/31-1/2を除く)

http://www.nissan.co.jp/

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