現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 目指すはクールスーツ導入? F1チームとFIA、マシンコックピットの“熱問題”について協議へ。カタールGPでは体調不良者続出

ここから本文です

目指すはクールスーツ導入? F1チームとFIA、マシンコックピットの“熱問題”について協議へ。カタールGPでは体調不良者続出

掲載 1
目指すはクールスーツ導入? F1チームとFIA、マシンコックピットの“熱問題”について協議へ。カタールGPでは体調不良者続出

 カタールGPで浮上したF1マシンのコックピットにおける熱問題について、メキシコシティGP後の技術諮問委員会(TAC)でF1チームとFIAが話し合いを行なうこととなった。

 TACは10チームのテクニカルディレクターとFIAが今後のレギュレーションに関して話し合いを行なう場であり、F1のテクニカルチーフであるパット・シモンズも出席する。

■あれ、F1スプリントって効果ない……? アメリカGP、2023年は新フォーマット初実施も「チケット売上が伸びなかった」

 カタールGP決勝では、高温多湿のコンディション、そして各タイヤセットごとに最大周回数が制限されたことによって全開走行が強いられたことなどの要因が組み合わさり、ドライバーの身体的に厳しいレースとなった。結果として、体調を崩したり脱水状態を訴えたりするドライバーが続出し、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)はそれを理由にレースをリタイアした。

 FIAは既にカタールGPでの出来事とその影響について詳細な分析を行なうことを約束しており、10月31日に開催されるTACのオンライン会議では、コックピットの熱問題が議題に追加されることになった。

 課題のひとつは、コックピット内のドライバーの体温を下げるために冷却キットをドライバーが装備するとなれば、必然的にマシンの総重量が増すということだろう。

 シモンズはmotorsport.comに対して、次のように語った。

「次のTACで話し合うつもりだ。FIAはそれに関していくつか作業を行なっており、私も取り組みを行なっている。簡単に解決できるというモノではないんだ」

「インディカーは、その時々によってエアベントの位置が異なる。彼らはクールスーツに関しても熱心だが、数kgで大きな差は生まれないと考えているのだと思う」

「重量から得られるパフォーマンスを決めるんだ。たとえばクールスーツが2~3キロだとしたら、物理学的なコストを計算すればいい」

 各チームは状況改善に向けたFIAの取り組みを支持している。

「チームとドライバーは、様々なトピックに関して異なる見解を持つことができると思う。しかし、安全性に関しては全員が足並みを揃えていると思う」

 マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、motorsport.comの取材に対してそう語った。

「賢い人たちが一緒になって解決策を見つけ出してくれるだろうね」

「あれが良い状況ではないというのはみんな認識していると思うし、最善の解決策を見つけ出すために適切な人たちが力を合わせることになる。そうなるはずだと私は自信を持っているよ」

 アストンマーチンでチーム代表を務めるマイク・クラックは、世界耐久選手権(WEC)にポルシェの一員として参加していた時代にコックピットの冷却に携わっていた経験を持っており、カタールGPで過酷なコンディションに置かれたドライバーに同情した。

「GPDAとFIAは意見交換を行なっていると思うし、今後数週間で何が起こるかを注視する必要がある」とクラック代表は言う。

「他のカテゴリーで異なるデバイスが使われているのは事実だ」

「だから今後数週間かけて関係者全員で話し合い、良い結論を出さなければいけない」

「こういう状況が続くのは誰のためにもならないと思うし、全てを引き出してもらうためにはドライバーたちがもっと快適になる必要がある。そうするために我々は協力する必要があると思う」

 一方でメルセデスのトト・ウルフ代表は、マシン設計に直接関わるような解決策には慎重な姿勢を取った。

「私が今まで見てきた中で、熱がこもる問題に関しては最も過酷な状況にドライバーは置かれていた」
 カタールGPでウルフ代表はそう語っていた。

「ただ『それがこの仕事の代償だ』と言う筋金入りの人も居ると思う。ある程度の温度なら、それも正しい」

「こういった究極のコンディションを想定してトレーニングすることは必要だが、今回はやり過ぎだったかもしれない。ほとんどのドライバーから『僕らにはできない』というコメントが出た」

「コックピットに大きな穴を開けることなく、コックピットを冷やすという解決策をドライバーも交えてFIAと見つける事ができれば、実際に何を変更する必要があるのか、それがテクニカルレギュレーションにどう影響するのかという状況になる」

