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【比較試乗】「BMW 5シリーズ vs アウディA6 vs メルセデス・ベンツ Eクラス」各ブランドの最先端技術を搭載した中核モデル。“三つ巴”再び!

掲載 更新 13
【比較試乗】「BMW 5シリーズ vs アウディA6 vs メルセデス・ベンツ Eクラス」各ブランドの最先端技術を搭載した中核モデル。“三つ巴”再び!

メルセデス・ベンツEクラスも新型が登場しているのは既報の通り。奇しくもドイツを代表するプレミアム・アッパーミドルセダンが同じタイミングで新型を導入しているとなれば、その仕上がりの違いを比べてみたくなるというもの。そこで昨年フルモデルチェ ンジを果たしたアウディA6も交えて、それぞれのキャラクターをあらためて比較検証してみた。

時を同じくして新型となった永遠のライバル

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Eクラスと5シリーズ。一目瞭然、ガチガチのライバル関係となる両車が、日本市場ではこの9月に相次いでマイナーチェンジが施されることとなった。

そもそもモデルチェンジタイミング自体が1年未満と近接しているとはいえ、同月に揃って更新という事態は記憶にない。これが生産も物流も滞らせたコロナ禍がもたらした偶然か、あるいはいずれかが仕掛けた必然かは知る由もないが、ユーザー側からしてみれば、ことさらそのテイストを比べたくもなるだろう。そこでこの項では、昨年フルモデルチェンジを受けたA6も相まみえて、売れ筋の4気筒グレードでそれぞれの仕上がりをチェックしてみた。

新しい5シリーズは先行して3シリーズなどに搭載されているAI音声会話コマンドシステム 「インテリジェントパーソナルアシスタント」 を採用したほか、Appleとの協力関係からiPhoneとの親和性が強化され、ナビの目的地設定が地図アプリとリンクする機能や、NFC認証を利用して解施錠やイグニッションのオンオフを可能にするデジタルキーなど、ユーザビリティを広げる機能が標準装備となっている。

また、ADASのアップデートによりハンズオフ機能付きの渋滞運転支援システムが標準装備されるなど、デジタルテクノロジー系の進化や強化が著しい。一方で走りの進化については特に触れられていない。試乗グレードは530iラグジュアリー。B48系2L 4気筒直噴ターボは252ps/350Nmを発揮する。ラグジュアリーゆえサスはノーマル、タイヤも18インチと見るからに穏やかなキャラクターだ。

改められた内外装の雰囲気からはスポーティさが高められた印象を受けるも、むしろ特筆すべきは常速域での乗り心地の良さだった。橋脚ジョイント段差や轍が入り交じる首都高速の路面にも直進性は乱されず、硬質なインパクトや横揺れの類はしっかり封じ込まれている。路面の激しい凹凸や路肩の段差などでも不快なバタつきや突き上げなどはほとんど感じられない。

良路でのしなやかな滑走感は、45偏平の18インチとはいえ、ケース剛性の高いランフラットタイヤを履いているとは思えないほどだ。こればかりは経験値の差なのか、メルセデスやレクサスのようなランフラット使用歴の浅いブランドに対して、乗り心地面では今やBMWは優位に立っている。そう言っても過言ではないだろう。

しかも新しい5シリーズは乗り心地だけでなく、ハンドリングも確実に洗練されている。操舵初期の動きのリニアさ、切り増しでの追従性などハンドリングは努めてニュートラルな一方で、中~大舵角での旋回や切り返し時などの応答性にはBMWらしいビビッドさがきちんと感じられる。BMWの試乗といえばとかくMスポーツという理由もあるとはいえ、標準的な5シリーズにこれほどの性格の丸さや動きの上質さを感じようとは思いもよらなかった、というのが正直なところだ。

まさに甲乙つけがたい三者三様のキャラクター

Eクラスの更新点もまた、デジタル回りの項目が多い。具体的には目的地への案内導線をリアルタイムの走行画面に連動させるAR対応ナビシステムや、ジェスチャーコントロールの多用、ドア開時に後方からの接近物警告をはじめとしたADASの強化などが挙げられる。試乗車は他銘柄と同等に揃えるならE300が適任だが、登場間もないこともあって選択肢がE200スポーツのみとなった。前期型の途中から加えられたベルトドリブンによる48Vマイルドハイブリッドシステムを併用するエンジンは、184ps/280Nmとスペックも変わらない。

