3列7人乗りのクロスオーバーSUVがマイナーチェンジ。ICE(内燃機関)モデルのみのため、PHEV勢の隣で脇役ぎみの扱いに甘んじているものの、7人乗りハイエンドファミリーカーとしての完成度は高い。
7人乗りファミリーカーとして内燃機関モデルの高い完成度
プラグインハイブリッドがベストな選択──近所はエコに。でもロングドライブも気兼ねなく楽しめる。【ジープ編】
今回のフェイスリフト(というかビッグマイナーチェンジ)では、同じ顔をした3008 GT Hybrid4というPHEVパワートレインを備えた主役の隣で、脇役気味の扱いを余儀なくされている5008。確かに177ps/400Nmの2リッターディーゼルまたは180ps/250Nmの1.6リッターターボという、いずれもアイシンAW製の8速ATを組み合わせるパワートレインの選択肢に変化はない。
じつは、フランス本国でも5008のPHEVは市販されておらず、プジョーの公式サイトで5008の紹介ページに、未だ市販されていないHybrid225というFF版とHybrid300という4WD版が、載せられているのみ。どういうことか?
EMP2プラットフォームの300ps仕様のPHEV、つまり3008と同様のパッケージ構成では、リチウムイオンバッテリーは2列目シート下に収まる。そのすぐ後ろ、リアモーターを抱え込むマルチリンク・サスペンション式の後車軸は、荷室容量にほとんど影響しない程度ながら、荷室フロアを僅かばかり高くする。つまり5008が3008と同時にリアモーターPHEVを市販しない理由は、リアトランク床下に畳める3列目シートが、リアモーターPHEVの後車軸モジュールと干渉する可能性も捨て切れない。
とはいえ昨今の欧州CAFE規制とCO2削減に鑑みれば、このサイズのSUVでPHEV版を揃えることは必須。この辺りが、プジョーが公式にHybrid4をも未然のラインナップとして加えるというジレンマになっているところで、今のところ「5008=7人乗り」のイメージが強いだけに、「5人乗り+荷室容量増」というバージョンの落としどころを、価格面を含めて探っているのではないか? そういう見方もできるが、3列目シートを見事に収めていたら、ある程度高めの車両価格も正当化できる。そんなサスペンスもある。
いずれ裏を返せば、それだけ7人乗りのハイエンドなファミリーカーとして、ガソリンとディーゼルそれぞれのICE(内燃機関)版の5008の完成度が高いという証左でもある。
エクステリアは新世代プジョーのデザインコードへ
マイナーチェンジのメニューは、とくに「GT」グレードでは手厚い。フレームレスグリルでエフィシェンシー顔となったフロントマスク以外のところでは、ヘッドライトがフルLED化されたこと。フォグランプがリアフォグONと同時に光度と角度を自動調整する内蔵タイプとなり、スタティックコーナリングライトも備わっている。最近のプジョーのお約束となったキバ状のデイタイムライトや、リアLEDコンビランプが従来のブロック×3から、3条ずつの立体的なタイプになったほか、ウィンカーもシーケンシャル式、つまり流れるタイプに変更されている。
インテリアについても、メーターパネル内のディスプレイがより高コントラストとなり、すべてのグレードでシートのデザインがよりモダンなものに刷新された。とくにGTではアルカンターラ×テップレザーという非動物由来素材によるパワーシートを標準仕様としつつも、オプションでフルナッパレザーも選べる。3列目シートを畳んだ5名乗車時でも702リッター、2列目も畳めば1882リッターにまで拡大できる大容量荷室はそのままだ。そもそも、2列目が3座独立シートなのでシートアレンジが多彩なところも、5008の美点だ。
ライト・クロカン性能を電子的に確保するのがフランス的
今回、用意されていたGTはディーゼル仕様だったが、3008よりホイールベースが165mm長い5008の動的質感は、直進時や緩やかな道では好ましく落ち着いている。それでいてワインディングでは、操舵に対するモーション、ロールもやや大きく感じるが、それが独特の躍動感となって返ってくる。並のファミリーカーなら大勢を乗せて山道を下る場面で、挙動が大きいと神経質にさせられるものだが、5008は穏やかながら剛性感たっぷりの正確なハンドリングで、大柄ボディと着座視線の高さからしたら意外なほど、狙ったラインをピタリとなぞりやすく、心強いと感じる。加えてディーゼルの力強いトルクも、飛ばしても16km/L超という好燃費も、ドライバーに味方してくれる。
試乗では、柔らかな木製チップを敷き詰めた非舗装路で、グリップコントロールの効きも試してみた。氷雪路のほかにさらさらの砂、またはぬかるんだ泥といった路面をドライブモードの切り替えで対応できる。ESPを応用した制御技術で、片輪ずつをブレーキでつまんで両輪とも空転する状況を防ぐのが基本原理だが、柔らかい路面でも確実なグリップと舵の効きを体感できつつ、FFがいかにも苦手そうな静止からの登り坂発進をも、難なくこなしたのが印象的だった。補助的な機能とはいえ、道なき道を行くでもない、たいていのアウトドア需要は満たせそうなライト・クロカン性能だ。燃費やハンドリングの軽快さに影響する重たい4WDシステムより、シンプルなFFのまま電子的に確保する方が解決策としてもコスト面でも合理的という造りは、いかにもフランス的といえる。
大人びた内装と走り味に、大容量の荷室とちょっとした走破性。ある意味、接待ゴルフや釣り、家族キャンパーまで、ソツなく守備範囲が広いだけでなく、平均点を大きく上回る快適さでこなせる万能ツアラーであるところが、5008の凄さ、抜け目なさかもしれない。
文・南陽一浩 写真・郡大二郎 編集・iconic
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みんなのコメント
まあ無料記事だからそこまで贅沢は言えないか