「(コックピットに)大穴を空けたくはないが、いずれにしてもドライバーの立場を尊重する必要がある。見ていて気持ちの良いモノではなかったしね」

 ハースのギュンター・シュタイナー代表もまた、マシンの設計変更には慎重だった。

「技術的な解決策を見つける上で、過剰反応すべきではないと思う」とシュタイナー代表は言う。

「100年に1度のこの状況に対して、レースカーに大穴を開けたり、大きな装置を載せたりしてはいけない」

「我々は地に足をつけて、リスクがあるのかないのか、あるいはカレンダーを調整することで回避できるのかを見極める必要があると思う」

こんな記事も読まれています

軽自動車好きNo.1の県はどこ? ホンダが「軽自動車白書2023」を発表、軽自動車ユーザーの購入満足度は8割以上!
軽自動車好きNo.1の県はどこ? ホンダが「軽自動車白書2023」を発表、軽自動車ユーザーの購入満足度は8割以上!
WEBヤングマシン
【中野信治のF1分析/第23戦】リザルト以上に魅せた角田裕毅とアルファタウリ。さらに進化した2023年のフェルスタッペン
【中野信治のF1分析/第23戦】リザルト以上に魅せた角田裕毅とアルファタウリ。さらに進化した2023年のフェルスタッペン
AUTOSPORT web
今も減らない「クルマの盗難」 実は犯行間近の“予兆”があった!? 盗まれる直前に愛車に起こる「謎の現象」とは
今も減らない「クルマの盗難」 実は犯行間近の“予兆”があった!? 盗まれる直前に愛車に起こる「謎の現象」とは
くるまのニュース
レクサスの欧州中核モデルに、小型SUV『LBX』受注開始…年間2万4000台の販売めざす
レクサスの欧州中核モデルに、小型SUV『LBX』受注開始…年間2万4000台の販売めざす
レスポンス
えーハイパーアーバン出るの! モビリティショーの日産コンセプトカーは次期ジュークやリーフであることが判明!
えーハイパーアーバン出るの! モビリティショーの日産コンセプトカーは次期ジュークやリーフであることが判明!
ベストカーWeb
プレリュードの復活に色めき立つ昭和生まれ! 伝統の名前を蘇らせる裏には巧妙なマーケティング戦略があった
プレリュードの復活に色めき立つ昭和生まれ! 伝統の名前を蘇らせる裏には巧妙なマーケティング戦略があった
WEB CARTOP
2023秋冬バイクウェア特集:おすすめシューズ&ブーツ×7選
2023秋冬バイクウェア特集:おすすめシューズ&ブーツ×7選
WEBヤングマシン
【ブレイズ】会社情報誌「学生が選ぶ愛知の企業100選」に4年連続で選出
【ブレイズ】会社情報誌「学生が選ぶ愛知の企業100選」に4年連続で選出
バイクブロス
アメリカで中古EVが“暴落”? 安くても売れない「全米No.1車種のEVですら」 一方ハイブリッドは
アメリカで中古EVが“暴落”? 安くても売れない「全米No.1車種のEVですら」 一方ハイブリッドは
乗りものニュース
「商用EV」普及のカギは何か? 寒冷地「充電問題」とその解決策、メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える
「商用EV」普及のカギは何か? 寒冷地「充電問題」とその解決策、メルセデス・ベンツ「eアクトロス」を例に考える
Merkmal
「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値が加わった、新型「スズキ スイフト」発売
「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値が加わった、新型「スズキ スイフト」発売
LE VOLANT CARSMEET WEB
チケット即完売の角田裕毅ファンイベント、日本全国から集まった720名が“ぶっちゃけ”トークで盛り上がる
チケット即完売の角田裕毅ファンイベント、日本全国から集まった720名が“ぶっちゃけ”トークで盛り上がる
motorsport.com 日本版
スーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストがスタート。初日午前トップタイムはKCMGの関口、注目のJujuも最多43周を走破
スーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストがスタート。初日午前トップタイムはKCMGの関口、注目のJujuも最多43周を走破
motorsport.com 日本版
マツダ新型「ロードスター」最上級&フル装備は約480万円!? 大幅改良でデザイン一新!「RF」に追加できるオプションは?
マツダ新型「ロードスター」最上級&フル装備は約480万円!? 大幅改良でデザイン一新!「RF」に追加できるオプションは?
くるまのニュース
トヨタのクロスオーバーEV、2025年までに欧州で発売へ…コンセプトカー発表
トヨタのクロスオーバーEV、2025年までに欧州で発売へ…コンセプトカー発表
レスポンス
銃弾を跳ね返す、テスラ『サイバートラック』が耐久テスト
銃弾を跳ね返す、テスラ『サイバートラック』が耐久テスト
レスポンス
F1参戦に向けてドライバーを探すアウディ。現在の本命はアルボンか
F1参戦に向けてドライバーを探すアウディ。現在の本命はアルボンか
AUTOSPORT web
F1、メルセデス代表に対する「不正疑惑は誤り」と指摘。コンプライアンス調査開始のFIAに反論
F1、メルセデス代表に対する「不正疑惑は誤り」と指摘。コンプライアンス調査開始のFIAに反論
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • 全車エアコン装置義務にすれば良い
    車体に 冷房車 ってステッカー貼るの忘れるな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで! 登録してお得なクーポンを獲得しよう
マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車いまいくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村