Sクラスの意匠を先出ししたかのような佇まいの新しいEクラスは、好戦的な装着タイヤもあってか、低中速域での乗り心地は5シリーズより硬い。メルセデスが快適性の面でBMWに譲ることは異例中の異例だが、背景にはクルマづくりの方向性もあれば、ランフラットを履きこなす難しさもあるのだろう。ただし速度が高速域に移行しダンパーが大きく仕事をする領域になれば、リバウンド側に一切お釣りを残さないメルセデスらしいフラットライドが味わえる。

動力性能的には低中回転域ではモーターアシストもあってか1.5Lとは思えない力感を示すものの、高回転域ではポッキリカツカツといった印象で、この代で大きく高められたハンドリングの能力を鑑みれば、より強力なエンジンが欲しくなるだろう。価格とのバランス点からいえば、200スポーツと24万円差の220dスポーツがベストチョイスとなることは間違いなさそうだ。

昨年投入されたアウディA6に今年追加された45TFSIクワトロは、245ps/370Nmを発揮する2L 4気筒直噴ターボを搭載するラインナップ中ではベース相当のグレードだ。そのポテンシャルは全域においてクリーン&フラットで、パワー不足を感じることはまずないはずだ。7速SトロニックはDCT式の悪癖も一切感じられず、快適に振る舞ってくれる。そして他の2モデルに比べると後席回りにも余裕が感じられる。

その快適さに輪をかけるのが乗り心地の良さだ。タイヤは非ランフラット系とはいえ、インチアップした見た目からは想像がつかないほどに路面アタリが柔らかい。微小入力域から小さなノイズやバウンドを綺麗に取り去りコンタクト感は適切に伝えてくる、その感覚は高負荷域でもしっかりと続く。メルセデスのように上屋をゆったり動かすわけではなく、とことん几帳面かつ正確に入力に応えて平穏を保とうとする感触は、賛否は分かれるだろうがいかにもアウディらしい。そして平時の快適性は時に5シリーズをも超えるところにいる。近頃のアウディの乗り心地づくりは本当に侮れないと思う。

当然のごとくライバル視される3モデルに乗り比べてみて感じたのは、相手の良さを認め合って積極的に自らに採り入れようという姿勢と、互いとは絶対に異なる自分らしさを押し通すという姿勢が見事に交錯しているということだった。結果としてこれら3台が属するEセグメントは、DやLといった他のセグメントに対してより密度の高いガチンコの勝負を繰り広げているようにみえる。そんな中で優劣をつけるのは難しいことだが、個人的には、M系列ではない標準的な5シリーズの綺麗なバランス感覚が印象に強く残った。

【Specification】MERCEDES-BENZ E200 Sports
■全長×全幅×全高=4940×1850×1455mm
■ホイールベース=2940mm
■車両重量= 1720kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1496cc
■最高出力=184ps(135kW)/5800-6100rpm
■最大トルク=280Nm(28.6kg-m)/3000-4000rpm
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/40R19:275/35R19
■車両本体価格(税込)=7,690,000円




お問い合わせ
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610

【Specification】AUDI A6 45 TFSI Quattro sport
■全長×全幅×全高=4940×1885×1430mm
■ホイールベース=2925mm
■車両重量= 1770kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1984cc
■最高出力=245ps(180kW)/5000-6000rpm
■最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1600-4300rpm
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/55R18:225/55R18
■車両本体価格(税込)=7,990,000円




お問い合わせ
アウディジャパン日本 0120-598-106

【Specification】BMW 530i Luxury
■全長×全幅×全高=4975×1870×1480mm
■ホイールベース=2975mm
■車両重量= 1690kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=252ps(185kW)/5200rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1450-4800rpm
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/45R18:245/45R18
■車両本体価格(税込)=8,440,000円

お問い合わせ
BMWジャパン日本 0120-269-437

【Another Choice】MASERATI GHIBLI/マセラティ ギブリ

イタリア発のスポーティセダン/マセラティ・ギブリには、グランルッソとグランスポーツの2種類のトリムオプションが用意され、細部まで自分好みにカスタマイズ可能。ドイツ車とは趣の違ったアッパーミドルセダンを選ぶならこの1台だ。

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みんなのコメント

13件
  • モデルチェンジのたびに、進化とか洗練とか快適にはなってるんだろうけど、優等生の車は操る楽しみが薄らいでいるよう。メーカーごとの特徴も失われて同じようなクルマになってる感
  • こんな3車比較を万年繰り返してんだから、そりゃあカー雑誌は衰退・消滅まっしぐらや
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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