アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、F1ハンガリーGP予選を7番手で終えたが、Q3で赤旗が出されたタイミングをかなり不満に思っているようだ。
予選Q3では、終盤に角田裕毅(RB)がターン5の出口でクラッシュを喫してしまった。縁石で跳ね上げられるように浮いてバリアに激突した角田のマシンが受けた衝撃は大きく、メディカルランプの警告が点灯。メディカルカーが出動する必要があり、コース上にもデブリが残っていたため、セッションは即座に赤旗中断となった。
■角田裕毅の大クラッシュ引き起こしたターン5の芝生帯、一部がグラベルに置き換え
クラッシュから赤旗が出るまで10秒あまり。その間にコントロールラインを通過したマシンはなく、たとえアクシデントがあったターン5をすでに通過していたマシンであっても、アタックを完了することができなくなってしまった。
アロンソにとってこの状況は特に受け入れがたいものだった。角田がクラッシュした時点で、アロンソは隊列の先頭でまさにアタック中。ターン13を立ち上がり、あとは最終コーナーのみといったところだったが、赤旗が出てしまった。
チームとFIAの間では、1周の早い段階でコースアウトしたマシンに対しては赤旗ではなくダブルイエローで処理するという取り決めがあるため、アロンソの不満は大きかった。
ダブルイエローなら、アクシデントがあった場所を通過するマシンは大きく減速しアタックを中断することになるが、すでにその先を走っているマシンはアタックを完了することができるからだ。
スペイン版DAZNのインタビューに応じたアロンソは「Q3は……FIAが正しいこともあれば、重大なミスを犯すこともある」と話した。
「今日は、それが起きた。僕が最終コーナーにいるときに赤旗が提示された。驚きだよ。ターン8(正しくはターン5)でアクシデントが発生した場合、通常はマシンが周回を終えるのを待つ。そういうルールだと言われているんだ」
確かに通常ならダブルイエローで処理するというスタンスが優先されるものの、前述のように角田のクラッシュの規模とメディカルカー出動の要請があったことから、赤旗の方が適切だと判断されたのだ。
アロンソの苛立ちは、アタックを中止してピットに戻った後、オフィシャルからパルクフェルメに入るよう促されたことで、さらに大きくなった。
アロンソと、その後ろを走っていたチームメイトのランス・ストロールはピットレーンの1番手前、映画『F1』の撮影に使うマシンが置かれたエリアにマシンを止めるよう誘導された。
アロンソがマシンから降りた後で、Q3が再開されるため再びマシンに乗るよう伝えられたという。
「ピットレーンに入ると、ランスと僕はパルクフェルメに入れられた」
そうアロンソは振り返った。
「僕たちはクルマから降りたんだけど、彼らからQ3が再開されることを告げられた。クルマに戻ってシートベルトを締められたけど、(新品)タイヤがもうなかったから、再び走行することはなかった」
オフィシャルがアロンソとストロールをパルクフェルメに誘導したのは、角田の赤旗でセッションが再開されないという情報が入っていたためだった。
しかし、レースコントロールがクラッシュした角田のマシンを回収し、さらにフライングラップを完了するのに十分な時間があることにすぐに気づいたため、各車はガレージに戻ることができることが伝えられ、2台のアストンマーティンAMR24は移動するように指示された。
アロンソは、この二重のアクシデントが最終的にグリッドポジションに影響を与えることはなかったとしながらも、理解に苦しむと示唆した。
「最終コーナーで赤旗が出るまではコンマ1秒半ほどタイムを更新していた。何も変わらなかっただろうけどね」
「でも、パルクフェルメに入って、またパルクフェルメを開けて……というのは普通ありえないことなんだ」
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