全ブランドが減 シェアはダイハツに軍配
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
【画像】ダイハツ・タフト新型 発売前でも細部が判明【詳細画像】 全29枚
2020年4月期の軽自動車の国内新車販売台数は、前年同月比33.5%減の9万8255台と7か月連続でのマイナスとなった(速報値:全国軽自動車協会連合会まとめ)。
この結果、東日本大震災後の2011年5月以来となる10万台割れに落ち込んだ。
4月期のブランド別新車販売台数では、全ブランドがマイナスを記録する。そのなかで、ダイハツは前年同月比29.8%減の前年割れとなったものの、3万3185台を販売。2か月ぶりのシェアトップについた。
前月トップのスズキは、同44.8%の大幅減の2万5910台に落ち込んで第2位に陥落する。第3位には、同24.1%減の2万2660台でホンダが位置。
また、3月に軽スーパーハイトワゴンの新型ルークスの販売をスタートさせた日産は同28.6%減(8523台)。同じく軽スーパーハイトワゴンの新型eKクロススペース/eKスペースを発売した三菱自は同50.9%減(1773台)と、新車効果が及ばすに苦戦した。
一方、OEM供給を受けるブランドでは、スバルが前年の低成績もあって同9.2%減(1639台)と唯一1桁減に抑えたものの、トヨタは同24.8%減(2597台)、マツダは同30.8%減(1966台)と大きく落ち込んだ。
販売が伸び悩んだ4月の動向と今後の展望について、関係者の話を聞いてみよう。
新型コロナウイルスで、納車遅れも
4月期の軽自動車の新車販売動向に関して業界団体の関係者は、「消費税アップに伴う反動減や消費マインドの低迷に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言よって販売店への客足が鈍ったことが、大幅なマイナスを記録した要因」と指摘。
さらに、「メーカー側が実施した生産調整によって、受注していた新車をユーザーに納車できなかったことも影響している」と解説する。
今後の市場の動きについては、「新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が5月31日まで伸び、先行きに対する不安などから新車の購入を躊躇するユーザーが、今後さらに増加する見込み。また、多くのメーカーが生産調整の継続を実施する予定で、納車もスムーズにいきそうにない。景気下降に需要減退、そして生産縮小という三重苦によって、5月期はいっそう厳しい状況になるだろう」と分析した。
販売の巻き返しについては、「回復への足がかりは、新型コロナウイルスの感染拡大の終息、政府が打ち出す景気刺激策、そしてダイハツが6月に発売を予定する新世代軽クロスオーバーモデルのタフトの動向次第になる」と示唆した。
合計ランキング 上位に登録車
4月期の軽自動車の車名別ランキングでは、ホンダNボックスが前年同月比27.6%減ながら、唯一1万台オーバーの1万4034台を達成。5か月連続でのトップにつく。
続く第2位には、同28.7%減ながら8295台を成し遂げたダイハツ・タントが前月と同順位で位置。
第3位には、同31.5%減ながら6877台を販売して1ランクアップを果たしたダイハツ・ムーヴが、第4位には同55.8%減の6426台と落ち込んだスズキ・スペーシアが1ランクダウンで入った。
なお、登録車と合わせた車名別ランキングのトップ5は、ホンダNボックス(1位)、トヨタ・ヤリス(2位)、ホンダ・フィット(3位)、ダイハツ・タント(4位)、トヨタ・シエンタ(5位)の順になり、久々に登録車が3モデルもランクインした。
話題のニューモデルの動きを見ていこう。
生産を再開したホンダNワゴンは、同19.1%増の4682台を販売して第6位に。1月に新型に切り替わったスズキ・ハスラーは、前年同月比10.5%減ながら4294台を達成して第7位に位置。
また、3月に発売した日産ルークスは、2868台を記録して第11位に。eKクロススペース/eKスペースを含む三菱eKは、同57.3%減の1297台と苦戦して第13位に甘んじた。
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