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全長は5m超!プラグインハイブリッドへと進化したBMWのハイパフォーマンスモデル「M5」の実力

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全長は5m超!プラグインハイブリッドへと進化したBMWのハイパフォーマンスモデル「M5」の実力

「M5」のベースとなっている「5シリーズ」は、BMWのミドルクラスセダンとして1972年に初代がデビューした。「3シリーズ」と「7シリーズ」の間を埋める4ドアセダンとして登場した「5シリーズ」はリッチ層の速い足として定着し、新型モデルを発表しながら、今日まで人気を保ってきた。現行の「5シリーズ」は2023年7月に、約7年ぶりに全面改良し、8代目へと進化。8代目の「5シリーズ」誕生から1年3か月後となる2024年10月に「M5」が新しくなって登場した。

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「5シリーズ」のスポーツモデルである「M5」は1984年に初代モデルが登場。ノーマルモデルよりも1世代遅れての登場だったので、今回のモデルは7代目にあたる。BMWのハイパフォーマンス車両を手がけるBMW M社は2つのカテゴリーの高性能マシンを開発している。1つはレーシングカーの技術を採用し、市販車でありながらサーキットでの本格的な走行を可能としたMハイパフォーマンスモデル。もう1つは公道における高いスポーツ走行性能とプレミアムカーとしての快適の両方を高めたMパフォーマンスモデルだ。

「M5」はもちろん、Mハイパフォーマンスモデルに位置するモデル。その高性能は外観だけ見てもわかる。新型「5シリーズ」は7代目よりホイールベースから新しくし、車体サイズも全長で90mm、全幅30mm、全高35mm、ホイールベースも20mm長くなっていた。「5シリーズ」もついに、全長が5m以上という大きなミドルクラスの4ドアカーになった。



 ところが、2024年10月に目の前に現われた新型「M5」は、さらにグラマーになっていた。全長は新しい「5シリーズ」よりさらに35mm延びて5095mmに、全幅は70mmも広く1970mmになっている。全高は5mmだけ低くなり1510mmに。そして何より驚いたのはホイールベースが10mm長く、3005mmになっていたことだ。ボディーだけでなく、足回りもM5専用となっている。

 パワーユニットはV型8気筒ツインターボ、4.4Lガソリンエンジンに加えて、プラグイン・ハイブリッドを搭載。これは「M5」史上初めてのこと。ノーマルの「5シリーズ」はガソリン、ディーゼル共に48Vのマイルドハイブリッドを搭載しているが「M5」はプラグインを組み合わせたのだ。さらにM専用の4輪駆動システム「MX Drive」も搭載している。このために車両重量も2400kgと重くなってしまった。

 このボディを動かすユニットの数値は、エンジンが585PS/5600~6500rpm、トルクは750Nm/1800~5400rpm、モーターは電池容量22.1kwhで197PS、450Nmを発生するが、システム出力/トルクは727ps、1000Nmと発表されている。「M5」で1000Nmのトルクだ。モーターはMモデル専用に開発された8連Mステップトロニックのハウジングに組みこまれ、プリギアリングでトルクを増強させている。ハイブリッドモデルということで、電気モーターでの走行可能距離は約70kmと発表されているが、実際に試乗車を受け取った時に100%充電で62kmを表示していた。

 電気自動車の走行可能距離の表示は、その前の運転状況によって変わるので、ほぼ表示どおりと考えてよいだろう。新型になって、大幅に内装が変わった「5シリーズ」同様、「M5」も8速ATのシフトは小さなツマミになり、目の前のメーターパネルも12.3インチのインフォメーションディスプレイと、14.9インチのコントロールディスプレイが一体となったカーブドパネルに進化した。ボタン類は大幅に削減されている。



 スタート前にハイブリッドモードを選択する。モードは「ダイナミックプラス」「ダイナミック」「ハイブリッド」「エレクトリック」「eコントロール」の5モード。「エレクトリック」モードで走り出す。モーターのみの走行だ。

 市街地を約10km走り、高速道路に入る。ここで「ハイブリッド」モードに切り替える。V8ツインターボがようやく始動する。100km/h巡航は8速1500回転、7速1800回転なので、エンジン音、排気音、振動はほとんど体感できない。0→100km/hの加速は6秒台。高性能モデルとしては物足りない数値だが2.4tの自重で、スタートダッシュはやや重さを感じる。「M5」はMモデルの中で、ハイパフォーマンスモデルに位置付けられており、サーキット走行も得意とする車種だが、動力性能に関しては、ちょっと厳しいところがあるように感じた。

しかし、駆動系や足回りはMスポーツだ。DSCは、オフでFR走行、オンで4WD、MDMは4WDスポーツで後輪駆動重視のセッティング。Mモードは「ロード」「スポーツ」「トラック」が選べる。タイヤはハンコック製。前が285/40R20、後ろが295/35R21の組み合わせだ。

「ロード」モードでの乗り心地は硬い。低中速から高速まで路面の凹凸での突き上げもキツく、目地の乗り越えもショックは大きい。「スポーツ」モードになるとタテゆれ、ヨコゆれともに短い振幅でシートをとおして伝わってくる。その動きはツーリングレースのレーシングカー的だ。高速走行とワインディングでV8、4.4Lツインターボ+少しだけモーターパワーの走りを楽しんだ後は、モーターでのEV走行。「eコントロール」モードを選択しておけば、電池への充電もできる。

 自宅に戻り、残り62%の状態で、走行可能距離は38kmと表示されていた。ここで200Vで3kW充電をしたら、100%充電完了は3時間30分後と表示された。これなら自宅充電さえできれば、日常の市内走行は、モーターだけで済みそうだ。ガソリンを使用しない「M5」。新しい時代のMモデルは面白い。



■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/m5-series/bmw-m5-sedan.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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